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    人魚姫

    甘味。/konpeito

    TRAINING本日の800文字チャレンジ/クロリン
    人魚姫が乞い願うなら/以前投稿したものを加筆修正しました。続きは気が向いたら
    こんなこと、クロウくんにしか頼めないの。ARCUS越しに言い募る同級生の必死さに、クロウ・アームブラストは旅を中断して一路リーヴスへと向かった。
    「いやあ、本当に助かったよ。クロウくん今暇だもんね」
     導力バイクでリーヴス第二分校へ到着したクロウは、呼び出した張本人であるトワ・ハーシェルに出迎えられた。
    「暇……、いやこれでも旅の途中」
    「暇、だよね」
    「あっ、暇させて頂いてます」
     念を押すトワの言い知れぬ圧に慌てて頷いた。トールズ士官学院で共に過ごしていた頃より数段逞しく成長している彼女には逆らわないに限る。
    「実はね。先日の特別演習のときにちょっと困ったことになって。リィンくんなんだけど」
     医務室に居るから案内するね、と先導するトワに並んで歩く。リィン・シュバルツァーはクロウにとって学院時代の後輩であり、内戦時代は敵対し、最終的に相棒として動乱の時代を駆け抜けた男の名前だ。
    「リィンが?」
     彼のことだ。また厄介ごとに首を突っ込んだのだろう。
    「そう。街道に住み着いちゃった魔獣の討伐依頼を受けたⅦ組の付き添いで、そこを訪れたんだけどね。その植物型だった魔獣の花粉を多量に吸い込ん 886