山椒魚
DONE洛冰河が竹舎の隣の空き部屋に移り住んだ頃の話です。白蓮華数えで15歳(14歳位)、明帆17歳位。さはんドロライのテーマ「嘘」のクリアで登場人物が1度は嘘をつく、または嘘という言葉を口にする縛りで書きました。
まぁ、この話自体が嘘・・・というか捏造だらけですけどね。
という訳で何でも許せる方向きです。
*:*:*:*:*
邦訳分冊版の連載を追いかけ中。(現在連載50巻目 第20話の段階)
月夜の迷いごと 「今まで苦労をかけたな」
師は穏やかな口調で、口許に笑みまで浮かべてこれまでの働きを労ってくれた。
普段であればどれほど誇らしく、喜ばしく思ったことだろう。
けれど今、それは絶望感を伴い明帆の胸を押し潰した。
お払い箱になったのだ・・・・・・
明帆の師への敬愛は崇拝に近いものがあった。
昇山し、拝師の礼を行った時から、端麗な容姿をもつその人の優美な所作に強い憧憬の念を抱いた。表情を抑えた怜悧な面は俗人とは一線を画す不可侵な崇高さとして映り、ただひたすらに敬った。師の命には何の疑念も差し挟むことなく、盲目的に従った。
そうしていつしか、師の望むことを察し、先回りしてご機嫌取りを行うようになっていった。そんな明帆を、師は傍へと取りたて、重用した。
17512師は穏やかな口調で、口許に笑みまで浮かべてこれまでの働きを労ってくれた。
普段であればどれほど誇らしく、喜ばしく思ったことだろう。
けれど今、それは絶望感を伴い明帆の胸を押し潰した。
お払い箱になったのだ・・・・・・
明帆の師への敬愛は崇拝に近いものがあった。
昇山し、拝師の礼を行った時から、端麗な容姿をもつその人の優美な所作に強い憧憬の念を抱いた。表情を抑えた怜悧な面は俗人とは一線を画す不可侵な崇高さとして映り、ただひたすらに敬った。師の命には何の疑念も差し挟むことなく、盲目的に従った。
そうしていつしか、師の望むことを察し、先回りしてご機嫌取りを行うようになっていった。そんな明帆を、師は傍へと取りたて、重用した。
山椒魚
DONEやっぱりバレンタインとホワイトデーはセットでしょ。両想いなんだし!ってことでシリーズものと化していますが、この話だけでも読めるようになっています。※:※:※:※:※
邦訳分冊版の連載を追いかけ中。(現在連載50巻目 第20話の段階)
自力でに翻訳はできていないため、先の展開は知らない状態です。何か勘違いがあってもぬるく見逃してください。
情人節の贈りもの 〜白色情人節に贈るもの〜 白色情人節。
それは日本で言うところのホワイトデー。
元々我が国には無かったイベントだが、何となく日本から持ち込まれた文化のため、やる奴はやるけどやらない奴はやらない程度のイベントだ。情人節ほどやらなきゃいけない感は無い。
そもそも我が国では女性からプレゼントを貰うなど誕生日くらいのもので、もっぱら男から本命の女性に というのが一般的だ。その根底には、女性にお金を使わせないという暗黙のルールがあるので、白色を取り入れたとしても男が女性に贈り物をする回数が増えるだけ。まぁよほどラブラブならば贈り合ったりもするようだけどね。
というわけで、前世での俺の情人節絡みの思い出と言えば、妹に贈られた菓子をお裾分けで貰ったとか、兄達が本命に最上の物を贈るために開催した試食会への参加だとか、つまり自分とは全く関係が無いエピソードばかりだった。こちらの世界にもそんな習慣は無かったため、これら呪われたイベント(ぼっちにとって情人節と5月の我愛你の日と七夕節は特に地獄!)とは一生無縁かと思っていた。いたのだ・・・が。
6879それは日本で言うところのホワイトデー。
元々我が国には無かったイベントだが、何となく日本から持ち込まれた文化のため、やる奴はやるけどやらない奴はやらない程度のイベントだ。情人節ほどやらなきゃいけない感は無い。
そもそも我が国では女性からプレゼントを貰うなど誕生日くらいのもので、もっぱら男から本命の女性に というのが一般的だ。その根底には、女性にお金を使わせないという暗黙のルールがあるので、白色を取り入れたとしても男が女性に贈り物をする回数が増えるだけ。まぁよほどラブラブならば贈り合ったりもするようだけどね。
