塩野真知。
PROGRESS1/12 SUPER brilliant days 2025冬にて頒布しました、
巽マヨ新刊『劣等星を捕まえて』 が
完売しましたので、無配ペーパーや
没になった表紙、当時の進捗コマなどを
まとめました。
改めまして、興味を持ってくださった方、
手に取ってくださった方、
応援してくださった方……
皆さん本当にありがとうございました! 9
たまき
PASTCP絵 巽マヨ上が古くて下が一番新しい。先月と今月は描いてないな......
俺はきっと巽マヨにちゅーしてほしいんだと思う。初心だな。
もっとCP絵描きたいんだけど、1人描くので精一杯なとこある。 3
nlak_kk
TRAINING巽→←マヨ無人駅で海を眺める話。
(恋をしている) 「海を見に行きませんか」
巽の唐突な誘いにマヨイは一言目を失った。首をかじける姿に慌てて承諾の言葉を返せば、巽は安堵の色を浮かべてマヨイの手のひらに体温を重ねる。
何故あなたはすぐに私に触れるのでしょうか。視線を揺らしながらも、問いかけるために唇を震わせようともしなかった。視線を落とせば、巽の手のひらは未だに両手を温かく包み込んでいる。それじっと見つめていれば、どことなく額がむず痒い心地になる。
「あのぉ、逃げませんので……ですから、そろそろ手を離していただけませんか? 」
もはや口癖のような謝罪の言葉ののち、一度力を込められた手のひらはようやくその体温を離す。指先までもじんわりと温めたそれは、己が離されることを望んだはずなのに、自らの意思であの感触を忘れまいと掴み返しているようだ。そんなはずはない。頭を振る。わずかな振動で三つ編みから後れ毛が逃げ出せば、その毛先すらも彼はとらえた。指先ですっと撫でつけ、元いた毛束へと戻してやる。一瞬うなじに指の腹が触れると、マヨイは思わず顔を上げた。
5435巽の唐突な誘いにマヨイは一言目を失った。首をかじける姿に慌てて承諾の言葉を返せば、巽は安堵の色を浮かべてマヨイの手のひらに体温を重ねる。
何故あなたはすぐに私に触れるのでしょうか。視線を揺らしながらも、問いかけるために唇を震わせようともしなかった。視線を落とせば、巽の手のひらは未だに両手を温かく包み込んでいる。それじっと見つめていれば、どことなく額がむず痒い心地になる。
「あのぉ、逃げませんので……ですから、そろそろ手を離していただけませんか? 」
もはや口癖のような謝罪の言葉ののち、一度力を込められた手のひらはようやくその体温を離す。指先までもじんわりと温めたそれは、己が離されることを望んだはずなのに、自らの意思であの感触を忘れまいと掴み返しているようだ。そんなはずはない。頭を振る。わずかな振動で三つ編みから後れ毛が逃げ出せば、その毛先すらも彼はとらえた。指先ですっと撫でつけ、元いた毛束へと戻してやる。一瞬うなじに指の腹が触れると、マヨイは思わず顔を上げた。
nlak_kk
TRAINING新婚の巽マヨ。穏やかでやさしい未来の話。ほんの少し🍋イベント要素あり
焼きたての味はあなたとの特別 風がカーテンを揺らし、かさりとアルバムを捲る。何度も開かれたであろうページは幾分か日に焼け、青春が遠く過ぎたものだと語るようだった。部屋に一人分の足音が響くと、厚い表紙がぱたりと閉じられる。ターコイズのレザークロスにあしらわれた四つのスートを細い指先がするりと踊る。
