かぞくのとびら（The way to say I'm home.）11.


オートロック無し、エレベーター無し、そこそこ築浅の鉄骨3階建て。悠仁の家はごく普通の1Kの単身者用アパートだった。
うちに来た帰りに車で近くまで送ったことは何度かあったけれど、中に入るのは初めてだった。車はすぐ近くの小さなコインパーキングに停めた。

「ここの３階」

エントランスの隅に何台か自転車がとまっていて、その一つは悠仁の赤いマウンテンバイクだった。
大人の男が二人並んで進むにはやや細い階段を上り、規則正しく並んだドアの先、角部屋が悠仁の部屋らしかった。

鍵を回しながら「どーぞ」と悠仁が言った。

「おじゃましまーす」

正方形の狭い三和土で靴を脱ぐ。パチ！と悠仁が電気をつけると、廊下というほどでもないスペースにおそらくトイレのドアと、脱衣場の無い風呂の折戸があった。反対側にはステンレスのキッチン。前に悠仁が言っていた通り、シンクがやたらと小さくて笑ってしまった。

かぞくのとびら（The way to say I'm home.）10.


一向に雨のやまない窓の外へ視線を移しながら、悠仁は「俺ね」と切り出した。

「恵と野薔薇を見た時、初めて会う気がしなかったんだ。二人が俺の隣を離れなくてさ、こうぎゅうぎゅう挟まれて。あまりにも動けなくてじっとしてたらそのまま二人、俺の体に寄りかかって寝たんだよ。それがなんか……すごくしっくりきて……懐かしかった」

ふいにいつかの任務帰りを、僕は思い出した。西日の高速道路、振り返った後部座席。眠る恵と野薔薇に挟まれた悠仁は優しい表情をしていた。
きっと、二人と再会した日の〝虎杖先生〟も。

「〝先生〟やってる俺がこんなこと言っちゃだめなんだけどさ、二人は特別かわいいと思ってる。他の子供たちの〝可愛い〟と……ちょっと、ううん、全然違う……あ、これ秘密だからね」

新扎师弟　　虎杖悠仁在警校在读时一直保持着优异的成绩，毕业后按理来说分在东京的警部不会有多少悬念。收拾收拾行李准备等候通知的虎杖悠仁衣服装到一半，门口响起敲门声。

　　跟着老师走在走廊中央的虎杖小警官难掩心中激动，不出意外进入办公室后自己就会收到分配通知。

　　谁知走入办公室一瞧，人站了不少。未免太多了些？虎杖悠仁心中想。

　　再看老师身旁的几位男子，着装分明是重案组的制服。难道是一毕业就被分进了重案组吗？

　　为首的校长招呼虎杖悠仁上前，虎杖悠仁虽然不明就里，但还是乖乖走了过去。校长拍拍虎杖的肩，转身向身穿重案组制服的几人中明显是上司的那位介绍说这就是人选。重案组上司一手托腮，简单思考几秒随后满意地点点头。

　　“我们查了你的背景，很干净，也没有亲戚抚养，外形条件和成绩都不错。”上司说道，“是很合适的人选。”