さいとうさん🦊🧢
DONEのんびり書いていたらスケベムーブを逃してしまって(読者的に)寸止めな話になりました…。R18ではないけど直接的な表現はあります。ぬるくて甘いよ!【社会人流彩】スケベ未満 同棲はしない主義。
今どき堅苦しいなんて周囲は言うけれど、私は私の信条に従うのみ。だってなんだか“なぁなぁ”になりそうで、ちょっとね。
だから流川が新しい家を契約した時、合鍵さえ受け取らなかった。
私が過ごしやすいように前の賃貸よりずっと広くて、快適な間取り、立地、つまりは頑張ったお値段。喜ぶだろうと奮発したのよね。
「ごめん、鍵は要らないわ。あんたが居る時じゃないと行かないし」──そんなハッキリとしたノーの返事に愕然とした流川の表情ったらなかった。分かるのよ。あんたがどれほど楽しみにしてたかなんて、手に取るように分かるんだけど。
でもその代わり、私の家の合鍵は渡したんだから、充分って思わない?
2842今どき堅苦しいなんて周囲は言うけれど、私は私の信条に従うのみ。だってなんだか“なぁなぁ”になりそうで、ちょっとね。
だから流川が新しい家を契約した時、合鍵さえ受け取らなかった。
私が過ごしやすいように前の賃貸よりずっと広くて、快適な間取り、立地、つまりは頑張ったお値段。喜ぶだろうと奮発したのよね。
「ごめん、鍵は要らないわ。あんたが居る時じゃないと行かないし」──そんなハッキリとしたノーの返事に愕然とした流川の表情ったらなかった。分かるのよ。あんたがどれほど楽しみにしてたかなんて、手に取るように分かるんだけど。
でもその代わり、私の家の合鍵は渡したんだから、充分って思わない?
さいとうさん🦊🧢
TRAINING流川を好きになる彩子の話。富中から湘北にかけての捏造しかないモブ盛り沢山回です。一度は流←彩も書いてみたくて、がっつり書けて本人は満足しています。一瞬だけほんのり花晴。最後はハッピーエンドですが、いつものように何でも読みたい方向け。流←彩【どんな雲にも銀の裏地がついている】 神奈川県立富ヶ丘中学校は、制服こそあれど学区内でも比較的自由な校風だ。偏差値が高いわけではないが、文教地区が近いこともあって周辺地域の治安も落ち着いている。校則の締めつけがなくても生徒たちが羽目を外すことは稀だった。
そんな富中でも六月に入ると生徒の三分の二が浮き立つ。三年生は二泊三日の修学旅行、二年生も一泊キャンプがあるからだ。大半の生徒が校舎から消えるこの数日間は部活動もほとんどが休みになり、一年生たちは伸び伸びと過ごす。
五月三十一日。梅雨入り予報に違わず朝から雨が降り続ける。三年二組の日直日誌を書き終えて、彩子は職員室へ急いだ。さっさと提出して部活に行きたい。湿気で廊下と上履きが擦れる。キュッキュッ。まるで体育館で聞こえるバッシュの擦れる音と同じだ。
18890そんな富中でも六月に入ると生徒の三分の二が浮き立つ。三年生は二泊三日の修学旅行、二年生も一泊キャンプがあるからだ。大半の生徒が校舎から消えるこの数日間は部活動もほとんどが休みになり、一年生たちは伸び伸びと過ごす。
五月三十一日。梅雨入り予報に違わず朝から雨が降り続ける。三年二組の日直日誌を書き終えて、彩子は職員室へ急いだ。さっさと提出して部活に行きたい。湿気で廊下と上履きが擦れる。キュッキュッ。まるで体育館で聞こえるバッシュの擦れる音と同じだ。
さいとうさん🦊🧢
MOURNING昨日Twitterと支部に載せた【名前呼びされたい付き合いたての社会人流彩の彩子】の、原案です。もっとしっとりした雰囲気かつ、流川が強気〜。あ、これ難航するかも、とさっさと切り上げたのでめちゃくちゃ中途半端かつ短いです。こういう二人も今度しっかり書きたいな…原案・SWITCH【冒頭のみ】 好きだから付き合ってほしい、と言ってきたのは流川の方からだ。聞きそびれたけど、一体いつからだったのか。
