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    kyosato_23

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    kyosato_23

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    8章4節前提ソロフォル。まだ途中。
    一つ前の作品の続きです。1万字以上入力不可だったので新規で投稿。
    4節ラストにアルスノヴァがうつっていた親友が戻ってきてからの話。いちゃいちゃしてます。

    #ソロフォル
    solofol

    露わになったソロモンの足をフォルネウスは一度だけ瞬きをして、それからじっと見つめてくる。それは観察眼に近い。フォルネウスがあまりに恥じらわないので一人で恥じらっている方が余計に恥ずかしいと気付き、ソロモンは躊躇いを振り切って自分の片膝をフォルネウスの足の間に押し込める。フォルネウスの左足を跨ぐようにして再び膝立ちになった。
    「やっぱり、同じだ。キミの刺青と寸分も違わない」
    フォルネウスが嬉しそうにソロモンの足と見比べながら自分の左の太腿の模様を撫でる。その声には心からの喜びの色があった。これまでどこか淡々としていたフォルネウスが初めて感情を覗かせた。ソロモンと魂が繋がっているという事実を認めて、笑ったのだ。
    「ああ、同じだな、俺たち……」
    その喜色にソロモンも嬉しさと愛しさがこみ上げて、フォルネウスの手に自分のそれを重ねた。フォルネウスの手を握り、手の甲に浮き出た刺青を自分の掌の中に閉じ込めるように包む。同時に自分の太腿をフォルネウスの太腿へ擦り付けた。自分の内腿とフォルネウスの外腿が触れ合う。体は二つあるのに刻まれた刺青はまるきり同じで、それを見比べていると不思議な一体感が湧き起こった。今まで誰ともベッドの上でしたことがないような接触を、フォルネウスとしている。
    堪らなくなって、ソロモンは俯いて足を見ているフォルネウスの顎に手をかけた。突然顔を上げさせられたフォルネウスは少しだけ目を見開いたが、ソロモンと視線が合うとすぐに微笑んだ。柔和に口角の持ち上がったその唇にソロモンは顔を近付けてキスをした。
    フォルネウスの体が僅かに強張る。それが直接触れている呼気から伝わってきて、まずいことをしたかと思った。キスをしていいかと尋ねる前に勢いでしてしまった。
    ソロモンは唇を少しだけ離して、至近距離に顔を近づけたままフォルネウスの様子を伺った。恐らく、嫌がっている顔ではない。フォルネウスの目の揺らぎや睫毛までしっかりと見えるこの距離から離れるのが惜しくて、その距離のまま呟く。
    「…ごめん、いきなりしちゃって」
    「……」
    「フォルネウス?」
    無言をどう受け取ればいいのか、ソロモンが困惑して名を呼ぶ。
    「…いいや、それは気にしてないよ。少し驚いたんだ。心地よくてさ」
    吐息まじりに嬉しそうにそう言ってくれるものだからソロモンは安堵し、また欲張りな気持ちが疼いた。握っていた手に緩く力を込める。
    「もう一回、してもいいか…?一回というか…できればもっとたくさんしたいんだけど…」
    「ふふ、いいよ。キミがそう望んでくれるなら。これって真に親しい者同士がすること、だろう?」
    真に親しい者。湾曲な表現だったが、間違いはない。
    「うん、そうだよ。…特別な、大事な相手としかしない」
    「…特別、か。だから心地いいのかな」
    甘い声同士を絡めるように囁き合ってから、ソロモンは再び唇を重ねた。うまいやり方など知らないので、ただ自分がフォルネウスの唇の感触を味わいたいという感情のままに何度も角度を変えて重ね合わせたり、食んだりを繰り返す。フォルネウスは目を閉じずにいたが、ソロモンは目を閉じたり開けたりして感覚の差異を楽しんだ。
    フォルネウスはしばらくされるがままだったが、何度目かにソロモンがその唇を柔らかく食んだ時に初めて自分から唇を動かし、ソロモンの唇を食み返した。それになんだか頭の中が痺れたような気がして、キスをしたままフォルネウスの体を後ろに押し倒した。ベッドが軋む中でフォルネウスが小さく息を詰めたのが聞こえたが、ソロモンに握られている手もその反対の手も押し退けようとする気配はなく、むしろ無防備にベッドに縫い付けられるのを受け入れた。ソロモンは体をぴったりくっつけるようにのしかかった。刺青の浮かんだ胸元同士の皮膚が張り付くように触れ合う。
    もっと深く繋がりたくて、ソロモンは開いた唇の間から舌を滑りこませた。舌を触れ合わせるキスのことを初めて知った日の驚きと好奇心と照れくささを思い出す。まだ村にいた頃だった。
