naru381231
MOURNING何かのお祭りにいく月鯉エノのさんこいち(細かいことは気にしない)※もやもや月鯉未満
※現パロ
※社会人月と大学生鯉と小学生エノちゃん
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商談用の資料をまとめ上げ、急いで会社を飛び出した月島は、その足で二つ隣の駅へと向かった。駅を降り、脇目も振らずある神社を目指す。
風もない蒸し暑い夜だった。
そんな不快な夜でも、広い神社の周囲は明るく、人で溢れ返っている。今夜は年に一度の祭事らしい。
真っ赤な鳥居の下、目を見張る程の美男子が肩に少女を乗せて激しく手を振っていた。
「月島ぁ!こっちだ、こっち!」
「月島ニシパ!残業長いよぉ!」
祭りに相応しく、ぴしりと浴衣で決め込んだ鯉登とエノノカが、牛串とクレープを各々手に持ち月島を迎えた。
「す、すみません!これでも急いで来たんですが」
二人の前で止まり、膝に手を置き乱れた呼吸を整える。涼しげに着飾った二人とは違い、月島はYシャツに革靴という少し場違いな出で立ちだ。
4136商談用の資料をまとめ上げ、急いで会社を飛び出した月島は、その足で二つ隣の駅へと向かった。駅を降り、脇目も振らずある神社を目指す。
風もない蒸し暑い夜だった。
そんな不快な夜でも、広い神社の周囲は明るく、人で溢れ返っている。今夜は年に一度の祭事らしい。
真っ赤な鳥居の下、目を見張る程の美男子が肩に少女を乗せて激しく手を振っていた。
「月島ぁ!こっちだ、こっち!」
「月島ニシパ!残業長いよぉ!」
祭りに相応しく、ぴしりと浴衣で決め込んだ鯉登とエノノカが、牛串とクレープを各々手に持ち月島を迎えた。
「す、すみません!これでも急いで来たんですが」
二人の前で止まり、膝に手を置き乱れた呼吸を整える。涼しげに着飾った二人とは違い、月島はYシャツに革靴という少し場違いな出で立ちだ。
じぇひ
DOODLE月鯉 書きたいとこだけ7/11 加筆
涙も美しいのだな、と眼前でしゃくり上げている男を見つめる。彼の長い睫毛を濡らすそれは朝露のようで、きらきら輝く様は彼の目を一層魅力的にするアクセサリのようだった。大きな雫となり輪郭を滑り落ちていくので溢れてしまっては勿体無いと拭い取ってやる。それでも流れ続ける涙の粒はやがて一筋の川の様になっていった。拭き取るだけでは追いつかなくなって、軽く舐め取る舌に広がる塩味は、痺れと共に確かな甘露ものせて味覚を刺激した。根源ごと吸い取ってしまおうか、と眼球に舌を這わせようとしたところで鯉登が目を見開いたので大きな瞳が露わになる。涙で濡れたそれは、かつて故郷の地で見た海。或いはかの人を、またはあの人を呑み込んでいった溟渤のようだった。ゆらゆらと強い輝きを放ち熱を持ちつつこちらを見つめている。なかないでください。と、言うとお前もだ、月島と言いべろんと瞼ごと舐められた。少し瞼がひんやりとして、また熱い流れができてようやく自分も涙を流していることに気がつく。ツン、と脳をつんざくような刺激が電流の様に鼻奥を駆け上がる。枯れたと思っていたのに。そう思っていたからこそ言われるまで気が付かなかったのだ。大切な物を、尊い物を諦めて進む道の途中に置いてきたからこそ染みついた鈍感さだった。喉が締め付けられる様に収縮するのが酷く苦しい。堪えきれずにえずくと泣くなぁと自分よりも大きな声でわんわん泣いている鯉登につよく、強く抱きしめられる。
1130ぎねまる
MOURNING初登場前の、苛烈な時代の鯉登の話。わりと殺伐愛。過去話とはいえもういろいろ時期を逸した感がありますし、物語の肝心要の部分が思いつかず没にしてしまったのですが、色々調べて結構思い入れがあったし、書き始めてから一年近く熟成させてしまったので、供養です。「#####」で囲んであるところが、ネタが思いつかず飛ばした部分です。
月下の獣「鯉登は人を殺したことがあるぞ」
それは鯉登が任官してほどない頃であった。