中学から続く先輩後輩の関係が、まさか二十代になって、今更変わるなんて考えもしなかった。
学生時代はよく知った相手と付き合うのはときめきがないようで、惹かれなかった。でも大人になると、それはそれでよく知る相手とそういう仲になるのは気恥ずかしさや失敗したときの不安が付き纏う──そう思っていたのに、流川なら、大丈夫だと直感が働いた。
だって流川は今まで一度も私を不安にさせたことがない。流川といて嫌な気持ちになったことが一度もない。
十年以上の付き合いで、それってすごいことだ。
そしてその直感は大正解で、彼氏になってからの流川はこれまで通りいいやつで、私をホッとさせた。
643中学から続く先輩後輩の関係が、まさか二十代になって、今更変わるなんて考えもしなかった。
学生時代はよく知った相手と付き合うのはときめきがないようで、惹かれなかった。でも大人になると、それはそれでよく知る相手とそういう仲になるのは気恥ずかしさや失敗したときの不安が付き纏う──そう思っていたのに、流川なら、大丈夫だと直感が働いた。
だって流川は今まで一度も私を不安にさせたことがない。流川といて嫌な気持ちになったことが一度もない。
十年以上の付き合いで、それってすごいことだ。
そしてその直感は大正解で、彼氏になってからの流川はこれまで通りいいやつで、私をホッとさせた。
さいとうさん🦊🧢
REHABILIリハビリ用に頂いたリクエスト【流川が何度か告白しても彩ちゃんに振られるけれど、虎視眈々と時期を見計らい、最後には彩ちゃんを無事ゲットして念願のカレカノになるお話】の最終話・大学編です。
短いエピローグですが、ようやく完結しました!楽しんでいただけたら幸いです。
【リク消化SS】何度も振られて最後はカレカノ4 残り五秒、相手チームのシューターが逆転を狙う。リングの手前で弾かれたボールを桜木の右手がリバウンドで掴み取った。フロントコートに走り出していた流川へ渾身のロングパスを投げる。
前には誰もいない。流川にはもうリングしか見えなかった。受け取ったボールをチームきっての俊足でドリブルで運ぶと、流川は軸足を踏み切った。
叩きつけたダンクシュートでリングは軋んだが、その音は試合終了のブザーと、そして今日一番の歓声にかき消された。
「優勝おめでとう!」
「晴子さん! 見てくれましたか天才の勇姿を!」
「手に汗握っちゃった!」
「赤木も仕事じゃなければなぁ」
「有給取りゃ良かったんだよ」
「そう言うなよ。繁忙期は仕方ないさ」
1457前には誰もいない。流川にはもうリングしか見えなかった。受け取ったボールをチームきっての俊足でドリブルで運ぶと、流川は軸足を踏み切った。
叩きつけたダンクシュートでリングは軋んだが、その音は試合終了のブザーと、そして今日一番の歓声にかき消された。
「優勝おめでとう!」
「晴子さん! 見てくれましたか天才の勇姿を!」
「手に汗握っちゃった!」
「赤木も仕事じゃなければなぁ」
「有給取りゃ良かったんだよ」
「そう言うなよ。繁忙期は仕方ないさ」
さいとうさん🦊🧢
REHABILIリハビリ用に頂いたリクエスト【流川が何度か告白しても彩ちゃんに振られるけれど、虎視眈々と時期を見計らい、最後には彩ちゃんを無事ゲットして念願のカレカノになるお話】の3話・大学編です。
捏造しかないですが、アヤちゃんに彼氏がいる設定なのでご注意ください。あと三井先輩も友情出演。次回で最終回です!