「マヨイさん……っと、すみません。窓を閉め忘れたようで」
エプロン姿の男は、甘い匂いを纏わせてマヨイの細腰を一度抱くと、悪戯げにカーテンを揺らす風を遮る。「巽さん」と名前を呼んだきり静まる部屋で、なおも慈愛に満ちた表情でアルバムに目を落とす彼の指をそっと絡めた。
「懐かしいですな。フランスへ行った時のものですね」
巽が優しく目を細めるとマヨイはこくりと頷く。せっかくですから復習しておこうかと思って、と控えめな言葉が返された。
998「マヨイさん……っと、すみません。窓を閉め忘れたようで」
エプロン姿の男は、甘い匂いを纏わせてマヨイの細腰を一度抱くと、悪戯げにカーテンを揺らす風を遮る。「巽さん」と名前を呼んだきり静まる部屋で、なおも慈愛に満ちた表情でアルバムに目を落とす彼の指をそっと絡めた。
「懐かしいですな。フランスへ行った時のものですね」
巽が優しく目を細めるとマヨイはこくりと頷く。せっかくですから復習しておこうかと思って、と控えめな言葉が返された。
nlak_kk
TRAINING💚💜が夜の海で過ごす話。いずれ書こうと思っているお話の後日譚のため、不明瞭な点を含みます。
祈らないものたち 七月六日、もうじき日を跨ごうとする新月の夜。
きぃ、かたりと、ロッジの扉が静かに閉まる。他人と暮らす中でこんな小さな生活音は極めて些細なものだった。眠りを揺り起こすこともないこの音を、もうひとつの足音がひたひたと後を追った。
ロッジを出てじゃりじゃりとしばらく地面を踏み鳴らした後、こつこつとコンクリートを蹴る。しばらくするとしゃくしゃくと砂が足にまとわりつき、湿った風が焦燥感を撫でた。目的の相手はというと砂浜にひざ掛けを敷いて座り込み、ぼうっと遠く海原に視線を向けていた。紫色の髪は夜半の海に同化し、膝を折る姿は怪人というよりもむしろ波打ち際で黄昏る人魚のように思われた。
「マヨイさん! 」
突然の呼びかけ声とスマートフォンのライトにひっと悲鳴が上がる。声の主に振り返れば、新月の夜でもそのきらめきがわかる薄緑色の髪がゆらりと彼のそばに寄った。
4293きぃ、かたりと、ロッジの扉が静かに閉まる。他人と暮らす中でこんな小さな生活音は極めて些細なものだった。眠りを揺り起こすこともないこの音を、もうひとつの足音がひたひたと後を追った。
ロッジを出てじゃりじゃりとしばらく地面を踏み鳴らした後、こつこつとコンクリートを蹴る。しばらくするとしゃくしゃくと砂が足にまとわりつき、湿った風が焦燥感を撫でた。目的の相手はというと砂浜にひざ掛けを敷いて座り込み、ぼうっと遠く海原に視線を向けていた。紫色の髪は夜半の海に同化し、膝を折る姿は怪人というよりもむしろ波打ち際で黄昏る人魚のように思われた。
「マヨイさん! 」
突然の呼びかけ声とスマートフォンのライトにひっと悲鳴が上がる。声の主に振り返れば、新月の夜でもそのきらめきがわかる薄緑色の髪がゆらりと彼のそばに寄った。
nlak_kk
MOURNING2024.6.27中華衣装で白米を引っ提げたマヨイちゃんがあまりに可愛いので。
※ストーリー更新前のド妄想です。
Q.好きな食べ物 好きな食べ物、好きな食べ物……うううう 絞れませぇん!
