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    手錠

    T_ShioSag_N

    MEMO付き合い始めのラクファイ。水梨さんの手錠ラクファイを見て、ぼんやりと思いついてたのが、ようやく形になったかなという感じ。『たとえうまくなろうとも』(ラクファイ)

    ざっ、と地面に着地して、辺りを見回す。死角になりそうな場所も隅々と。
    そうしていると、前から相棒のフタチマルがやってきた。
    「フタチマル、どうだ」
    ラクツの問いに、フタチマルは首を横に振った。それを見て、ラクツは肩を落とした。
    (本当に僕から隠れるのがうまくなったな)
    ラクツは少しだけ感嘆した。

    時は少し遡る。
    ファイツは待ち合わせ時間を過ぎたラクツに対して、少し怒りを募らせていた。すでに15分は過ぎた。遅れるのなら遅れる、と伝えて欲しいものだ。
    そう思っているファイツの横に人が立った。「お待たせ、ファイツちゃん」
    「きゃっ!?」
    ファイツは驚いて横を見た。ラクツが立っていた。慌ててきた素振りもなく、いつものように愛想の良い表情だ。
    「遅れてごめんね、さ、行こうか」
    ラクツは言うが、ファイツの表情が険しいままだ。
    「どうしたの、行くよ」
    「どうしたの、じゃないよ!またあたしをまたせて!連絡ほんとできないの!?」
    「しょうがないだろう。ボクの任務はどれもこれもそんな暇はない」
    ファイツが語気を荒らげて問うのに対し、ラクツは淡々と答えるのみ。フ 1462