というわけで、前世での俺の情人節絡みの思い出と言えば、妹に贈られた菓子をお裾分けで貰ったとか、兄達が本命に最上の物を贈るために開催した試食会への参加だとか、つまり自分とは全く関係が無いエピソードばかりだった。こちらの世界にもそんな習慣は無かったため、これら呪われたイベント(ぼっちにとって情人節と5月の我愛你の日と七夕節は特に地獄!)とは一生無縁かと思っていた。いたのだ・・・が。
山椒魚
DONEさはんドロライの1周年に初参加で参入させていただこうと書いた話です。周年記念の特別企画として色々選べるお題の中から「再会 」をテーマに書き始めましたが、果たして読んでくださった方にそう思っていただけるか自信が・・・・・・。
捏造設定とチートアイテムが堂々と幅をきかせています。何でも許せる方向けです。
扇子の行方「また妙な物を欲しがるものだ」
扇子が欲しいと洛冰河が言い出した。
少し意外だったが、得心がいかないでもない。
では、揃いで誂えようかと沈清秋が提案すると、それも嬉しいのですが・・・と冰河は少し言い淀んでから、できれば使い古しがよいのです と言う。
「師尊が新しいものを誂える折に、今使われているものをいただければ」などと。
「それでは[[rb:襤褸 > ボロ]]ではないか、遠慮はいらぬよ」
師に出費させるのを良しとせずに辞しているのか、と沈清秋は思ったのだが。
「新しいものではなく、師尊が愛用されていたものをご下賜いただきたいのです」と冰河が更に言うので、なるほど形見のようなものかと納得はした。形見とは会えぬ者を偲ぶ物。魔界の統治に絡み遠征を余儀なくされることもあるゆえ、何か師の物を持っておきたいということだろうか・・・・と。
19538扇子が欲しいと洛冰河が言い出した。
少し意外だったが、得心がいかないでもない。
では、揃いで誂えようかと沈清秋が提案すると、それも嬉しいのですが・・・と冰河は少し言い淀んでから、できれば使い古しがよいのです と言う。
「師尊が新しいものを誂える折に、今使われているものをいただければ」などと。
「それでは[[rb:襤褸 > ボロ]]ではないか、遠慮はいらぬよ」
師に出費させるのを良しとせずに辞しているのか、と沈清秋は思ったのだが。
「新しいものではなく、師尊が愛用されていたものをご下賜いただきたいのです」と冰河が更に言うので、なるほど形見のようなものかと納得はした。形見とは会えぬ者を偲ぶ物。魔界の統治に絡み遠征を余儀なくされることもあるゆえ、何か師の物を持っておきたいということだろうか・・・・と。
山椒魚
DONE後日談と銘打ってはいますが、高い割合で当日の回想が入っております。日付と回想シーンとその主体がコロコロ入れ替わります。ちょっとわかりづらいかもしれません。力量不足で申し訳ありません。
チョコレートチョコレート言っておりますが、本当はカカオもどきを材料にしたチョコレートもどきであることは尚清華の頭の中だけにしまってあります。
情人節の贈りもの 〜後日談〜 その瞬間、尚清華は自分が宙に浮いたのを感じた。
(げっ 投げ飛ばされた)
ハッとしてすぐに受け身を取ったが、常に体術の鍛錬を怠らない百戦峰の連中とはやはり訳が違う。深刻なダメージは回避したものの、かなり無様に壁に叩きつけられた。
「大王、どうし・・・・・・」
最近では手酷く扱われることはほぼ無くなっていたこともあり、前触れも無い暴力にただただ驚く。
「出ていけッ! 今すぐ出ていけ!」
困惑した表情を浮かべながらヨロヨロと身体を起こす尚清華に向かい、北疆大王は彼の後ろを指差し怒鳴る。尚清華が振り向くと、壁だと思ったのは豪奢な細工が施された居室の扉板だった。
「えっと・・・・・・」
何が気に障ったのか全くわからない。
14207(げっ 投げ飛ばされた)
ハッとしてすぐに受け身を取ったが、常に体術の鍛錬を怠らない百戦峰の連中とはやはり訳が違う。深刻なダメージは回避したものの、かなり無様に壁に叩きつけられた。
「大王、どうし・・・・・・」
最近では手酷く扱われることはほぼ無くなっていたこともあり、前触れも無い暴力にただただ驚く。
「出ていけッ! 今すぐ出ていけ!」
困惑した表情を浮かべながらヨロヨロと身体を起こす尚清華に向かい、北疆大王は彼の後ろを指差し怒鳴る。尚清華が振り向くと、壁だと思ったのは豪奢な細工が施された居室の扉板だった。
「えっと・・・・・・」
何が気に障ったのか全くわからない。
山椒魚
