arei_ash
DONE異世界転移系 楓恒の続き2続きます
丹恒は夢から飛び起きた。まだ半分眠りの中にいたせいで視界がぐらぐらと揺れる。それと同時に、こめかみがぎりぎりと締め付けられるような不快感。思わず顔を顰めた。目覚めは最悪だ。
「…っは、……う、」
何故か息苦しい。肺がきりりと痛んで、激しく上下する肩に気づいた。どうやら呼吸も乱れているらしい。深く空気を吸い込んで、ゆっくりと吐き出した。何度か繰り返すと揺れる視界も痛みを発するこめかみも大分ましになった。もう一度大きく息を吐き出して辺りを見渡す。
テーブルの上に置かれた飲みかけのペットボトル。
布団の横に無造作に積まれた本の山。
窓際に昨夜干した洗濯物。
そこまで確認して、力を抜いた。見慣れた自室にいくらか正気を取り戻した。枕元に置いてあるスマホの画面を開くと、五時と表示されている。窓から差し込む光はまだ弱い。
3587「…っは、……う、」
何故か息苦しい。肺がきりりと痛んで、激しく上下する肩に気づいた。どうやら呼吸も乱れているらしい。深く空気を吸い込んで、ゆっくりと吐き出した。何度か繰り返すと揺れる視界も痛みを発するこめかみも大分ましになった。もう一度大きく息を吐き出して辺りを見渡す。
テーブルの上に置かれた飲みかけのペットボトル。
布団の横に無造作に積まれた本の山。
窓際に昨夜干した洗濯物。
そこまで確認して、力を抜いた。見慣れた自室にいくらか正気を取り戻した。枕元に置いてあるスマホの画面を開くと、五時と表示されている。窓から差し込む光はまだ弱い。
arei_ash
MAIKING異世界転移系の楓恒◇続きます
*微死ネタ
*流血表現あり
プロローグ──空が泣いていた。
ぽたり、ぽたりと雫が落ちる。
ひとつ、またひとつと頬に当たって流れ落ちる。
それはどうしてだか、僅かに温かい。そこで、はたと気づいた。
誰かが泣いているのだ。明暗しか認識する事が出来なくなった視界に影が差していたからだ。
またひとつ、雫が頬を伝っていく。
「──、──!」
声がする。これは誰の声だろうか。轟々と頭を揺らすような耳鳴りのせいで何と言っているのか分からない。
それでも、叫んでいる事は分かった。
「──!」
名を呼ばれた。呼ばれているのは自分だ。誰かが自分の名を必死に叫んでいる。
泣かないで欲しいと思う。泣かなくて良いと声をかけてやりたいのに、血の塊が口から吐き出されるだけで意味のある言葉を作れなかった。
531ぽたり、ぽたりと雫が落ちる。
ひとつ、またひとつと頬に当たって流れ落ちる。
それはどうしてだか、僅かに温かい。そこで、はたと気づいた。
誰かが泣いているのだ。明暗しか認識する事が出来なくなった視界に影が差していたからだ。
またひとつ、雫が頬を伝っていく。
「──、──!」
声がする。これは誰の声だろうか。轟々と頭を揺らすような耳鳴りのせいで何と言っているのか分からない。
それでも、叫んでいる事は分かった。
「──!」
名を呼ばれた。呼ばれているのは自分だ。誰かが自分の名を必死に叫んでいる。
泣かないで欲しいと思う。泣かなくて良いと声をかけてやりたいのに、血の塊が口から吐き出されるだけで意味のある言葉を作れなかった。
arei_ash
MOURNING話の都合上没になってしまった楓恒R-15くらい
「待て。丹恒、……何故服を脱ぐ?」
「何故って、服を脱がなければ出来ないだろう」
解いた帯をそのままに首を傾げる。何を当たり前の事を言うのだろうか。丹楓の質問の意図が分からない。
「まさか其方、交合が入れて出して終わりなどとは思ってはおるまいな」
「え、違うのか?」
その言葉を聞いた丹楓は、まるで頭痛が痛いかのように額に手を当て、盛大な溜息を付いた。一体何なんだ。
「良いか、丹恒。持明の龍の交合は、五日掛けて行う」
「五日!?」
