みはいく
DONEノヴァ君の故郷リンガイアはまぎれもなく青森県だと思うのですが、北国ですし、北欧の文化が交ざっていても面白いかなと考え、物語にフィンランドの風習を取り入れています。リンガイアの夏至祭を二人でお祝いするお話です。ノヴァ君が母親の記憶を辿って、少しホロッとしてます。
私得設定で、リンガイアは15歳で元服して成人扱いです。 5556
みはいく
DONE2022.6.11まだ自覚していない頃のふたり。ノヴァ君が先生のお酒を飲んでしまい、倒れてしまいます。酔っぱらってちょっとだけ先生に甘えます。
先生とノヴァ君の一人称で物語が進みます。
*リンガイア王国は十五歳で元服を済ませる私得設定なので、ノヴァ君は成人扱いです。
*ゴッチェ・インペリアルは実在するお酒です。度数なんと92度!
*酔っぱらっているので、ノヴァ君の父親の呼び方が普段と違います。
サフランの雫 ランカークスの森の更に奥深く、他人がほとんど訪れない入りくんだ地形に、オレとオレの弟子が住む工房がある。
オレの腕が壊れてから、人間の坊やを弟子にとって、こうやって工房に住むことになった。ヤツは鍛冶について学びながら、腕が利かなくなったオレの身の回りの世話もしてくれている。
ヤツはオレにとって、そして他の人間たちにとって、いや地上の生きとし生けるものの命の恩人だ。言ってどうなるものでもないから言わないが、あのままなす術もなく手をこまねいていたら、地上はバーンのものになって、消し炭にされていたに違いない。この地上がそんな姿になるなど死んでも見たくない。ヤツがいてくれたからオレはあの剣を使う気になったし、つまるところ、オレの心は死なずに済んだのだ。バーンの所為で心が二度も殺されるなんて、まっぴらごめんだった。
6381オレの腕が壊れてから、人間の坊やを弟子にとって、こうやって工房に住むことになった。ヤツは鍛冶について学びながら、腕が利かなくなったオレの身の回りの世話もしてくれている。
ヤツはオレにとって、そして他の人間たちにとって、いや地上の生きとし生けるものの命の恩人だ。言ってどうなるものでもないから言わないが、あのままなす術もなく手をこまねいていたら、地上はバーンのものになって、消し炭にされていたに違いない。この地上がそんな姿になるなど死んでも見たくない。ヤツがいてくれたからオレはあの剣を使う気になったし、つまるところ、オレの心は死なずに済んだのだ。バーンの所為で心が二度も殺されるなんて、まっぴらごめんだった。
みはいく
TRAINING子供の頃から疑問だった鎧化の仕組みを、自分なりに妄想してみました。今回も捏造の嵐です。魔法に彩られているだけではなく、魔界の科学って、きっとすごく進歩していたのではないかな?と空想しています。
ここに出てくる魔力炉は、あれとは別物です。
何処に刺さるのかよく分からない物語で、完全に私得です。
ル・ロンギニウム ギルドメイン山脈の南西の麓、ランカークスの森の更に奥深くに、ロン・ベルクとノヴァの住まう工房がひっそりと佇んでいる。
工房の付近では、朝から鉈の音が森にこだましている。ここのところの、ノヴァの朝の習慣になっている、炭切りの仕事が行われているのだ。
もともと勘がよく、生来持っている几帳面で真面目で熱心な彼の性格が、みるみるうちにその技術の習得を可能にさせていた。
もともとは炭切り三年などと呼ばれる下積みの仕事だ。だが、彼の工房には未だ自分では鎚も振るえぬ師がいるだけで、次々とまっとうな技術の習得を進めていかなければ、他の誰も師の鍛冶技術を体現することはできない。
知識や技術を求めるノヴァの熱く貪欲な姿勢がいち早い技術の学びと習得を後押ししていた。
6564工房の付近では、朝から鉈の音が森にこだましている。ここのところの、ノヴァの朝の習慣になっている、炭切りの仕事が行われているのだ。