【リク消化SS】何度も振られて最後はカレカノ3 噂には聞いていたが三年になってから日々が目まぐるしい。特に七月のテスト期間からユニバーシアード、秋季大会、インカレへのスケジュールが尋常じゃない。
流川が最初にユニバに招集されたのは二年だったが、年々求められるものも高まる上に、問題は学業面だ。
高校時代の赤点追試合宿を思い出す。
「範囲広すぎ……」
「次は辞書持ち込み可の授業を取りなさいよ」
大学図書館のオープンスペースで円卓に向かい合って座るのは彩子だ。
他大学に在籍中の四年だが、沿線上に一人暮らしなこともあり、就職先が内定済みの優等生は時折後輩たちの様子を見に来る。
「この様子だと桜木花道もヤバそうね〜」
「どあほうは赤木先輩が見てる」
「社会人一年目に余計な仕事を増やすな」
2695流川が最初にユニバに招集されたのは二年だったが、年々求められるものも高まる上に、問題は学業面だ。
高校時代の赤点追試合宿を思い出す。
「範囲広すぎ……」
「次は辞書持ち込み可の授業を取りなさいよ」
大学図書館のオープンスペースで円卓に向かい合って座るのは彩子だ。
他大学に在籍中の四年だが、沿線上に一人暮らしなこともあり、就職先が内定済みの優等生は時折後輩たちの様子を見に来る。
「この様子だと桜木花道もヤバそうね〜」
「どあほうは赤木先輩が見てる」
「社会人一年目に余計な仕事を増やすな」
さいとうさん🦊🧢
REHABILIリハビリ用に頂いたリクエスト【流川が何度か告白しても彩ちゃんに振られるけれど、虎視眈々と時期を見計らい、最後には彩ちゃんを無事ゲットして念願のカレカノになるお話】の中編?2話目?湘北編?です。やはりバスケ部襲撃編は、流彩の民として外せませんでした!
あと1-2回で終わるかな〜どうかなぁ…
【リク消化SS】何度も振られて最後はカレカノ2「えっ、あんた、湘北に来るの」
「家から近いし」
「そりゃまあそうだけど、流川ならもっとバスケの強いところに行くかと思ってた」
三月某日、神奈川県内の公立高校の合格発表日。
県立湘北高校も例に漏れずピロティに合格者番号が貼り出され、確認のために訪れた受験生で賑わっていた。
春休み中だが、在校生の部活動は通常通り行われている。
彩子もバスケ部に出るところだった。
誰か知り合いがいないかと、ふとピロティを覗いたら流川がいたのだ。
飛び抜けて背の高い流川は、群衆の少し後ろから番号を探し当てたようだった。
「富中からは他に誰か受けてないの?」
「知らねー」
「……もちろん、バスケ部に来るわよね」
「そこを疑う?」
2403「家から近いし」
「そりゃまあそうだけど、流川ならもっとバスケの強いところに行くかと思ってた」
三月某日、神奈川県内の公立高校の合格発表日。
県立湘北高校も例に漏れずピロティに合格者番号が貼り出され、確認のために訪れた受験生で賑わっていた。
春休み中だが、在校生の部活動は通常通り行われている。
彩子もバスケ部に出るところだった。
誰か知り合いがいないかと、ふとピロティを覗いたら流川がいたのだ。
飛び抜けて背の高い流川は、群衆の少し後ろから番号を探し当てたようだった。
「富中からは他に誰か受けてないの?」
「知らねー」
「……もちろん、バスケ部に来るわよね」
「そこを疑う?」
さいとうさん🦊🧢
REHABILIリハビリ用に頂いたリクエスト【流川が何度か告白しても彩ちゃんに振られるけれど、虎視眈々と時期を見計らい、最後には彩ちゃんを無事ゲットして念願のカレカノになるお話】の前編?1話目?富中編?です。
次は高校編の予定。小分けにしちゃってすみません!
【リク消化SS】何度も振られて最後はカレカノ(1)「流川先輩って、彩子先輩のこと好きだよね?」
「わかる! 絶対そうだよね?」
富ヶ丘中の男女バスケ部は仲が良く、それは仲間としての意味合いもあったがカップルが成立しやすい環境も含まれていた。
実際に流川が一年の頃、それぞれの部長同士が付き合っていたし、二年に上がった今では男バスの副部長と女バスのマネージャーが付き合っている。
体育館を分け合い同じ空間で部活に励む思春期の彼らにとって、仲間意識が恋愛に変化する垣根というのはあってないようなものだった。
だから、冒頭の噂話も特別なことではなかった。よくある世間話の一つだ。
「聞こえてるぞ」
女バスの後ろを無言で通り過ぎる流川のあとを男バスの副部長が続き、釘を刺す。噂話自体はよくあることだが、よくあるからといって肯定されるものではない。
1757「わかる! 絶対そうだよね?」
富ヶ丘中の男女バスケ部は仲が良く、それは仲間としての意味合いもあったがカップルが成立しやすい環境も含まれていた。
実際に流川が一年の頃、それぞれの部長同士が付き合っていたし、二年に上がった今では男バスの副部長と女バスのマネージャーが付き合っている。
体育館を分け合い同じ空間で部活に励む思春期の彼らにとって、仲間意識が恋愛に変化する垣根というのはあってないようなものだった。
だから、冒頭の噂話も特別なことではなかった。よくある世間話の一つだ。
「聞こえてるぞ」
女バスの後ろを無言で通り過ぎる流川のあとを男バスの副部長が続き、釘を刺す。噂話自体はよくあることだが、よくあるからといって肯定されるものではない。
さいとうさん🦊🧢
REHABILIリハビリ用に頂いたリクエスト【流彩に絡む三井さん】でした!
