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    #セブスト

    sebst.

    TokageIppai

    DONE去年の双子の日に書いたエスフェクの話に加筆修正したものです。ちょっと追加するつもりがなぜか倍の字数になってた不思議。続きの構想も一応あるのでまとめて本にしたりとかしてみたい…ね…
    冒頭はロードラの[光海王]リヴァイアのストーリーテキストからの引用です。推しと推しを組み合わせれば最強理論の俺得クロスオーバーがしたかったんだ。
    冥海の灯「……やがて時代が流れゆき、人の光が海を照らし出した頃、役目を終えたお姫様は、ゆっくり天へと昇ってゆきました。」
     最後の一文を読み上げると、エステアは一つ息をついて絵本を置いた。
    「……これは、悲しい話、なのだろうか」
    「どうなんだろう、わたしは、そんなことないと思うけど……」
     その絵本は、エステアたちが今滞在している宿の倉庫の中、もう使われなくなった椅子や寝具の奥にあった本棚に仕舞われていた。濃い青色の表紙に銀色のインクで描かれた文字や絵が目を惹く、古いながらも美しい絵本で、きっと宿の主人か誰かが子供のころからずっと大切に持っていたのだろう、と思わずにはいられないものだった。
     そこには、美しい容姿と歌声を持ち、七つの海を統べた海姫の物語が記されていた。
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