鶴見は金平糖を茶うけに煎茶をすすり、鯉登の様子はどうだ馴染んだか、と部下を気にするふつうの上官のような風情で月島に尋ねていたが、月島が二言三言返すと、そうそう、と思い出したように、不穏な言葉を口にした。
「は、」
月島は一瞬言葉を失い、記憶をめぐらせる。かれの十六歳のときにはそんな話は聞かなかった。陸士入学で鶴見を訪ねてきたときも。であれば、陸士入学からのちになるが。
「……それは……いつのことでしょうか」
「地元でな──」
鶴見は語る。
士官学校が夏の休みの折、母の言いつけで鯉登は一人で地元鹿児島に帰省した。函館に赴任している間、主の居ない鯉登の家は昵懇の者が管理を任されているが、手紙だけでは解決できない問題が起こり、かつ鯉登少将は任務を離れられなかった。ちょうど休みの時期とも合ったため、未来の当主たる鯉登が東京から赴いたのだ。
13599それは鯉登が任官してほどない頃であった。
鶴見は金平糖を茶うけに煎茶をすすり、鯉登の様子はどうだ馴染んだか、と部下を気にするふつうの上官のような風情で月島に尋ねていたが、月島が二言三言返すと、そうそう、と思い出したように、不穏な言葉を口にした。
「は、」
月島は一瞬言葉を失い、記憶をめぐらせる。かれの十六歳のときにはそんな話は聞かなかった。陸士入学で鶴見を訪ねてきたときも。であれば、陸士入学からのちになるが。
「……それは……いつのことでしょうか」
「地元でな──」
鶴見は語る。
士官学校が夏の休みの折、母の言いつけで鯉登は一人で地元鹿児島に帰省した。函館に赴任している間、主の居ない鯉登の家は昵懇の者が管理を任されているが、手紙だけでは解決できない問題が起こり、かつ鯉登少将は任務を離れられなかった。ちょうど休みの時期とも合ったため、未来の当主たる鯉登が東京から赴いたのだ。
naru381231
TRAINING支部に置いてる駆け落ち月鯉「じゃあ、さようなら」の小話パート3です。※ちょっと暗くなったけど幸せ月鯉です
月島の作業着を洗い終え、極力皺が寄らぬようにしっかりと伸ばしてから庭に干す。鯉登の日課だ。
この町にやって来るまで、洗濯機のひとつもまともに回すことのできなかった鯉登が、今やアイロン掛けまで見事にこなせるようになった。
梅雨明けを告げたワイドショーの言う通り、本日の天候は快晴。ようやくの部屋干し地獄からの解放で、洗い終えた洗濯物を抱え込んだ鯉登は、すぐさま庭に飛び出した。
容赦なく降り注ぐ日光の中、濡れた作業着を面前に掲げ、二、三度空中に叩きつけると、胸ポケットの部分が妙に膨らんでいることに気が付いた。
「ん?忘れ物か?」
首を傾げ取り出してみれば、ぐしゃりと潰れた煙草とマッチ箱。どちらもまだ、十本程残っている。洗濯機の中で洗い揉まれたその二つは、最早使い道のないゴミ屑同然と成り果てていた。
3462この町にやって来るまで、洗濯機のひとつもまともに回すことのできなかった鯉登が、今やアイロン掛けまで見事にこなせるようになった。
梅雨明けを告げたワイドショーの言う通り、本日の天候は快晴。ようやくの部屋干し地獄からの解放で、洗い終えた洗濯物を抱え込んだ鯉登は、すぐさま庭に飛び出した。
容赦なく降り注ぐ日光の中、濡れた作業着を面前に掲げ、二、三度空中に叩きつけると、胸ポケットの部分が妙に膨らんでいることに気が付いた。
「ん?忘れ物か?」
首を傾げ取り出してみれば、ぐしゃりと潰れた煙草とマッチ箱。どちらもまだ、十本程残っている。洗濯機の中で洗い揉まれたその二つは、最早使い道のないゴミ屑同然と成り果てていた。
543h
MOURNING【最終回後の月と鯉】うまく表現できないのが歯痒いのですが、私の中で、最終回後の月と鯉の関係性はこんな感じです。いつでも手を汚せる覚悟の月と、その必要性については理解しているものの、できる限り月の手を汚させたくはないと思っている鯉。こんな感じで二人して前へ前へと進んでいってほしいな〜と思ってます。 2
naru381231
TRAINING支部に置いてる駆け落ち月鯉「じゃあ、さようなら」の小話パート2です。雑で汚いので、とりあえずポイピクに仕舞ってます。