DONE書いてみたかったバレンタインネタです。チョコレートは中国語で「巧克力」、カカオは「可可」と表記するそうですが、ここはパロディということでひとつお見逃しを。
情人節の贈りもの 「・・・・・・貴様、今なんと?」
ここは魔界宮殿の謁見の間。
上奏したいことがあると呼び出され、長い脚を組んで手摺に肩肘をつき玉座にふんぞり返った洛冰河は、魔王業の執務の都合上渋々魔界に戻っていた期間であり、そもそもが上機嫌ではなかった。が、話を進めるにつれそれは更に悪化し、目を眇めて眉間の皺を深めていき、こめかみに浮かんだ血管をヒクつかせると、ついに憤怒の様相を露わにし始めた。
えー・・・と と、尚清華はこめかみを掻く。コレ絶対何か誤解してるやつ。
しかし目の前の魔王は激マジだ。氷点下のオーラを放ちながら地を這うような低音で、一言一句を確認するかのように言葉を紡ぐ。
「つまり・・・貴様は、この俺を使って、俺の・・・俺の師尊を、暗殺するつも・・・」
10974ここは魔界宮殿の謁見の間。
上奏したいことがあると呼び出され、長い脚を組んで手摺に肩肘をつき玉座にふんぞり返った洛冰河は、魔王業の執務の都合上渋々魔界に戻っていた期間であり、そもそもが上機嫌ではなかった。が、話を進めるにつれそれは更に悪化し、目を眇めて眉間の皺を深めていき、こめかみに浮かんだ血管をヒクつかせると、ついに憤怒の様相を露わにし始めた。
えー・・・と と、尚清華はこめかみを掻く。コレ絶対何か誤解してるやつ。
しかし目の前の魔王は激マジだ。氷点下のオーラを放ちながら地を這うような低音で、一言一句を確認するかのように言葉を紡ぐ。
「つまり・・・貴様は、この俺を使って、俺の・・・俺の師尊を、暗殺するつも・・・」
山椒魚
DONE邦訳分冊版49巻の幕間の話。分冊版48巻で語られていた沈九から尊敬も感謝もされていなかった先代峰主とはどのような人物だったのか。なぜ名付けに『秋』が与えられて、それを受けねばならなかったのか、ぐるぐる考えているうちにできた話です。
オリジナル設定入れまくりなので、何でも許せる方向けです。
『秋』 清静峰の先代峰主はナマズに似た中年男だった。
否。それは少し表現として間違っていたかもしれない。彼が本当に中年と呼ばれる年齢であったかどうかは、正確には定かではないのだ。
仙師の見た目は金丹形成の時期と修為に因る。見た目のことでよく引き合いに出されるのが幻花宮の老宮主だが、実力者であることは間違いないにも拘わらず、誰の目にも明らかな老貌であるのは、俗欲にまみれた分だけ修為を損ねた為であろうというのが口にはせぬものの大方の見方であった。
対して、清静峰先代の人となりは俗欲とは無縁であったため、これは結丹の時期が遅かったのだろうことが窺われた。
金丹形成には身体的素養も大きく関係する為、当人がいくら努力しようが実を結ばないものは結ばない。仙門の師弟として昇山できる者は皆その素養ありと見做された者たちではあるが、それとて当人にとって希望の持てる時期に成果が得られるとは限らず、同輩が結丹を果たす中、焦り苦しんだ末に疲弊し、才無しと諦めてしまえばそこまでの話。そうやって幾人もの弟子達が下山していくのも仙門の倣いのひとつであった。
7486否。それは少し表現として間違っていたかもしれない。彼が本当に中年と呼ばれる年齢であったかどうかは、正確には定かではないのだ。
仙師の見た目は金丹形成の時期と修為に因る。見た目のことでよく引き合いに出されるのが幻花宮の老宮主だが、実力者であることは間違いないにも拘わらず、誰の目にも明らかな老貌であるのは、俗欲にまみれた分だけ修為を損ねた為であろうというのが口にはせぬものの大方の見方であった。
対して、清静峰先代の人となりは俗欲とは無縁であったため、これは結丹の時期が遅かったのだろうことが窺われた。
金丹形成には身体的素養も大きく関係する為、当人がいくら努力しようが実を結ばないものは結ばない。仙門の師弟として昇山できる者は皆その素養ありと見做された者たちではあるが、それとて当人にとって希望の持てる時期に成果が得られるとは限らず、同輩が結丹を果たす中、焦り苦しんだ末に疲弊し、才無しと諦めてしまえばそこまでの話。そうやって幾人もの弟子達が下山していくのも仙門の倣いのひとつであった。
山椒魚
