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    #ソロフォル

    solofol

    泡沫実践

    DONEソロフォルです。

    6章前のふたりのお話ですが、メインシナリオを8章3節まで終わらせた手で書いております。
    ふたりが相互に友だち認識であることがとびきりに嬉しくて書き上げた幻覚です。無敵で幸福な錯覚を決して夢だと言わない友だちという関係性がすきです。
    隣の青を知っている ある男が、目の前の男の頰を打った。骨が軋む、音が、悲鳴のように鳴る。殴られた男は、畜生、と吐き捨て、その眼を憎悪に燃やし、裂けるほど右の頬を吊りあげた。眉下の皮膚で三角形を描いたその男は、素早くしゃがみこみ、道端の石を拾う。
    「…………ッ!」
     声にならぬ咆哮は、まさしく獣のそれで、あった。茹立つ眼の鈍色には赤が奔り、明確な攻撃の意図をもって、男はそれを投げつける。
    「ざけんなテメエが死ねッ、おっ死んじまえ、!」
     いっぽうの男もまた、明らかな攻撃の意図が、あった。石に打たれた左肩の痛みは、併し男の冷静をより失わせる効果を表した。分厚い手をぐっと折り曲げ、もう一発くれてやると、熱く息を巻く。
    「訳分かんねえ奴らの言葉に騙されやがって、テメエにとってこの村はその程度だってか? 死ね、どっか行っちまえ、あいつら諸共今すぐ、この村から、なあ、聞いてんのかボケが、クソッ、どっか行けよ、死ねよ、なあ、死ね死ね死ね死ね、死ねッ!」
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    kyosato_23

    DONE9章までの展開を下地にしたソロフォルです。
    メンタル弱りまくりモンモンとモンモンに甘すぎる親友なので注意。
    モンモンの弱音を親友に聞いてもらいたい。
    ソロモンの心が摩耗しているのは一目でわかった。
    何があったのか、行動を共にしていなかったフォルネウスにはわからない。
    これまでソロモンはヴィータのか弱い心身では背負いきれないような大きな責任や戦いを潜り抜けてきた。だがどんなに頑強な物質にも永遠はない。いつかは朽ち果てる。限界が来るのだ。

    「……フォルネウス、」
    「うん」

    名を呼ばれる。許容の意志を問う色がある。許容の色を返す。
    それだけでソロモンはホッとした様子で、フォルネウスの手を引いて椅子へ座らせ、その横に自分も腰掛けた。
    座った後もソロモンは繋いだ手を離さなかったので、フォルネウスの方も手を引っ込めずそのままにさせた。フォルネウスの膝の上で二人の手がしばらくの間重なり合う。いつもより体温が低い気がした。

    「……王ってさ、しんどいな。いや、王というより……指輪を持つ者がさ」

    アスモデウスはかつて言った。自分が愛したヴィータは遥か昔のペルペトゥムの民たちだけだと。王になる為に切磋琢磨し、競い合った、多くの民たち。
    彼らはきっと自分よりも強い意志を持ってソロモン王を志したのだろう。
    ソロモンのその言葉にフォルネウスは緩く手を握 2482

    kyosato_23

    DONEソロフォルのキス話です。
    既にくっついている設定の2人。

    普段はモンモンはこういった望みは言わないと思うのですが、フォルネウスには少しわがままを言うところが見たいという気持ちで書きました。
    タイトルに受粉って入れようとしてやめました。
    「春のめばえ」



    その日のソロモンは決意を秘めた目をしていた。それでいて少し浮ついているようにも見えて、ぼんやりとした春先に芽吹く葉を想起させる。
    何を言おうとしているのだろう。フォルネウスはその思考を先読みしようとしたが、すぐに止めた。数秒後にはソロモン自身の口から答えが提示されるのだから素直にそれを待つのが早い。