もともと勘がよく、生来持っている几帳面で真面目で熱心な彼の性格が、みるみるうちにその技術の習得を可能にさせていた。
もともとは炭切り三年などと呼ばれる下積みの仕事だ。だが、彼の工房には未だ自分では鎚も振るえぬ師がいるだけで、次々とまっとうな技術の習得を進めていかなければ、他の誰も師の鍛冶技術を体現することはできない。
知識や技術を求めるノヴァの熱く貪欲な姿勢がいち早い技術の学びと習得を後押ししていた。
みはいく
TRAINING今度はnv君が先生への愛を再認識する番です。nv君がお洒落をして、友人の結婚式に出席します。オリキャラが出てきてます。オリキャラが苦手な方はご注意下さい。物語の構成上、地の文だけでは重すぎて、台詞を話させなくては表現できませんでした。ご容赦下さい🙇💦nv君が纏う盛装は私たちの世界の、中世ヨーロッパの貴族のお洒落服です。わりと着た切り雀さんが多いので、妄想の中で豪華な着せかえをしてみました。
サムシング・オールド「結婚式、だと?」
聴き慣れない単語を耳にして、ノヴァが淹れた茶を飲みながらロン・ベルクが聴き返した。思わず単語を強調してしまうほど、ロンにとっては縁のない言葉だ。
「はい。結婚式です」
「ジャンクから聴いたことがある……番いになる男女がする儀式みたいなものだろう? 儀式を完遂するために、ひとが大勢集まるやつだ」
ロンの認識だと、ちょっと殺伐としているような気がして、ノヴァは昼餉の後片付けをしながらクスクスと笑った。魔方陣でも描いて、まるで何かを召喚するようだ。ノヴァがなぜ笑っているのか分からぬまま、ロンは怪訝そうな表情をする。
「……誰の?」
「ボクの幼馴染みです。リンガイアの壊滅から奇跡的に生き延びていたんです。お互いの生死も分からなかったんですが、先日ベンガーナの王宮に父からの手紙が届いたんです。父がリンガイアで復興の活動をしている時に、ボクの幼馴染みが戻って来たそうなんです」
10995聴き慣れない単語を耳にして、ノヴァが淹れた茶を飲みながらロン・ベルクが聴き返した。思わず単語を強調してしまうほど、ロンにとっては縁のない言葉だ。
「はい。結婚式です」
「ジャンクから聴いたことがある……番いになる男女がする儀式みたいなものだろう? 儀式を完遂するために、ひとが大勢集まるやつだ」
ロンの認識だと、ちょっと殺伐としているような気がして、ノヴァは昼餉の後片付けをしながらクスクスと笑った。魔方陣でも描いて、まるで何かを召喚するようだ。ノヴァがなぜ笑っているのか分からぬまま、ロンは怪訝そうな表情をする。
「……誰の?」
「ボクの幼馴染みです。リンガイアの壊滅から奇跡的に生き延びていたんです。お互いの生死も分からなかったんですが、先日ベンガーナの王宮に父からの手紙が届いたんです。父がリンガイアで復興の活動をしている時に、ボクの幼馴染みが戻って来たそうなんです」
みはいく
TRAININGノヴァ君が炭を切る修行を始めるお話です。先生がノヴァ君への愛を再認識します。たった二人きりで惚気あっているような気もします。十字星と北極星のくだりは、既出でしたらごめんなさい。この二つの星、私たちの世界の星ですね。いつもの通り捏造妄想過多です。
熾火ギルドメイン山脈の麓、奥深い森の中にロン・ベルクとノヴァの住まう工房がひっそりと佇んでいる。
辺りは初夏の清々しい空気に満ち溢れ、朝もやの中、木々の隙間を縫って清らかな光が幾筋も降り注いでいる。
新しく増築した工房に、朝早くから鉈の音が響いている。ロンに教えを受けたノヴァが炭を切る練習をしているのだった。
ノヴァにはさすがに自分で炭を焼く技術は無かったので、ランカークスの村外れに住まう老人から炭を買い求めていた。松を材料とした黒炭を大量に買い付け、文字通り朝から晩まで炭を切って修行している。
師曰く、炭の大きさで炉の温度を調節するため、炭を的確な大きさで均等に切る技術は、まともな剣を打つ為にどうしても必要不可欠な技なのだという。