思ったより落ち着いたテンションの小噺になってしまった…。タイトルが決まったら支部にも載せます〜!
リクエストありがとうございました😭🙏✨
【リク消化SS】流彩に絡む三井さん 卒業式を週末に控えた火曜日の休み時間。
「おらよ」
「三井先輩って律儀なんですね」
「お前なぁ」
「冗談ですよ。ありがとーございまっす」
「こいつ……」
三井から受け取った小袋を顔の前に掲げて軽口を叩くのはマネージャーの彩子だ。
先月のバレンタインデーに彩子と晴子から部員へ配られたチョコのお返しである。
三年はすでに引退済みだというのに、わずか三人しかいないからとわざわざ用意して、上級生の教室まで持ってきた下級生二人の気持ちが嬉しかった。
「晴子ちゃんにはもう渡したんですか?」
「おう。向こうが赤木に用があってよ。俺も木暮に用があって六組にいたからついでに渡した」
「二人は同じクラスですもんね」
「あいつらも後で何か持ってくるんじゃねーか?」
1414「おらよ」
「三井先輩って律儀なんですね」
「お前なぁ」
「冗談ですよ。ありがとーございまっす」
「こいつ……」
三井から受け取った小袋を顔の前に掲げて軽口を叩くのはマネージャーの彩子だ。
先月のバレンタインデーに彩子と晴子から部員へ配られたチョコのお返しである。
三年はすでに引退済みだというのに、わずか三人しかいないからとわざわざ用意して、上級生の教室まで持ってきた下級生二人の気持ちが嬉しかった。
「晴子ちゃんにはもう渡したんですか?」
「おう。向こうが赤木に用があってよ。俺も木暮に用があって六組にいたからついでに渡した」
「二人は同じクラスですもんね」
「あいつらも後で何か持ってくるんじゃねーか?」
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DONE春コミ当日に在宅ヲタクかつ留守番組なことな悲しすぎたので自カプのSSを拵えました…。※流彩どころか流→彩未満
※春休みに二人でホラー映画を見に行く話
※ホラー描写は99.9%ないのでご安心を
※捏造てんこ盛り!
※いつも通りなんでも読みたい人向けです
蕾 駅前の商業施設に入った映画館は流行りの作品がロングラン上映中ということもあり、館内ショップも賑わっていた。
そこへ春休み期間も加わり、あちこちで子供の声も聞こえる。
「お待たせ、混んでたのよー。早めに行って良かった」
女子トイレから出てきた彩子に流川は頷くと、二人でフード売り場の前に移動した。
バスケットボールと睡眠以外に興味が希薄な流川が映画館にいるのは、偶然だった。
久し振りのオフ日に、下のフロアにある靴屋にバッシュを見ようと入る直前、たまたま居合わせた彩子に声を掛けられたのだ。
中学・高校と同じ二人は生活圏が被っているためこれまでも休日に遭遇することは何度があったが、そこから共に行動するのは今回が初めてだ。
3037そこへ春休み期間も加わり、あちこちで子供の声も聞こえる。
「お待たせ、混んでたのよー。早めに行って良かった」
女子トイレから出てきた彩子に流川は頷くと、二人でフード売り場の前に移動した。
バスケットボールと睡眠以外に興味が希薄な流川が映画館にいるのは、偶然だった。
久し振りのオフ日に、下のフロアにある靴屋にバッシュを見ようと入る直前、たまたま居合わせた彩子に声を掛けられたのだ。
中学・高校と同じ二人は生活圏が被っているためこれまでも休日に遭遇することは何度があったが、そこから共に行動するのは今回が初めてだ。