流石にそれは体力が持たないのでは無いだろうか。腹上死という三文字が丹恒の脳裏を過ぎる。
「故に、其方の言うペースで交わった場合、体力が尽きるのは時間の問題。そこで、慣例として肉体の交合を行うのは五日目。それ以外の四日を気を高める愛撫に当てるのだ」
787「何故って、服を脱がなければ出来ないだろう」
解いた帯をそのままに首を傾げる。何を当たり前の事を言うのだろうか。丹楓の質問の意図が分からない。
「まさか其方、交合が入れて出して終わりなどとは思ってはおるまいな」
「え、違うのか?」
その言葉を聞いた丹楓は、まるで頭痛が痛いかのように額に手を当て、盛大な溜息を付いた。一体何なんだ。
「良いか、丹恒。持明の龍の交合は、五日掛けて行う」
「五日!?」
流石にそれは体力が持たないのでは無いだろうか。腹上死という三文字が丹恒の脳裏を過ぎる。
「故に、其方の言うペースで交わった場合、体力が尽きるのは時間の問題。そこで、慣例として肉体の交合を行うのは五日目。それ以外の四日を気を高める愛撫に当てるのだ」
ΦωΦ゛
DONE学パロレイチュリ🗿🦚推しCPには一生ちゅっちゅしててほしい。
学パロ🗿🦚「んっ」
思いがけないことに濁った声を零すとトパーズが「どうしたの?」と聞いてくる。アベンチュリンは買ったばかりのリップクリームを睨みながら溜息をついた。
「さっき適当に買ったリップが味付きだったんだよ」
「ああ、最近よくあるわよね。何の味だったの?」
「なんだろう? 甘い。唇に味があると不快だなぁ。コンビニでも買えたっけ? 落としたい……っン」
「バニラ味だな。不愉快だ」
アベンチュリンの唇にキスをしたレイシオは本に視線を戻しながらむすりと眉根を寄せた。アベンチュリンが「だろう?」と返せば、前を歩いていたトパーズがわなわなと肩を震わせて吠えた。
「あんたたちいい加減にしなさいよ! 少しは人目を気にして! 私も居るんだから!」
3535思いがけないことに濁った声を零すとトパーズが「どうしたの?」と聞いてくる。アベンチュリンは買ったばかりのリップクリームを睨みながら溜息をついた。
「さっき適当に買ったリップが味付きだったんだよ」
「ああ、最近よくあるわよね。何の味だったの?」
「なんだろう? 甘い。唇に味があると不快だなぁ。コンビニでも買えたっけ? 落としたい……っン」
「バニラ味だな。不愉快だ」
アベンチュリンの唇にキスをしたレイシオは本に視線を戻しながらむすりと眉根を寄せた。アベンチュリンが「だろう?」と返せば、前を歩いていたトパーズがわなわなと肩を震わせて吠えた。
「あんたたちいい加減にしなさいよ! 少しは人目を気にして! 私も居るんだから!」
ΦωΦ゛
DONEレイ+チュリにCO-OP型脱出ゲームやらせたら爆速クリアするんだろうなと思いつつ、シオ先生が考え込み始めて詰むかもっていうネタ両方詰めた。🗿🦚未満。CO-OP型脱出 硬い地面に足がついた。
強制的な空間転移を終えたとてつもない不快感に頭を押さえてゆっくりと目を開く。今立っている場所は研究所のようで、石造りの部屋には見慣れない装置や本が散らばっている。人が居るような気配はない。だが長年放置されたというほど埃や砂を被ってもいない。
さて、とアベンチュリンは頭が正常に働いているのか状況を整理する。
カンパニーの人間が数名行方不明になった原因である奇物の回収と行方不明者の捜索部隊に何故だか戦略投資部のアベンチュリンが同行することになった。詳しい事情は聞かされていない。スケジュールが空いたところに不意に上から命じられて断る余地もなかった。
ビーコンが途切れた場所で奇物を発見した途端、体が意識ごとどこかへ持って行かれてしまったのだ。その場所がここだということは理解できた。