4690辺りは初夏の清々しい空気に満ち溢れ、朝もやの中、木々の隙間を縫って清らかな光が幾筋も降り注いでいる。
新しく増築した工房に、朝早くから鉈の音が響いている。ロンに教えを受けたノヴァが炭を切る練習をしているのだった。
ノヴァにはさすがに自分で炭を焼く技術は無かったので、ランカークスの村外れに住まう老人から炭を買い求めていた。松を材料とした黒炭を大量に買い付け、文字通り朝から晩まで炭を切って修行している。
師曰く、炭の大きさで炉の温度を調節するため、炭を的確な大きさで均等に切る技術は、まともな剣を打つ為にどうしても必要不可欠な技なのだという。
みはいく
TRAININGお互いの寝入り端に見惚れる短編です。一緒に暮らしているのですから、相手の眠る瞬間を見つめる時もあったのではないかと想像しました。何の変哲もない物語ですが、こういった日常が積み重なって、かけがえのない魂の伴侶になっていくのでは……要するにいつもの妄想です。 1996みはいく
TRAININGR-18ですので、閲覧にはパスワードが必要です。ヒントはプロフィールの【橙】欄をご覧下さい。驟雨(しゅうう)は主に夏に降る強い雨の事です。春の終わり頃に降るものを春驟雨というようです。二人の仲にも突然激しい雨が降りました。 6088
みはいく
TRAINING運命の水色の糸は、わりと腐界には浸透している設定ではあります。原典があるのですが、ちょっと曲解しました。水色って、二人を語る時に外せない色だと思うのです。nv君の髪の色、先生の肌の色……。冒頭の詩は一人称を「ボク→僕」で表現していますが、「オレ」でも良いのかも知れません。
今回も他文化が混合しています。しかもいくつも。苦手な方はご注意下さい。
L'amour est bleu 甘美なる恋は水色に揺蕩う
あなたにいだかれるとき
僕のいのちは歓喜にふるえる
甘美なる恋は水色に揺蕩う
あなたに添うとき
僕のたましいは甘くせつなくうちふるえる
ベンガーナの王立機関からのモンスター討伐を何件かこなすうちに、ノヴァは新しい工房の増築改修費用のほとんどを貯める事ができていた。
目標額まであと一歩だ。ノヴァは計画当初から達成額を決めており、達成次第何処かへ普請を借りて、改修工事に当たってもらおうと考えていた。
建築家や大工はベンガーナにいるので、賃貸も同じ街で借り受けることにした。
増築と改修には二ヶ月から三ヶ月程かかるとの事で、それだけの期間があれば残りの費用も貯められる上に、家賃も支払うことが可能だ。
4344あなたにいだかれるとき
僕のいのちは歓喜にふるえる
甘美なる恋は水色に揺蕩う
あなたに添うとき
僕のたましいは甘くせつなくうちふるえる
ベンガーナの王立機関からのモンスター討伐を何件かこなすうちに、ノヴァは新しい工房の増築改修費用のほとんどを貯める事ができていた。
目標額まであと一歩だ。ノヴァは計画当初から達成額を決めており、達成次第何処かへ普請を借りて、改修工事に当たってもらおうと考えていた。
建築家や大工はベンガーナにいるので、賃貸も同じ街で借り受けることにした。
増築と改修には二ヶ月から三ヶ月程かかるとの事で、それだけの期間があれば残りの費用も貯められる上に、家賃も支払うことが可能だ。
みはいく
TRAINING相変わらず捏造過多です。ノヴァ君の熱意に当てられた人達が出てきます。物語を分けたのは、続編に年齢制限を入れたいが為です。三冬尽くⅠ工房の建築の請負人が見つかってから、ノヴァは足繁くベンガーナの城下町を訪れていた。ノヴァの熱のこもった想いを聴いて賛同してくれた人々と、新しい工房と普請の細かい打ち合わせをするためだ。
ノヴァが熱く語ったあの時、最初に立ち上がってくれたのは、第一線を退いている高齢の建築家だった。彼女はノヴァを自分の孫のように出迎えてくれた上に、彼女の自宅兼事務所に仲間たちを参集してくれた。
