Recent Search
    Create an account to secretly follow the author.
    Sign Up, Sign In

    敗北

    藪逆46

    DONE※コンプさんに描いて頂いた漫画を元ネタに止まらなくなった妄想です
    ※スキア氏敗北物語です
    ※イスカ君がちょっと神格化しています
    ※描いていただいた漫画とはリンクしているようでいないような”行間”の雰囲気文です…
    ※ループの途中という設定です

    神漫画こちら
    https://poipiku.com/7507744/8800021.html
    輪廻の変数この忌々しい輪廻に“気付く”者が、いずれ現れると思っていた。
    だがそれがなぜあの男でなくてはならなかったのか。
    それは今でも解せない。


    「それで、君は一体何が言いたいのかな」

    銀糸の髪の男が平淡に問うと、黒髪を遊ばせた男の口角が上がった。
    黒髪の男の名はイスカ・イシュタール。
    昏い緑の眸は垂れ目がちで、どこか色香のある端正な貌立ち。左頬には火傷のような傷痕がとぐろを巻いていた。

    最初は「古代魔術の使い方を教えてほしい」と屈託なく笑ったその男の眸に、いつの間にか捕食者の影が滲むのを、銀糸の髪の男──スキア・アルコニアは見逃さなかった。
    スキアは透き通る銀髪の美しい顔立ちの男だったが、それには常に真意を隠す微笑みが湛えられていた。所属寮の蛇の刺繍が施されたやけに派手で威圧感のあるコートを纏い、まるで立ち入る余地を見せないスキアに対し、イスカは何の躊躇もなく歩み寄り、顔を寄せ微笑んだ。
    3915

    arare_step

    TRAININGワンライお題「I am」
    クワゼロ成就後の謎空間4ス。13話後~15話前に書きました。
    人を選びまくる内容ですし見ようによっては死ネタですが一応死ネタではないつもりでいる。
    クワゼロに個人への介入とか個の消失とか精神干渉が含まれるなら、4君はまたしてもバチクソに怒りそうだな~という解釈の下に、スレッタの敗北について考えながら書きました。
    自らの由を問う 昏い水の底から、ゆるやかに浮上していくような感覚があった。瞼の裏に光を感じて、エランはゆるゆると目を開けた。
    「エランさん!目が覚めましたか?」
     目を開けると、ノイズの走る満天の星空を背景に、黒いドレスを纏ったスレッタ・マーキュリーが、手をついて覆いかぶさるようにこちらを見下ろしていた。
    「スレッ、タ?」
     驚いて声を出そうとすると、体が鉛のように重かった。喉の渇きに咳き込むと、スレッタの腕が背中に差し込まれ、上体を抱き起こされる。何を、と問う暇もなく、顔が近づいてきて唇が重なった。
    「…!」
     エランは反射的に彼女を押し返そうとしたが、抗おうとしても腕一本動かせない現状に、しばらくして抵抗をあきらめた。エランが体の力を抜いて主導権を委ねると、スレッタは満足げに微笑んで、口に含んでいた水らしきものを彼に移し与えた。
    3324