阿
namo_kabe_sysy
TRAINING800文字(前後)チャレンジ55
アル空 バーテンダーイベントで、もしアルベドくんがやってきたら…という話。
55 アル空「滑らかな味わいのフルーツジュースが欲しいな。名前が思い出せないんだけど……スモールサイズでお願い」
「かしこまりました、スイートシードル湖、スモールサイズですね」
「コーヒーと紅茶と……あと、ミルク! それら全てを一気に味わえるようなドリンクはあるかしら? ラージサイズで飲みたいわ」
「晩鐘ですね、かしこまりました」
「濃厚な味わいのコーヒーを飲みたいんだ。サイズはスモールでいいから、とにかく濃くしてほしい。頼んだよ」
「アテネウムでコーヒーを濃いめですね、お待ちください」
ドリンクの正式名称を口にしない客たちから次々にオーダーを受けていた空は、にこやかな表情で接客しつつも、途切れる気配のない列に疲れを感じ始めていた。
4647「かしこまりました、スイートシードル湖、スモールサイズですね」
「コーヒーと紅茶と……あと、ミルク! それら全てを一気に味わえるようなドリンクはあるかしら? ラージサイズで飲みたいわ」
「晩鐘ですね、かしこまりました」
「濃厚な味わいのコーヒーを飲みたいんだ。サイズはスモールでいいから、とにかく濃くしてほしい。頼んだよ」
「アテネウムでコーヒーを濃いめですね、お待ちください」
ドリンクの正式名称を口にしない客たちから次々にオーダーを受けていた空は、にこやかな表情で接客しつつも、途切れる気配のない列に疲れを感じ始めていた。
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TRAINING800文字(前後)チャレンジ54
アル空 センチメンタル空くんとただ聴き役に徹するアルベドくんの話。
54 アル空甘い夢だ。現実ではないことはすぐわかる。
俺の前に、妹がいる。
お兄ちゃん、と昔からたくさん聴いてきた声が鈴のように鳴っている。やっと会えたねと嬉しそうに笑う。目的は達成されたのだ。もうテイワットに用はないから早く行こうと、落ち着きなく旅立ちを待つ妹に、そんなに急くことはないだろうと苦笑する。
『何を言ってるの? お兄ちゃんが全然ここから離れようとしない方がおかしいのに?』
それは、まだ離れ難いというか、みんなにまだ挨拶もできてないし。
『それは改めてしなきゃならないの? もしかして、彼らと別れるときに都度、〝またね〟なんて言っていたの?』
それは挨拶として自然な言葉だろう?
『……ねえお兄ちゃん、私たちは異世界の人間だよ。お互いがたったひとりの家族。忘れてないよね?』
1688俺の前に、妹がいる。
お兄ちゃん、と昔からたくさん聴いてきた声が鈴のように鳴っている。やっと会えたねと嬉しそうに笑う。目的は達成されたのだ。もうテイワットに用はないから早く行こうと、落ち着きなく旅立ちを待つ妹に、そんなに急くことはないだろうと苦笑する。
『何を言ってるの? お兄ちゃんが全然ここから離れようとしない方がおかしいのに?』
それは、まだ離れ難いというか、みんなにまだ挨拶もできてないし。
『それは改めてしなきゃならないの? もしかして、彼らと別れるときに都度、〝またね〟なんて言っていたの?』
それは挨拶として自然な言葉だろう?
