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    Undertale

    さいさい

    CAN’T MAKEUndertaleとかいうゲームの二次創作
    リーンカーネーション(序/オルタネート・ブランチ)「行きなよ。もらった可能性がある可能性のお返しに、ぼくはこのドアを開けてあげる。ここに残るのはぼくだけでいい。ぼくが見ているきみたちが本当はただの板に書かれた絵だったとしてももう大丈夫。誰かの思い出と両手にいっぱいの傷とがあれば、夢想でも妄想でも可能性に浸りながら他の誰でもない今ここにいるこのぼくもきっと無限に幸せを噛みしめていられる。ごめんね。ぼくが最悪な目にも最低な目にも遭っていなくて。同じことはできないかもしれないけれど、思い浮かべることならきっとできる。同じ幸福は味わえなくても、その味を想像することだったら多分できるはず。……ほら、ぼくがきみを呼んでる」
    振り向かずに山を下り始めた背中が見えなくなる前にドアを閉じた。何も変わりはせず部屋の中は散らかったままになっている。窓が開きっぱなしのせいで吹き込んだ土埃が薄く積もり、床はどこもざらざらしていた。どこから片付け始めるにしても疲れすぎている。「とりあえず」ぼくはそう呟き、流し台に転がっていたケチャップの空き瓶をごみ箱に突っ込む。何事も何かをしなければ始まらない。
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