Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    #原作終了後

    みはいく

    DONE2022.6.11
    まだ自覚していない頃のふたり。ノヴァ君が先生のお酒を飲んでしまい、倒れてしまいます。酔っぱらってちょっとだけ先生に甘えます。
    先生とノヴァ君の一人称で物語が進みます。
    *リンガイア王国は十五歳で元服を済ませる私得設定なので、ノヴァ君は成人扱いです。
    *ゴッチェ・インペリアルは実在するお酒です。度数なんと92度!
    *酔っぱらっているので、ノヴァ君の父親の呼び方が普段と違います。
    サフランの雫 ランカークスの森の更に奥深く、他人がほとんど訪れない入りくんだ地形に、オレとオレの弟子が住む工房がある。
     オレの腕が壊れてから、人間の坊やを弟子にとって、こうやって工房に住むことになった。ヤツは鍛冶について学びながら、腕が利かなくなったオレの身の回りの世話もしてくれている。
     ヤツはオレにとって、そして他の人間たちにとって、いや地上の生きとし生けるものの命の恩人だ。言ってどうなるものでもないから言わないが、あのままなす術もなく手をこまねいていたら、地上はバーンのものになって、消し炭にされていたに違いない。この地上がそんな姿になるなど死んでも見たくない。ヤツがいてくれたからオレはあの剣を使う気になったし、つまるところ、オレの心は死なずに済んだのだ。バーンの所為で心が二度も殺されるなんて、まっぴらごめんだった。
    6381

    みはいく

    TRAINING今度はnv君が先生への愛を再認識する番です。nv君がお洒落をして、友人の結婚式に出席します。オリキャラが出てきてます。オリキャラが苦手な方はご注意下さい。物語の構成上、地の文だけでは重すぎて、台詞を話させなくては表現できませんでした。ご容赦下さい🙇💦
    nv君が纏う盛装は私たちの世界の、中世ヨーロッパの貴族のお洒落服です。わりと着た切り雀さんが多いので、妄想の中で豪華な着せかえをしてみました。
    サムシング・オールド「結婚式、だと?」
     聴き慣れない単語を耳にして、ノヴァが淹れた茶を飲みながらロン・ベルクが聴き返した。思わず単語を強調してしまうほど、ロンにとっては縁のない言葉だ。
    「はい。結婚式です」
    「ジャンクから聴いたことがある……番いになる男女がする儀式みたいなものだろう? 儀式を完遂するために、ひとが大勢集まるやつだ」
     ロンの認識だと、ちょっと殺伐としているような気がして、ノヴァは昼餉の後片付けをしながらクスクスと笑った。魔方陣でも描いて、まるで何かを召喚するようだ。ノヴァがなぜ笑っているのか分からぬまま、ロンは怪訝そうな表情をする。
    「……誰の?」
    「ボクの幼馴染みです。リンガイアの壊滅から奇跡的に生き延びていたんです。お互いの生死も分からなかったんですが、先日ベンガーナの王宮に父からの手紙が届いたんです。父がリンガイアで復興の活動をしている時に、ボクの幼馴染みが戻って来たそうなんです」
    10995

    みはいく

    TRAINING今までとまったく違う環境下で懸命に順応しようとする我慢強いノヴァ君。なんでもないように装ってしまう。でも、無理をしすぎて本当は心が悲鳴をあげているのではないかと思いました。
    それにいち早く気づくのは、きっと本人ではないでしょう。それに気づいた者の発する言葉や表現や考え方が次第に変わっていく…こんな切ない夜もあったんじゃないか、という、そんなお話です。
    蒼白き夜半の切先 実用性の高さか、はたまた優美さか。両方あれば良いのか。質実剛健か華美か。間を取れば良いだけの問題か。好みの問題か。
    ノヴァが所有する護身用のナイフについて話が及んだとき、ロンとノヴァの尽きることのない装飾への想いがせめぎ合った。
    ノヴァは城塞王国リンガイアの出身だ。一年の多くを冬が支配する北の大地の生まれだけあって、忍耐強く、頑強で、素朴で、情や義に篤い。他者と協力し合うのに慣れているのは、厳しい環境下でも生き残る術だからだ。反面、冬籠もりで他者と隔絶されることも苦ではない。
    生きるためにエネルギーを貯蓄し、無駄なパワーは使わない。厳冬下で無駄をすると死が待っている。小さな頃から剣の道を選んだ事もあり実用性を重視している。
    4511