    「んっ…?」
    ソロモンの舌が入ってきたのにフォルネウスが不思議そうな声を出したが、舌をぬるりと触れ合わせると直に気持ちよくなったのか、初めてキスの最中に目を閉じた。いつもは凛々しい眉も緩んで心地よさに柔らかく溶けた表情をしている。
    仲間の一人が恋仲になった女の子と舌を入れるキスをしたと打ち明けてきた日もあった。みんなで羨ましい気持ちでこづいたり、興味津々で詰め寄ったり、笑い合って祝福したりした。
    あの日に夢見たキスをしている。とても気持ちがいい。懐かしい憧憬が口の中で溶け出しているような気がして、胸が高鳴った。このキスをフォルネウスも気持ちいいと感じてくれているのが嬉しい。その甘さを味わい尽くすように無我夢中でフォルネウスの口内を貪った。互いの口や鼻から感じ入った声が漏れ、次第に口内に溜まった唾液がちゅくちゅくと水音を立て始めても続けた。
    「ん、ン…っく」
    フォルネウスが喉を鳴らして唾液を飲み込んだ。頬が紅潮しているし、鼻から漏れる息も荒い。それはソロモンも同様だった。名残惜しい気持ちのまま、一度唇を離した。
    「っ…はぁっ、はぁ……」
    互いに荒くなった息を隠さずに見つめ合う。ソロモンには微笑む余裕すらなかった。ただただフォルネウスに触れたい。相手の手の甲を包んでいた右手をゆるゆると移動させ、今度は掌を合わせて指を絡める。衝動に任せて頬にもキスを落とし、密着させた上半身はそのままに足も先程触れ合った舌のように擦り合わせた。
    「フォルネウス…!」
    すごい、気持ちいい、幸せだと、熱に浮かされたまま頭をよぎった言葉が口から飛び出す。触れ合った箇所の全てが気持ちよかった。抱きしめるようにのしかかった胸も、元の肌色の面積の方が少ないほど同じ刺青で覆われた足も、熱を持ち始めた腰も。触れ合った箇所が汗ばみ始めて、それにすら興奮した。フォルネウスが汗をかいている。頬や耳の下に何度もキスをすると時折ソロモンの耳にフォルネウスの微かに熱の混ざった息が聞こえる。いつもは冬の朝露のように静かで冷たい、あのフォルネウスが。
    「……フォルネウス、その、お前も気持ちいいか…?」
    髪を撫でながら顔を覗き込んだ。ソロモンの指にくしゃくしゃと乱されて滅多に見えない生え際が現れるのが愛しくなる。
    「……うん、そうだね。気持ちいい、多分…」
    あまり体験したことがないから、と付け足して、透明なアイスブルーが細められた。指を絡めた手を緩く握り返してくる。
    年上のきれいな男の初心な仕草を可愛い、と思う。メギドとしての意識の強いフォルネウスが異性どころか他人との触れ合いに興味がなさそうなのは察していたが、ソロモンにだけそれを許してくれていることがいかに特別であるか、それを心に刻んでおきたい。
    「よかった」
    なんとか余裕がないなりに下手くそに笑って、またフォルネウスにキスをする。塞いだ唇が小さく笑ったのを感じた。空いていたフォルネウスの右手がソロモンの背中に回される。抱擁に応えてくれて、唇を食んでくれて、手を握り返してくれる。エクソダスを止めて以降、以前よりも受け身になりがちに思えるフォルネウスが少しずつそうして自分から触れるようになっていくのが嬉しかった。
    「好き、好きだよ、フォルネウス…」
    「うん、親友、ありがとう…」
    そうして何度も手を握ったり、キスをして舌を絡めたり、衝動に任せて体を弄ったり刺青を撫でたりしているうちに、どんどん下腹部が熱くなってきた。まだ僅かに残る羞恥心と遠慮から腰が動きそうになるのを堪えていた。下腹部同士が擦れる感覚に腰が痺れそうになっていたし、本心ではこのまま腰を動かし、フォルネウスの足や腹に擦り付けて快感を得たかった。だがソロモンに比べてフォルネウスの下腹部はさほど反応していないように思えたし、子供じみたプライドもあった。それでいてここからどう進めるべきなのか、不慣れなソロモンにはわからない。フォルネウスへの気遣いもあった。
    「…親友」
    フォルネウスが不意にソロモンの頬を撫でる。優しい声。ソロモンはこの声が好きだった。今は少し息が上がって、熱に掠れている。
    「キミの好きなように、していいんだ。ボクに確認もしなくていい」
    柔らかく包むような声と青い瞳が無限に広がる海を思わせる。
    「…キミがしたいことを、ボクは受け入れたい。ボクは、そのために戻ってきたんだ。…ボクはそれを見ていたい」
    フォルネウスの言葉はいつだって熱烈だ。物言いが大袈裟だと呆れる者もいる。けれど今はそれがソロモンの胸を焦がす。そう言ってくれるのが何よりも嬉しい、と思う。
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    kyosato_23

