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    リアラ

    nktu_pdu

    DOODLE小泉光(ライカさんPC)と新田明朗(自PC)の落書きSSです。
    先輩が死んで葬式が終わったあと、つまりアラサーんの二人の話。(霊山も名前だけ出る)
    シナリオのネタバレは特にありません。
    小泉くんと新田の落書き。もしかしてわたしたちははじめからずっとこうだった?





     葬式に出席するため袖を通した喪服をクリーニング屋から引き取ってきた帰り――共通の友人である霊山から、スマートフォンに連絡があった。
    『新田と連絡がとれない』
    『落ち込んでるのは間違いないから様子を見てきてくれないか』
    『俺よりもお前の方が、あいつと仲がいいだろう?』
     そんなメッセージの並ぶ画面を、俺は玄関で、透明のビニールに包まれた喪服を片腕に抱えたまま無表情で眺めていた。すぐに返事を送れなかったのは、突然の連絡に戸惑ったからではなかった。
     最後のメッセージ――『お前の方があいつと仲がいいだろう』という問いかけに、何と答えるべきか、わからなかったからだ。新田明朗は確かに大学時代からの『知り合い』であり、知り合った当初は仲の良い友達、と呼べる間柄だったのだろうが、今はもう違う。彼は俺を置いて先へ行ってしまった。不器用な生き様に似つかわしくない才能でもって、俺を置いてどんどんと文字通り高いところへ――行ってしまった。
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