7639強制的な空間転移を終えたとてつもない不快感に頭を押さえてゆっくりと目を開く。今立っている場所は研究所のようで、石造りの部屋には見慣れない装置や本が散らばっている。人が居るような気配はない。だが長年放置されたというほど埃や砂を被ってもいない。
さて、とアベンチュリンは頭が正常に働いているのか状況を整理する。
カンパニーの人間が数名行方不明になった原因である奇物の回収と行方不明者の捜索部隊に何故だか戦略投資部のアベンチュリンが同行することになった。詳しい事情は聞かされていない。スケジュールが空いたところに不意に上から命じられて断る余地もなかった。
ビーコンが途切れた場所で奇物を発見した途端、体が意識ごとどこかへ持って行かれてしまったのだ。その場所がここだということは理解できた。
arei_ash
REHABILI景丹/景恒R-15
仕返しのつもりが返り討ちにあった🍁の話
好奇心は猫を何とやら「……丹恒?」
景元が驚いたように目を見開く。それもそうだろう。何故なら丹恒が景元の上に乗り上げているからだ。
いつも丹恒が景元と共に夜を過ごす時は、決まって共に湯浴みをし、時に身体を重ね、同じ寝台で抱き合って眠るというのがいつもの流れだった。その過ごし方に問題はない。問題があるのは景元との夜の行為。
すなわち性行為であった。
彼が乱暴だとかそういう訳では無い。ただ途中から記憶が飛んでしまうくらいに乱れさせられる事が問題なのだ。丹恒はいつも精一杯なのに、どこか余裕のある景元に少し不満があった。余裕を無くした姿を見てみたいと思うのは何らおかしな事ではないだろう。
──ほんの少しの意趣返しのつもりだった。
1389景元が驚いたように目を見開く。それもそうだろう。何故なら丹恒が景元の上に乗り上げているからだ。
いつも丹恒が景元と共に夜を過ごす時は、決まって共に湯浴みをし、時に身体を重ね、同じ寝台で抱き合って眠るというのがいつもの流れだった。その過ごし方に問題はない。問題があるのは景元との夜の行為。
すなわち性行為であった。
彼が乱暴だとかそういう訳では無い。ただ途中から記憶が飛んでしまうくらいに乱れさせられる事が問題なのだ。丹恒はいつも精一杯なのに、どこか余裕のある景元に少し不満があった。余裕を無くした姿を見てみたいと思うのは何らおかしな事ではないだろう。
──ほんの少しの意趣返しのつもりだった。
arei_ash
REHABILI景丹/景恒一緒にお酒を呑む二人の話
*何でも許せる方向け
Amber's temptation『偶には私と一献傾けるのはどうだろうか』
突如として送られてきた一通のメッセージに丹恒はぱちりと目を瞬いた。その送り主は、羅浮の将軍──景元であった。しばらくの間、依頼のために星穹列車は羅浮に留まることになっていた。誰かを通じて、景元の耳に入ったのかも知れない。それに軽く息を吐いて、どうしたものかと思案を巡らせる。
彼が丹楓の生まれ変わりである自分を何かと気にかけている事は知っていた。おそらく自分とかつてのように親しくなりたいのだろうことも。だが、丹恒は、彼との接し方が未だ分からずにいた。長きに渡って囚われていた場所から救ってくれたのは紛れもなく彼だ。それには感謝をしてもしきれない借りがあるが、どうしたらいいものか。
2357突如として送られてきた一通のメッセージに丹恒はぱちりと目を瞬いた。その送り主は、羅浮の将軍──景元であった。しばらくの間、依頼のために星穹列車は羅浮に留まることになっていた。誰かを通じて、景元の耳に入ったのかも知れない。それに軽く息を吐いて、どうしたものかと思案を巡らせる。
彼が丹楓の生まれ変わりである自分を何かと気にかけている事は知っていた。おそらく自分とかつてのように親しくなりたいのだろうことも。だが、丹恒は、彼との接し方が未だ分からずにいた。長きに渡って囚われていた場所から救ってくれたのは紛れもなく彼だ。それには感謝をしてもしきれない借りがあるが、どうしたらいいものか。