図面を見て話す時、彼女の柔和な顔が引き締まり、鋭い眼光でもって検分が行われていく。彼女の疑問をノヴァや仲間の大工たちと共有して、図面でしかない机上の空論を地上に下ろしていく。
リビングを見直され、暖炉ではなくきちんと別の竈を造って料理をした方が良いと進言された。食は命の源だと彼女は言い、ノヴァもその通りだと思った。
2714ノヴァが熱く語ったあの時、最初に立ち上がってくれたのは、第一線を退いている高齢の建築家だった。彼女はノヴァを自分の孫のように出迎えてくれた上に、彼女の自宅兼事務所に仲間たちを参集してくれた。
図面を見て話す時、彼女の柔和な顔が引き締まり、鋭い眼光でもって検分が行われていく。彼女の疑問をノヴァや仲間の大工たちと共有して、図面でしかない机上の空論を地上に下ろしていく。
リビングを見直され、暖炉ではなくきちんと別の竈を造って料理をした方が良いと進言された。食は命の源だと彼女は言い、ノヴァもその通りだと思った。
みはいく
TRAININGお弟子をとるって、どういう意味があるのでしょう?先人の知恵と技術を、魂をこめて教え込む。お弟子さんの一生涯を左右してしまう。教える側にもそれ相応の覚悟が必要だと思うのです。先生はあまり善悪には拘らない気質なようでいて、伝えるべき事、注意させるべき事を、きちんと教えているんじゃないかな、と思っています。冬来たりなば「先生……ここ……ここですか?」
「……違うな」
「じゃあ、もっと……こっち?」
「そこも違う」
「どこがいいんですか……ここは?違う?」
「そうじゃない」
「もう、どこから入れれば良いのか……分かりません……」
「自分で探ってみろ」
「難しいです……ボク、初めてなのに……」
ロン・ベルクとノヴァが穏やかな小春日和に、ぴたりと寄り添って一生懸命に励んでいる。文字通り手取り足取り教えてもらっているはずなのだが、師の言うポイントがノヴァには一向に分からない。
「ヒントはやっただろう?」
「どれだったのかなぁ……」
テーブルの上の設計図にデッサン用の木炭を転がして、椅子の背もたれに身体を預けると、ノヴァは天を仰いだ。
6954「……違うな」
「じゃあ、もっと……こっち?」
「そこも違う」
「どこがいいんですか……ここは?違う?」
「そうじゃない」
「もう、どこから入れれば良いのか……分かりません……」
「自分で探ってみろ」
「難しいです……ボク、初めてなのに……」
ロン・ベルクとノヴァが穏やかな小春日和に、ぴたりと寄り添って一生懸命に励んでいる。文字通り手取り足取り教えてもらっているはずなのだが、師の言うポイントがノヴァには一向に分からない。
「ヒントはやっただろう?」
「どれだったのかなぁ……」
テーブルの上の設計図にデッサン用の木炭を転がして、椅子の背もたれに身体を預けると、ノヴァは天を仰いだ。
みはいく
TRAINING原作終了後の妄想です。付喪神は私たちの文化の概念ですが、あちらの世界にもあったら面白いな、と思い書きました。他文化混合が苦手な方はご注意下さい。また、今回も薫っております。付喪神の恋「貴様、まさか、このオレに敵うとでも思っているのか。逆らっても無駄だ、やめておけ。オレは貴様をどうにでもできる。意のままにな。貴様はこのままでは後がない。本気でオレを怒らせる前に進退を決めた方がいいな」
ロン・ベルクは至極真剣な表情で、膝を付き合わせて目の前の相手を説き伏せている。表情からしてよほど赦せないらしい。相手はテーブルについて、微動だにせずロンの言葉を聴いているようだ。
「……そうか、どうしても認めないというわけか。だとしたらオレは貴様を棄てざるを得ない。この結果は貴様の逆運の証だ」
ロンは目の前の相手に冷たい視線を送った。ロンの目の前、テーブルの上にはノヴァの護身用のナイフが鎮座していた。