※駆け落ちネタあんまり関係ないのでこれだけでも読めます。
台風日和 毎朝流れる天気予報が当てにならない日もあるのだと、月島は鉛の空を仰いだ。商店街のアーケードの下、重々しいどしゃ降り雨をなす術もなくただ見上げることになるとは。
夜には台風が近付くらしい。本日の業務を早めに切り上げ、その足で鯉登が食べたいと言っていた、商店街のケーキ屋へと寄り道をした帰りだった。
予定時刻よりも随分早くにやってきた禍々しい黒い雲に、月島は呆気なく捕まってしまったのだ。ほんの帰り道程度ならばと、傘を事務所に置いてきた数十分前の己を呪いたい。
「……風も出てきたな」
アーケードから僅かばかり身を乗り出して、掌で豪雨の圧を感じ取る。周囲を眺め渡せば、ゴミや塵、どころではなく、駐車禁止の三角コーンや商店の立て看板が大きな音をたてて強風に吹き飛ばされかけていた。明け方のうちに、雨戸をしっかりと閉めておいて正解だったと胸を撫で下ろす。
3916夜には台風が近付くらしい。本日の業務を早めに切り上げ、その足で鯉登が食べたいと言っていた、商店街のケーキ屋へと寄り道をした帰りだった。
予定時刻よりも随分早くにやってきた禍々しい黒い雲に、月島は呆気なく捕まってしまったのだ。ほんの帰り道程度ならばと、傘を事務所に置いてきた数十分前の己を呪いたい。
「……風も出てきたな」
アーケードから僅かばかり身を乗り出して、掌で豪雨の圧を感じ取る。周囲を眺め渡せば、ゴミや塵、どころではなく、駐車禁止の三角コーンや商店の立て看板が大きな音をたてて強風に吹き飛ばされかけていた。明け方のうちに、雨戸をしっかりと閉めておいて正解だったと胸を撫で下ろす。
543h
MEMO【月鯉】最終回後で何かが吹っ切れた月と、その様子にたじろぐ鯉・・・が頭に浮かんだので、ネタ帳です。
ナニカが始まる直前なので念のためワンクッション置いてます。続くかな?
★6/28★
こちらをベースに完成させたお話をpixivへアップいたしました〜!
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=17863771 2
yuki
DOODLE♡の数で描くお題のやつで『挑発している月鯉』を描きました!でも、挑発っていうより誘惑って感じになっちゃったかな(^^;)
ちなみにこのツキシマの台詞、ずっと言わせたいなと思ってたやつなんです(笑)
言わせたいし脇フェラもさせたいんです!数年前に商業BLで脇フェラプレイを見まして最高に滾ったんですよね♡
という事で、そのうち続きを描きたいです(^^)v
WAKIGEって最高ですよね♡♡♡
uekikabeuchi
DONE現パロの鯉登のお兄さんと友達の月島とちっちゃい鯉登さんとの話(半年位前に書いてた月鯉の加筆修正)ジューンブライドですねっといえ「わたしのかわいい弟と結婚の約束をしたのか?」
校舎の廊下で呼び止めてきた友に出会い頭にそう問われて、月島はぽかんと口を開けて固まった。
「結婚?」
「ああ、先週の日曜の話なんだが。」
対する友・・・平之丞は口元は微笑んでいるけれど内から放っている威圧感が全く隠せていない。平素は菩薩のような穏やかな男が珍しい、と月島は内心首を傾げた。今はまるで菩薩の面を顔に貼り付けた般若だ。
「覚えがない。先週の日曜・・・? そんな話は一度も・・・」
困惑しながらそう答えつつ、だがこの男が何の根拠もなくそんな話をしてくるとはとても思えない、と目を瞑って月島は件の先週の日曜に想いを馳せた。
「・・・そういえばあの子に連れションに行こうと誘われたけど結局行かずじまいだったな。」
2976校舎の廊下で呼び止めてきた友に出会い頭にそう問われて、月島はぽかんと口を開けて固まった。
「結婚?」
「ああ、先週の日曜の話なんだが。」
対する友・・・平之丞は口元は微笑んでいるけれど内から放っている威圧感が全く隠せていない。平素は菩薩のような穏やかな男が珍しい、と月島は内心首を傾げた。今はまるで菩薩の面を顔に貼り付けた般若だ。