「マヨマヨ〜、そんなに難しい顔してどうしたの」
凛月が背後からにゅっと顔を出すと、マヨイは高らかな悲鳴をあげてアンケート用紙を宙に放り投げる。よっとキャッチすれば、彼がうんうんと悩んでいたのは「好きな食べ物」の欄だった。
「あ〜 これって、衣装のモチーフになるんだよねぇ。どうしてそんなに悩むの? 確かブドウが好きって答えてなかったっけ」
「どうしてそれを!? 」
「同業者の視察ってやつ〜? まぁそれは半分冗談で、この前の誕生日にブドウのケーキ食べてたからさぁ、そうかなぁと思って」
「ヒィ そんなに私のことを見ないでくださいぃ」
「タッちゃんほど見てないからだいじょーぶ」
2189「マヨマヨ〜、そんなに難しい顔してどうしたの」
凛月が背後からにゅっと顔を出すと、マヨイは高らかな悲鳴をあげてアンケート用紙を宙に放り投げる。よっとキャッチすれば、彼がうんうんと悩んでいたのは「好きな食べ物」の欄だった。
「あ〜 これって、衣装のモチーフになるんだよねぇ。どうしてそんなに悩むの? 確かブドウが好きって答えてなかったっけ」
「どうしてそれを!? 」
「同業者の視察ってやつ〜? まぁそれは半分冗談で、この前の誕生日にブドウのケーキ食べてたからさぁ、そうかなぁと思って」
「ヒィ そんなに私のことを見ないでくださいぃ」
「タッちゃんほど見てないからだいじょーぶ」
nlak_kk
TRAINING巽がマヨイの身体準備のためにやさしいご飯を作る話(いわゆる腸内洗浄を行いやすくするための前段階の話。排泄描写、SEXの描写はありません)
続きを書いて清書をしたら、R18部分を分けてこちらに投稿、また、pixivにはまとめて投稿しようかと思います。
献立ラブレター 風早巽は悩んでいた。
(マヨイさんがあまり食事を摂ってくれません)
日常的に巽が料理の腕を振るうことが多く、ユニットメンバーの舌は彼の腕で出来上がっていると言っても過言ではない。つまり、よっぽどのことがない限り、彼の食事が口に合わないことはないはずだ。とはいえ、一昨日から礼瀬マヨイの食が細っていっていることが、目下彼の悩みの種になっていた。
(元々一般男性よりも食が細い印象を受けますが、とはいえこうも食べる量が少なくなっているのはどうしてでしょう? 寒くなってきましたし、具合でも悪いのでしょうか)
昼食時に尋ねてはみたものの、マヨイはぶんぶんと首を振ると一目散に逃げだしてしまった。これでは解決の糸口も掴めない。彼はただでさえ体調を崩しやすい上、冬の気配が次第に濃くなっている。
7452(マヨイさんがあまり食事を摂ってくれません)
日常的に巽が料理の腕を振るうことが多く、ユニットメンバーの舌は彼の腕で出来上がっていると言っても過言ではない。つまり、よっぽどのことがない限り、彼の食事が口に合わないことはないはずだ。とはいえ、一昨日から礼瀬マヨイの食が細っていっていることが、目下彼の悩みの種になっていた。
(元々一般男性よりも食が細い印象を受けますが、とはいえこうも食べる量が少なくなっているのはどうしてでしょう? 寒くなってきましたし、具合でも悪いのでしょうか)
昼食時に尋ねてはみたものの、マヨイはぶんぶんと首を振ると一目散に逃げだしてしまった。これでは解決の糸口も掴めない。彼はただでさえ体調を崩しやすい上、冬の気配が次第に濃くなっている。
nlak_kk
TRAININGこっそりと紫陽花デートをする巽マヨ(一次創作で使ったネタをリメイクしました)半径75センチメートル 見上げるほど群生する紫陽花を前に直径150センチメートルの黒い傘が前後に並ぶ。細い小道にその他の傘はなく、布地を打ち付ける雨音や生き物の鳴き声、二人っきりのひそひそ声があるばかりだ。
「写真で見るよりも素晴らしいですねぇ……」
思わず視界を狭めていたハットを脱ぎ、淑やかな詠嘆の声をもらす。同じくハット姿の青年も静かに息を吐いた。
「本当に美しいですね。ところで、随分と遠くまでやってきましたが、お疲れではありませんか? マヨイさん」
前を行く傘が振り向くと、紫陽花に目を奪われていた青年がこくりとうなずく。揃いのハットには、それぞれのスートが刺繍されており、買って早々にふたりで施したものだった。
「はい。ありがとうございます。ここ……巽さんが探してくださったんですか? 」
1844「写真で見るよりも素晴らしいですねぇ……」
思わず視界を狭めていたハットを脱ぎ、淑やかな詠嘆の声をもらす。同じくハット姿の青年も静かに息を吐いた。
「本当に美しいですね。ところで、随分と遠くまでやってきましたが、お疲れではありませんか? マヨイさん」
前を行く傘が振り向くと、紫陽花に目を奪われていた青年がこくりとうなずく。揃いのハットには、それぞれのスートが刺繍されており、買って早々にふたりで施したものだった。
「はい。ありがとうございます。ここ……巽さんが探してくださったんですか? 」