    「あのさ、……」
    「うん」
    「……お前からもらいたいお返しのことなんだけど」

    相槌を打って促すと、少しの沈黙の末にソロモンの目の中の決意が強まる。それにフォルネウスも口元を綻ばせて返す。
    感謝の気持ちを込めてソロモンがフォルネウスに渡した菓子に対して、あまりに凝った作りの品だったので礼をしないのも悪いからと何がいいか先日尋ねたのだ。ソロモンは当初は謝辞だけで十分だと断ろうとしたがフォルネウスももらうばかりでは収まりが悪い。
    思えばフォルネウスはこれまでもソロモンからいくつも贈り物をもらってはいたがその返礼は主に軍団への助力ばかりで、形のある贈り物をしたことがなかった。フォルネウス自身はそういった形あるものに価値を見出さないがソロモンは恐らくそうではないし、喜んでも 2424

    kyosato_23

    MAIKING8章4節前提ソロフォル。まだ途中。
    一つ前の作品の続きです。1万字以上入力不可だったので新規で投稿。
    4節ラストにアルスノヴァがうつっていた親友が戻ってきてからの話。いちゃいちゃしてます。
    露わになったソロモンの足をフォルネウスは一度だけ瞬きをして、それからじっと見つめてくる。それは観察眼に近い。フォルネウスがあまりに恥じらわないので一人で恥じらっている方が余計に恥ずかしいと気付き、ソロモンは躊躇いを振り切って自分の片膝をフォルネウスの足の間に押し込める。フォルネウスの左足を跨ぐようにして再び膝立ちになった。
    「やっぱり、同じだ。キミの刺青と寸分も違わない」
    フォルネウスが嬉しそうにソロモンの足と見比べながら自分の左の太腿の模様を撫でる。その声には心からの喜びの色があった。これまでどこか淡々としていたフォルネウスが初めて感情を覗かせた。ソロモンと魂が繋がっているという事実を認めて、笑ったのだ。
    「ああ、同じだな、俺たち……」
    その喜色にソロモンも嬉しさと愛しさがこみ上げて、フォルネウスの手に自分のそれを重ねた。フォルネウスの手を握り、手の甲に浮き出た刺青を自分の掌の中に閉じ込めるように包む。同時に自分の太腿をフォルネウスの太腿へ擦り付けた。自分の内腿とフォルネウスの外腿が触れ合う。体は二つあるのに刻まれた刺青はまるきり同じで、それを見比べていると不思議な一体感が湧き起こっ 3557

    kyosato_23

    MAIKING8章4節前提ソロフォル。まだ途中。
    最後の瞬間に魂が通じてアルスノヴァがうつっていた親友がその後アジトに帰ってきたら…という話。
    いちゃいちゃしてます
    8章4節+デカちゃんイベが下地にあります


    *********************************


    フォルネウスが紆余曲折の末に無事に戻ってきた日、ソロモンの高揚はフォカロルどころかバルバトスやウェパル、当のフォルネウスにまで窘められるほどだった。失った宝物が戻ってきたかのように頬を上気させて喜ぶ様は微笑ましく見る者が大半だったが、苦笑や呆れの視線も少なくはない。それでも皆ソロモンの喜びは理解できたし、自分たちが口を挟むものではないと見守る体勢を見せていた。
    その夜はささやかな歓迎会が催されたが、気遣いのある者の提言で宴の席は夜が更ける前にお開きとなった。酒を飲まないソロモンとフォルネウスは長々と祝いの場にいても楽しくないだろう、と。特にフォルネウスは大人数での飲み騒ぎを好まない。久しぶりの再会なら積もる話もあるだろうと、飲み足りない面々が騒ぐのを尻目に早々に二人を部屋へと見送った。


    少し早いもののいつもなら眠りに就いてもおかしくはない時間だが、その日のソロモンはまだ眠りたくなかったし、フォルネウスと離れたくなかった。だから自分の部屋へ来ない 7574