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    逃げ

    ミトコンドリア

    DONE『お前が隣に居る日々を』

    🦊が👹から逃げる話
    ミスタ・リアスの逃亡/帰還「エッ」

     ヴォックス・アクマは心の底から驚いて言った。昨日の夜中にたしかに腕に抱いて眠ったはずの恋人が、朝日が昇るのと同時に忽然と姿を消していたのである。 びっくりした猫ちゃんみたいな顔のまま空っぽのスペースをしばらくジッと見つめ、ノソノソベッドから降りた。脱ぎ散らかした服を適当に洗濯機に突っ込んで、早足で家中を回る。ベランダにもトイレにもミスタの姿はなく、ヴォックスは右手にティーカップを 持ってリビングのソファにドッカリ座り、なんとなくテレビを付けて、ついでに煙草にも火をつけてキャスターが滑舌良く話すのをぼうっと聞き流した。
     こういうことは前にもあった。朝起きたらミスタがいなくて、ほとんど半狂乱で探し回っていたら当の本人がビニール袋を引っ提げてケロッと帰ってきたのだ。起こすかメモくらい残せと詰め寄ったが、「疲れてると思って」「忘れてた」とかわゆく謝られたもんだから うっかり美味しい朝食を拵えてしまった。他にも小さい喧嘩をしてプチ家出を決め込んだりだとか、漫画だかゲームだかの発売日だったりだとか、マアしばしば あることだった。それでもこうして毎回律儀に驚いてしまうから、ヴォックスからすれば釈然としないこと ではあるのだが。
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    美晴🌸

    DOODLEぽやぽやしている三日月と無自覚な伽羅ちゃんと逃げ切りたい鶴丸の話
    三日月宗近の相談室 三日月宗近の最近の趣味はといえば、トランプタワーを作ることである。トランプピラミッドとも呼ぶ。
     一組のトランプを使い、ピラミッド型のタワーを組み立てていく。これが、なかなか面白い。手先の器用さと集中力が必要となるトランプタワーは、のんびりとした性質であまり器用とはいえない三日月には到底向いていない趣味だったが、はじめてみると止まらなくなる。一応、組み立てるのは一日に五回まで、と決めてはいたが、最初のころは失敗してぱらぱらと崩れていくのも楽しくて、何度も何度も繰り返して飽きず組み立てたものだった。
     集中して組み立てている一方で、頭のどこかで様々な考えを整理する。今日の出陣の振り返りから、次の出陣で失敗をどう活かすか、円滑に仲間と連携を取るための方法は。そんな真面目なことから、今日の夕餉の内容について、もし嫌いなおかずがでたらどう逃げるか、ということも考えたりする。あまり、揚げ物の類いは好きではないのだ。若いのに譲ってやりたいが、要領のよくない三日月はすぐに見つかって怒られてしまう。短刀たちは揚げ物が好きだから、悪いことではないと思うのだがなあ、と言い訳しても駄目だった。悲しい。
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