『……ねえお兄ちゃん、私たちは異世界の人間だよ。お互いがたったひとりの家族。忘れてないよね?』
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TRAINING800文字(前後)チャレンジ50
アル空 空くん独白。眠るアルベドくんとの話。
50 アル空三日前のこと。「この日の十八時、モンドの研究室に来て欲しい」とアルベドから頼まれた空は、定刻通り研究室前に到着していた。手土産にはアルベドが好んで食べるスイーツを選び、それを二人分持ってきている。
「アルベド、来たよー。入ってもいい?」
実験中というプレートはさがっていても、構わず入っておいでと最初に言われている。そのためノックをしつつ室内に向けて声を発するが、中からの応答はなく、扉も開かれないままだった。
珍しいな……と首を傾げた空は、途中スクロースと会った時に、どうやらこの数日間、実験の大詰めでほとんど寝ていない様子だと聞かされていたことを思い出す。効率を重視するアルベドでも、様々な事情があって無理をしていたのかもしれない。それならばおそらく、休憩のため睡眠をとっている可能性もある。
2068「アルベド、来たよー。入ってもいい?」
実験中というプレートはさがっていても、構わず入っておいでと最初に言われている。そのためノックをしつつ室内に向けて声を発するが、中からの応答はなく、扉も開かれないままだった。
珍しいな……と首を傾げた空は、途中スクロースと会った時に、どうやらこの数日間、実験の大詰めでほとんど寝ていない様子だと聞かされていたことを思い出す。効率を重視するアルベドでも、様々な事情があって無理をしていたのかもしれない。それならばおそらく、休憩のため睡眠をとっている可能性もある。
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TRAINING800文字(前後)チャレンジ39
アル空 空くんを傷つけたいアルベドくんの話。
39 アル空知らないことを知っていることに変えていく。この作業に終わりはなく、身体が生きることを辞める日まで延々と続くことはすでに理解している。
知らないことを知るのには、知らないことを認識するところから始めなければならない。
そのため周囲の物事へ常に興味関心を向けることが肝要だ。そして同時に己へと問う。『目の前にある物や事象は知っているか?』と、自らの内側に投げかける。
知らない、と返ったなら、予想を立てた後、実験を通して結果を得る。獲得した知識は空きスペースの中に一枚ずつ重ねられていって、身体の一部になっていく。
これまでもこれからも変わらず続く作業の中で、永遠にすべての結果を得られない恐れのある人間と出会った。旅人である空だった。
1583知らないことを知るのには、知らないことを認識するところから始めなければならない。
そのため周囲の物事へ常に興味関心を向けることが肝要だ。そして同時に己へと問う。『目の前にある物や事象は知っているか?』と、自らの内側に投げかける。
知らない、と返ったなら、予想を立てた後、実験を通して結果を得る。獲得した知識は空きスペースの中に一枚ずつ重ねられていって、身体の一部になっていく。
これまでもこれからも変わらず続く作業の中で、永遠にすべての結果を得られない恐れのある人間と出会った。旅人である空だった。
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TRAINING800文字(前後)チャレンジ35
アル空 起きたくないアルベドくんの話。
35 アル空「アルベド、ねえ、起きてるんでしょ」
「……起きてない」
「返事してるじゃん。……ほら、そろそろ支度しよう?」
「……もう少し」
「それ何回目だと思ってるの……」
アルベドの実験を手伝うため、空はモンドにある研究室に出向いた。実験手順の説明を受け、空にわかりやすいように整理されていた器具や薬品についても細かにレクチャーを受ける。一通り聴いた後、アルベドが先導する実験の補佐をやりきった空は、夜も遅くなってしまったからという理由で、アルベドの元で泊まることになった。
シャワーを済ませて、アルベドと同じベッドに潜り込む。客人用としてベッドはもうひとつ準備されていたが、空には最初から別々で寝る頭はなく、当然のことのようにアルベドの隣に寄り添った。
1958「……起きてない」
「返事してるじゃん。……ほら、そろそろ支度しよう?」
「……もう少し」
「それ何回目だと思ってるの……」
アルベドの実験を手伝うため、空はモンドにある研究室に出向いた。実験手順の説明を受け、空にわかりやすいように整理されていた器具や薬品についても細かにレクチャーを受ける。一通り聴いた後、アルベドが先導する実験の補佐をやりきった空は、夜も遅くなってしまったからという理由で、アルベドの元で泊まることになった。