6491ロン・ベルクは至極真剣な表情で、膝を付き合わせて目の前の相手を説き伏せている。表情からしてよほど赦せないらしい。相手はテーブルについて、微動だにせずロンの言葉を聴いているようだ。
「……そうか、どうしても認めないというわけか。だとしたらオレは貴様を棄てざるを得ない。この結果は貴様の逆運の証だ」
ロンは目の前の相手に冷たい視線を送った。ロンの目の前、テーブルの上にはノヴァの護身用のナイフが鎮座していた。
みはいく
TRAINING今までとまったく違う環境下で懸命に順応しようとする我慢強いノヴァ君。なんでもないように装ってしまう。でも、無理をしすぎて本当は心が悲鳴をあげているのではないかと思いました。それにいち早く気づくのは、きっと本人ではないでしょう。それに気づいた者の発する言葉や表現や考え方が次第に変わっていく…こんな切ない夜もあったんじゃないか、という、そんなお話です。
蒼白き夜半の切先 実用性の高さか、はたまた優美さか。両方あれば良いのか。質実剛健か華美か。間を取れば良いだけの問題か。好みの問題か。
ノヴァが所有する護身用のナイフについて話が及んだとき、ロンとノヴァの尽きることのない装飾への想いがせめぎ合った。
ノヴァは城塞王国リンガイアの出身だ。一年の多くを冬が支配する北の大地の生まれだけあって、忍耐強く、頑強で、素朴で、情や義に篤い。他者と協力し合うのに慣れているのは、厳しい環境下でも生き残る術だからだ。反面、冬籠もりで他者と隔絶されることも苦ではない。
生きるためにエネルギーを貯蓄し、無駄なパワーは使わない。厳冬下で無駄をすると死が待っている。小さな頃から剣の道を選んだ事もあり実用性を重視している。
4511ノヴァが所有する護身用のナイフについて話が及んだとき、ロンとノヴァの尽きることのない装飾への想いがせめぎ合った。
ノヴァは城塞王国リンガイアの出身だ。一年の多くを冬が支配する北の大地の生まれだけあって、忍耐強く、頑強で、素朴で、情や義に篤い。他者と協力し合うのに慣れているのは、厳しい環境下でも生き残る術だからだ。反面、冬籠もりで他者と隔絶されることも苦ではない。
生きるためにエネルギーを貯蓄し、無駄なパワーは使わない。厳冬下で無駄をすると死が待っている。小さな頃から剣の道を選んだ事もあり実用性を重視している。
ぽてこ
DONE嘘をつく話。いつもお世話になっているぽん🍊さんへ捧げます。「愛している」って言ってみて「嘘でも言っておけばいい」
フェルディナンドの提案に、わたしは「そうですねぇ」と呟いた。
好きとか嫌いとか、政略結婚がデフォの貴族達のくせに、なんでわたし達のことをそんなに気にするんだろうね。
わたしの行動が貴族らしくないのはわかる。だって元々貴族じゃないんだから。この国の常識とも違う。それはそうだ、わたしの過ごした半分以上はこの世界じゃないんだから。
家族同然のフェルディナンドを助けに行ったのなら、わたしは彼を愛していないといけないらしい。対外的にはヴィルフリートと婚約していたのにも関わらず、内々には王族入り——ジギスヴァルトの第三夫人への話があったのにも関わらず、だ。どんな不義な子という設定なの!?
5277フェルディナンドの提案に、わたしは「そうですねぇ」と呟いた。
好きとか嫌いとか、政略結婚がデフォの貴族達のくせに、なんでわたし達のことをそんなに気にするんだろうね。
わたしの行動が貴族らしくないのはわかる。だって元々貴族じゃないんだから。この国の常識とも違う。それはそうだ、わたしの過ごした半分以上はこの世界じゃないんだから。
家族同然のフェルディナンドを助けに行ったのなら、わたしは彼を愛していないといけないらしい。対外的にはヴィルフリートと婚約していたのにも関わらず、内々には王族入り——ジギスヴァルトの第三夫人への話があったのにも関わらず、だ。どんな不義な子という設定なの!?