「覚えがない。先週の日曜・・・? そんな話は一度も・・・」
困惑しながらそう答えつつ、だがこの男が何の根拠もなくそんな話をしてくるとはとても思えない、と目を瞑って月島は件の先週の日曜に想いを馳せた。
「・・・そういえばあの子に連れションに行こうと誘われたけど結局行かずじまいだったな。」
naru381231
TRAINING支部に置いてる駆け落ち月鯉「じゃあ、さようなら」の小話。※性行為を匂わす表現がほんの少し出てくるので苦手な方は閲覧注意です。
ある日のランチタイム 六月の太陽光は眼球に悪い。肌がいくら焼けようが構わないが、瞼の裏にじくじくと疲労が蓄積される、あの感覚が苦手だ。ただでさえ、家に帰れば太陽よりも目に悪い男が月島の視界を覆い尽くすというのに。
廃墟と化した木造建築の解体作業も終盤に差し掛かっていた。頃合いだと踏んで、各々休憩をとり始める同僚達とともに、月島も日陰へと腰をおろす。
一昨日までの大雨が嘘のように、乾いた行楽日和だ。
水を飲み、ふぅ、と息を吐いて、今朝の鯉登を思い返す。
月島の為、毎日作る弁当を珍しく作り忘れたと一人で大騒ぎしていた。何処かで買うから気にするなと宥めても、鯉登は申し訳なさげにしょぼくれたままで、その様子がいじらしく、月島の口元を自然と緩ませる。
3081廃墟と化した木造建築の解体作業も終盤に差し掛かっていた。頃合いだと踏んで、各々休憩をとり始める同僚達とともに、月島も日陰へと腰をおろす。
一昨日までの大雨が嘘のように、乾いた行楽日和だ。
水を飲み、ふぅ、と息を吐いて、今朝の鯉登を思い返す。
月島の為、毎日作る弁当を珍しく作り忘れたと一人で大騒ぎしていた。何処かで買うから気にするなと宥めても、鯉登は申し訳なさげにしょぼくれたままで、その様子がいじらしく、月島の口元を自然と緩ませる。
uekikabeuchi
DONE「私は、15RTされたら「囚人×看守」をお題にした月鯉のえっちなお話を書きます!」という診断メーカーで15RTには至ってないけどじわじわ萌えてしまいこういう展開ちょっとえっちだなと思いました(作文)
ご反応ありがとうございます! 2207
zeana818
DONE鯉登大佐殿には兄上がいるらしいぜ、っていう話。モブ出てきます。壮年です。軍関係は適当です!!
別れの華 鯉登大佐殿には年の離れた兄上がいらっしゃる——第七師団の者であれば、皆知っていることである。『退役軍人で、今は御母堂様と函館で暮らしておられる』らしく、大佐殿は少しでもまとまった時間を作っては、そちらに向かうのである。
軍人にはあるまじき軟弱さ……などという評判は、大佐殿には当てはまらない。陸軍最強北鎮部隊、その中でも最も勇猛果敢で鳴り響くのが『鯉登音之進大佐』の名であるのだから。
色々な逸話があるが、中でも樺太冒険譚は絵の上手い兵卒が仕立てた絵本まであり、最も好まれている。大佐殿の八面六臂の活躍だけでなく、しっかりと失敗談までが正直に語られていて、その飾り気のなさが実に魅力的なのである。
まあ、臍曲がりはどこにでもいて、元々海軍が出自なのだから兄上は海で戦没なさったはず、嘘ばかりだ、ホラ吹きだなどと腐されることもあるが、ごく少数だ。軍と言う閉ざされた空間において、眩いほどに逞しく麗しい大佐殿は兵卒に愛されるのに十分な御仁であった。
5235軍人にはあるまじき軟弱さ……などという評判は、大佐殿には当てはまらない。陸軍最強北鎮部隊、その中でも最も勇猛果敢で鳴り響くのが『鯉登音之進大佐』の名であるのだから。
色々な逸話があるが、中でも樺太冒険譚は絵の上手い兵卒が仕立てた絵本まであり、最も好まれている。大佐殿の八面六臂の活躍だけでなく、しっかりと失敗談までが正直に語られていて、その飾り気のなさが実に魅力的なのである。
まあ、臍曲がりはどこにでもいて、元々海軍が出自なのだから兄上は海で戦没なさったはず、嘘ばかりだ、ホラ吹きだなどと腐されることもあるが、ごく少数だ。軍と言う閉ざされた空間において、眩いほどに逞しく麗しい大佐殿は兵卒に愛されるのに十分な御仁であった。