シャワーを済ませて、アルベドと同じベッドに潜り込む。客人用としてベッドはもうひとつ準備されていたが、空には最初から別々で寝る頭はなく、当然のことのようにアルベドの隣に寄り添った。
長(なが)
DOODLEアルベド先生〜首元の✦描き忘れてたので描き足し&加工し直しだけど正直ほぼ見えない…
シナピンが描きたかった たまに武器描きたい欲がすごく出てくるけどそのわりにいざ描くとざっくりしてる🤔
namo_kabe_sysy
TRAINING800文字(前後)チャレンジ27
アル空 現パロ軸、魈くんと空くんの会話。アルベドくんは出てこない。ねむたい空くんの話。
27 アル空「眠そうだな、空」
「ん? んー……うん」
「おい、言ってるそばから船を漕ぐな」
「わかってる、そっちの瓶だよね……」
「……瓶? なんの話だ」
「……え、あ、ごめん。……夢の中でも実験の手伝いしてた……」
「実験……アルベドのか?」
「うん。最近は家でもやってて……いや、最近でもないか。割と前から家でも実験はしてたんだけど、その時間がだいぶ増えてるんだ。だから俺にも手伝えることあるか聞いたら、簡単なものを任せてもらって……そしたら、だんだんこっちも楽しくなってきちゃって。他にも出来ること増やしてもらったんだけど、気づいたらその、結構いい時間だったんだよね……」
「のめり込みすぎだろう……」
「んー、でも楽しかったし、アルベドも喜んでくれてたから俺としてはいいかなって。あとね、手際がいいねって褒めてもらったし、忙しいのはアルベドなのに糖分摂取のためにって美味しいスイーツも用意してくれたんだ。それになにより一緒にいられる時間が増えたから、余計舞い上がっちゃってさ」
1151「ん? んー……うん」
「おい、言ってるそばから船を漕ぐな」
「わかってる、そっちの瓶だよね……」
「……瓶? なんの話だ」
「……え、あ、ごめん。……夢の中でも実験の手伝いしてた……」
「実験……アルベドのか?」
「うん。最近は家でもやってて……いや、最近でもないか。割と前から家でも実験はしてたんだけど、その時間がだいぶ増えてるんだ。だから俺にも手伝えることあるか聞いたら、簡単なものを任せてもらって……そしたら、だんだんこっちも楽しくなってきちゃって。他にも出来ること増やしてもらったんだけど、気づいたらその、結構いい時間だったんだよね……」
「のめり込みすぎだろう……」
「んー、でも楽しかったし、アルベドも喜んでくれてたから俺としてはいいかなって。あとね、手際がいいねって褒めてもらったし、忙しいのはアルベドなのに糖分摂取のためにって美味しいスイーツも用意してくれたんだ。それになにより一緒にいられる時間が増えたから、余計舞い上がっちゃってさ」
ロトス
DONE旅人攻ワンドロライ テーマ:小説空ベドです。全年齢ですが、多少癖の強い描写はあります。
アルベド2号が出てきます。和解したものとして進めています。
傾向として受け優位になりがちです。 8554
ロトス
MOURNINGアルベドくんとクレーちゃんのお話まとめ1. 兄
子供は苦手だ。
最近特にそう感じるようになった。
アルベドが師匠の推薦状からモンドにきてしばらく経った。
アリスはアルベド、騎士団にクレーを預けて旅に出てしまった。
アリスがいた頃のクレーは、たまに甘えてくる程度で特に悪い印象はなかった。
自分より小さな女の子って存在が少し珍しくも感じたくらいだ。
しかし、アリスがいなくなってからのクレーはアルベドにとっては悩みの種でしかなかった。
「あうべどおにいちゃ、遊んで!」
アルベドが研究室に籠っていると、毎日必ず彼女がやってくる。
アルベドの行っている実験は時と場合により小さな子供が近づいたら有毒にもなりえる。「勝手に入ってきちゃ駄目じゃないか。」
アルベドはそう叱咤して毎回彼女を部屋から追い出す。
15541子供は苦手だ。
最近特にそう感じるようになった。
アルベドが師匠の推薦状からモンドにきてしばらく経った。
アリスはアルベド、騎士団にクレーを預けて旅に出てしまった。
アリスがいた頃のクレーは、たまに甘えてくる程度で特に悪い印象はなかった。
自分より小さな女の子って存在が少し珍しくも感じたくらいだ。
しかし、アリスがいなくなってからのクレーはアルベドにとっては悩みの種でしかなかった。
「あうべどおにいちゃ、遊んで!」
アルベドが研究室に籠っていると、毎日必ず彼女がやってくる。
アルベドの行っている実験は時と場合により小さな子供が近づいたら有毒にもなりえる。「勝手に入ってきちゃ駄目じゃないか。」
アルベドはそう叱咤して毎回彼女を部屋から追い出す。