    MAIKING8章4節前提ソロフォル。まだ途中。
    最後の瞬間に魂が通じてアルスノヴァがうつっていた親友がその後アジトに帰ってきたら…という話。
    いちゃいちゃしてます
    8章4節+デカちゃんイベが下地にあります


    *********************************


    フォルネウスが紆余曲折の末に無事に戻ってきた日、ソロモンの高揚はフォカロルどころかバルバトスやウェパル、当のフォルネウスにまで窘められるほどだった。失った宝物が戻ってきたかのように頬を上気させて喜ぶ様は微笑ましく見る者が大半だったが、苦笑や呆れの視線も少なくはない。それでも皆ソロモンの喜びは理解できたし、自分たちが口を挟むものではないと見守る体勢を見せていた。
    その夜はささやかな歓迎会が催されたが、気遣いのある者の提言で宴の席は夜が更ける前にお開きとなった。酒を飲まないソロモンとフォルネウスは長々と祝いの場にいても楽しくないだろう、と。特にフォルネウスは大人数での飲み騒ぎを好まない。久しぶりの再会なら積もる話もあるだろうと、飲み足りない面々が騒ぐのを尻目に早々に二人を部屋へと見送った。


    少し早いもののいつもなら眠りに就いてもおかしくはない時間だが、その日のソロモンはまだ眠りたくなかったし、フォルネウスと離れたくなかった。だから自分の部屋へ来ない 7574

    kyosato_23

    DONEソロフォルのキス話です。
    既にくっついている設定の2人。

    普段はモンモンはこういった望みは言わないと思うのですが、フォルネウスには少しわがままを言うところが見たいという気持ちで書きました。
    タイトルに受粉って入れようとしてやめました。
    「春のめばえ」



    その日のソロモンは決意を秘めた目をしていた。それでいて少し浮ついているようにも見えて、ぼんやりとした春先に芽吹く葉を想起させる。
    何を言おうとしているのだろう。フォルネウスはその思考を先読みしようとしたが、すぐに止めた。数秒後にはソロモン自身の口から答えが提示されるのだから素直にそれを待つのが早い。

    「あのさ、……」
    「うん」
    「……お前からもらいたいお返しのことなんだけど」

    相槌を打って促すと、少しの沈黙の末にソロモンの目の中の決意が強まる。それにフォルネウスも口元を綻ばせて返す。
    感謝の気持ちを込めてソロモンがフォルネウスに渡した菓子に対して、あまりに凝った作りの品だったので礼をしないのも悪いからと何がいいか先日尋ねたのだ。ソロモンは当初は謝辞だけで十分だと断ろうとしたがフォルネウスももらうばかりでは収まりが悪い。
    思えばフォルネウスはこれまでもソロモンからいくつも贈り物をもらってはいたがその返礼は主に軍団への助力ばかりで、形のある贈り物をしたことがなかった。フォルネウス自身はそういった形あるものに価値を見出さないがソロモンは恐らくそうではないし、喜んでも 2424

    kyosato_23

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    「やっぱり、同じだ。キミの刺青と寸分も違わない」
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    「ああ、同じだな、俺たち……」
    その喜色にソロモンも嬉しさと愛しさがこみ上げて、フォルネウスの手に自分のそれを重ねた。フォルネウスの手を握り、手の甲に浮き出た刺青を自分の掌の中に閉じ込めるように包む。同時に自分の太腿をフォルネウスの太腿へ擦り付けた。自分の内腿とフォルネウスの外腿が触れ合う。体は二つあるのに刻まれた刺青はまるきり同じで、それを見比べていると不思議な一体感が湧き起こっ 3557

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