DONE冰河は、それが当たり前の日常になってからは、師尊が起きる頃を見計らって朝食を準備したり出来るようになっていっただろうけれど、最初のうちは何よりも師の機嫌やら反応やらが気になってしまって側を離れられなかったんじゃないかなと。「この弟子に思うところがおありならば、すぐに口にしていただけるようその場にてお待ちせねば」くらいの気負いっぷりで。そんなことを思って書いた、まだ冰河の自信が薄かった頃の話です。
早春 目を覚ました師は、しばらくぼんやりとしたお顔でこちらを眺めていらっしゃる。
寝惚けているというよりも、記憶がうまく繋がらなくて緩慢に逡巡しているといった風情だ。
はて?とでも言わんばかりに僅かに眉根を寄せ、斜め左上に瞳を動かした表情は、日頃の清廉風雅な面持ちとは相反した幼さをも感じさせる無防備なもので、無自覚な様子であるのがまた愛らしい。
そう。師自身はお気付きではないようだが、ごくたまにこういった隙のある一瞬をお見せになるのが、この弟子としては嬉しいやら悩ましいやらトキメキが過ぎて具合悪くなるほどだけれど一周回って結局つまり嬉しいやら・・・・・・
などと。
無限ループしそうな気持ちにブレーキをかけつつも、思わず溢れてしまった笑みをそのままに俺が朝の挨拶をすると、師尊も返してくださろうと薄く唇を開き、そこで一瞬、眉を顰めた。
1456寝惚けているというよりも、記憶がうまく繋がらなくて緩慢に逡巡しているといった風情だ。
はて?とでも言わんばかりに僅かに眉根を寄せ、斜め左上に瞳を動かした表情は、日頃の清廉風雅な面持ちとは相反した幼さをも感じさせる無防備なもので、無自覚な様子であるのがまた愛らしい。
そう。師自身はお気付きではないようだが、ごくたまにこういった隙のある一瞬をお見せになるのが、この弟子としては嬉しいやら悩ましいやらトキメキが過ぎて具合悪くなるほどだけれど一周回って結局つまり嬉しいやら・・・・・・
などと。
無限ループしそうな気持ちにブレーキをかけつつも、思わず溢れてしまった笑みをそのままに俺が朝の挨拶をすると、師尊も返してくださろうと薄く唇を開き、そこで一瞬、眉を顰めた。
山椒魚
DONE邦訳分冊版50巻(第二十回)の深掘り。文章の一部に原作の状況説明あり。
台詞は本編の一部をほぼそのまま引用しているので、ネタバレが気になる方はご注意ください。
初めて書いた二次創作なので色々と拙いです💦
決戦前 (うっわ、・・・・・・な、な、なんて表情すんだよ、この人ぉおおおぉおおお)
一瞬、思わずぶゎりと赤くなってから、瞬時に青くなり、付け込まれてなるものかと何とか努力して平常の顔色を保つ。
(セ、セ、セーフ!)
どうやら相手には気付かれなかったようだ。
対天琅君作戦のために洛川に集結した修真界と北疆魔族の集団の中、久方ぶりに清静峰主の姿を認めた。
居るだろうとは思っていたが、実際に顔を合わせると互いへの不満が一気に噴出する。何を経験してきたかは知らないが、こちらに対する一言目が「なんでお前、まだ生きてんだよ! なんで漠北君はまだお前をぶっ殺してねぇんだ!」などと喧嘩腰どころか殺気立った台詞を放ちつつ詰め寄ってくるものだから、こちらも当然、同様の応酬になる。
2221一瞬、思わずぶゎりと赤くなってから、瞬時に青くなり、付け込まれてなるものかと何とか努力して平常の顔色を保つ。
(セ、セ、セーフ!)
どうやら相手には気付かれなかったようだ。
対天琅君作戦のために洛川に集結した修真界と北疆魔族の集団の中、久方ぶりに清静峰主の姿を認めた。
居るだろうとは思っていたが、実際に顔を合わせると互いへの不満が一気に噴出する。何を経験してきたかは知らないが、こちらに対する一言目が「なんでお前、まだ生きてんだよ! なんで漠北君はまだお前をぶっ殺してねぇんだ!」などと喧嘩腰どころか殺気立った台詞を放ちつつ詰め寄ってくるものだから、こちらも当然、同様の応酬になる。
isoflatone_orz_
DONEさはん1週間ドロライ お題「猫」初参加…のはず。幸せそうな顔で可愛く描けた!
2枚目はこのイラストに至るまでの迷走しまくった落書きとメモ
書いててちょっと楽しかった😂 2
4BASARA3
DONE夢で見たものに少し脚色増やしてみました。初描きで拙いけど、まさかこんな夢をみれるなんて
師尊達は永遠に幸せです
※本編と関係ありませんがある意味ネタバレ?
※二次創作です
※死ネタ表現あります
※ハッピーエンド
修正 1055