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    海音蒼依

    @aoiumine

    創作初心者、創作用ではない別名義があります。
    らくがきを置いたり、小説を書いたりします。
    絵はジャンルバラバラ、小説は現在ウィンブレのみ。

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    海音蒼依

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    無意識に棪堂のことを知りたいと考える桜と、桜に片想い中の楡井。

    #やまさく
    #にれさく

    無意識下の好奇心⚠注意
    ・にれ→さく(→)←やま(棪堂は不在)
    ・18巻以降のネタバレがあります
    ・楡井視点
    ・誤字脱字は確認しましたがあるかもしれません






    「桜さん、どうして棪堂さんなんかと会ってるんですかっ!」
    ふと、オレの目に入ってしまったのは桜さんのチャットアプリのトーク画面だった。
    その相手の名前は、棪堂哉真斗。
    あの国崩大火を仕組んだ男の名前であった。

    内容を見るに今度2人で会う約束をしているしていると見受けられる。

    「なんで、って……あの戦いの後にアイツから連絡が来るようになって、たまに会ってんだよ」
    「はぁ!?」
    そんなことを初めて聞いたオレは、素っ頓狂な声を出していたに違いない。
    「分かってるんですか!? アイツは1度アンタの心をへし折ってでも仲間に引き入れようとしたような奴なんですよ!?」
    オレはそう言って、桜さんを問い詰める。
    「……わかってる」
    「なら、なんでそんな相手とサシで会ってるんですか!?」
    これは、紛れも無いオレの本心だ。
    そんな危ない相手と一体一で会うだなんて、危険過ぎる、誰だってそう思うはずだ。
    それが……好きな人だったなら尚更だろう。

    「それは、オレが……アイツのことを理解したい……って、思ったからだよ」
    そうオレに向かって告げる桜さんの表情は、真剣そのものだった。
    桜さんと棪堂さんのタイマンの後、2人きりで屋上に向かった棪堂さんは桜さんの『自分を真っ直ぐ見続ける瞳に惚れた』と言っていたらしい。
    でも、桜さんにはその意味がよく理解ができなかった、その時の桜さんは怒りや殺意の籠った瞳で棪堂さんを映していたから……。

    「あの発言だけは、どうしても理解できなかった……だから理解してぇんだよ、アイツがどうしてそう考えるに至ったのかを」
    「はぁ……本当にアンタって人は……なんでそんな、お人好しなんですか……」

    桜さんはタイマンを張った人間に妙に心を許すきらいがある。
    オレは不安だった、桜さんは自分が棪堂さんにされたことを忘れているのではないか、と。

    でも……それは違ったんだ、桜さんはそれを覚えているからこそ自らの意思でアイツに会っている……。
    そして、あの男が何を考え、何を想っているのかを知り、理解したいんだ。
    アイツーーー棪堂哉真斗という人間を。







    (正直、羨ましい……と思ってしまった。桜さんにそんな風に想われてる棪堂さんのことが……)
    その人を知りたいという真理は、相手を気に入っているからこその知的好奇心である。
    桜さんは心のどこかで棪堂さんのことを気に入っているということなのだ……。
    そんなこと……自分の想いを伝えられずにいる臆病者のオレは、指摘することも出来なかったけれど。
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