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    日曜日

    32honeymoon

    REHABILI◇1日1K暁番外編<映像が見えるような小説を目指して>
    色々悩んで、少しでも読み手さんの心に残るものを書きたいと
    着手した1本です。できるだけ情景描写を丁寧に書きだすことを意識しては
    みましたが、どうでしょうか。
    日曜日の朝の軽い読み物として、皆様のお近くに在れればと思います。
    どうしても不穏な終わりにしたくなくて、結局無理やりハッピーエンドにしてしまいました。K暁を幸せにし隊なんで…ゆるして…
    にちようびのあさ、ひとりがこわかったあのひのこと。ー夢を見た。
    彼がまだ、自分の中に居て、自分と同じ景色を見ていた、あの日の夢を。

    彼岸花の咲く川辺に、横たわる自分と。
    それを見下ろしている、彼が居て。
    まるであの日の再来のような光景に、身動きが取れないまま、
    暁人はただ自分を見下ろす彼を見つめ返した。

    物言わぬままの彼がそっと、胸に手を当てて。ーそのまま、深く。手刀が抉るように、暁人の胸を、貫いた。
    ばちん、と目の前が赤く染まる。
    痛みよりも何よりも、視界から彼が消えてしまうことを恐れて、暁人は喉が潰れそうになるのも構わず、彼の名を呼ぼうと口を開いた。
    喉からはひゅうひゅうと息が鳴るばかりで、もはや言葉にはならなかったけれど、
    彼は確かに、その”言葉”を聞いたようだった。
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