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    カピ(あね)が掘った墓穴

    @kapitan_rgg

    Twitter(現X)での妄言妄想の永代供養塔です
    成仏!!

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    POIPOI 47

    あとしまつ編⑤ 俺たちはヨンスヤの重装備に対してもっと疑った方がいい。47さんもあんなに重装備ではないというのに。ここは日本だぞ。

    #趙ハン

    あとしまつ編⑤ コーヒーを飲んでなおうつらうつらとするハンくんを一旦2階で寝かせて、俺と足立さんもマスターのコーヒーをご馳走になっていた。
    「コーヒー1杯で目が覚める、とは思ってなかったけど布団かけたらぐっすりだったよ。かなり疲れてるね。あれは」
     そう投げかけて、マスター特製ブレンドの香りを楽しむ。
    「コーヒーには安眠効果もあるからな。昼寝の前に飲むのがいいんだぜ」
    「いやいや足立さん、それは逆に目が冴えちゃうでしょ。どうなのマスター。足立さんが言ってることって本当?」
    「そうらしいぞ。町内会でも話題になってたからな。まぁハン・ジュンギの場合は別の理由だろうな。そもそもがお前が無理矢理起こして連れてきんだろうが。それでもお前らのために無理して起きてたんだろうよ」
     そう言われてみれば、マスターの言う通りである。電話を折り返すとは言ったがハンくんは「サバイバーに行く」とは一言も言っていなかった。だがそうすると医療班の彼から渡された着替えが入ったバッグは何なのだろう。
    「そういや趙、その荷物は何だ?」
     やはり足立さんも気になるらしい。ごく普通のボストンバッグだ。金が入っているような重さではなかった。
    「これ?多分……ハンくんの着替え一式」
     ああん?と足立さんは訝し気に唸った。
    「じゃあ合流する用意はしてたって事か?」
    「どうかな。その割には常識的な重さなんだよね」
     そう。ハン・ジュンギの荷物にしては軽いのだ。非常に常識的な重さである。
    「なあ、開けてみようぜ。野郎の荷物なんてこの世で一番面白みのねえもんだが、やべえもん入ってたら困るだろ。あのよく分からんビンとか」
    「確かに」
     たまに面倒な相手に蹴っ飛ばしている謎の液体が入っているビン。間違いなく有毒物質である。漏れ出たら大変どころではない。最悪サバイバーに消防車が来るし保健所が入る。仲間の荷物を物色するのは少々気が引けるが、渡された時の言葉を信じるなら衣類と常識的な日用品だろう。ファスナーを開けると1番上に紙が入っていた。手紙のようだ。三つ折りの便せんだろうか。俺たちはお互いに顔を見合わせた。
    「どうする?さすがに手紙はまずくない?」
    「でも普通手前ぇの荷物は一番上に置かねえだろ」
    「そうだな。見られちゃマズイなら封筒に入れるなりして見られねぇようにするもんだ」
     おっさん二人は早く手紙を開けと急かしてくる。だがそう言われても、まだ嫌悪感が勝っていた。
    「三つ折りなんだしよ、宛名だけ確認すりゃいいんじゃねえか?それならギリセーフだろ」
    「そうだな。案外ソンヒからの手紙かもしれんぞ」
     まだ嫌悪感はあるが、確かに自分で用意した荷物とは思えない。
     手紙を読む前に、バッグの中身を確認したかった。正直なところ、手紙よりも危険物が入っていないかの方が気になる。本当に毒ビンが入っていたらたまったものではない。だが、その心配に反してバッグの中身はありきたりな衣類と衛生用品。物騒なものは、いつものメリケンサックと護身用のハンドガンに予備のマガジンが1本だけだった。まったく彼らしくない。
    「おいおい普通に銃が入ってんじゃねえか」
     俺たちはマスターの言葉は無視した。
    「普段持ち歩いてる分を考えると少なすぎる。これは自分で用意したものじゃないね」
    「そうだな。いつもの二丁拳銃とナイフが入ってねぇ。おい趙、その手紙はやく読め」
     ハンくんのチョイスにしては少なすぎる。そういえばいつものコートも預かっていない。俺と足立さんはお互いに頷き合い、手紙を開いた。

    『趙へ』

     俺宛だ。見覚えのある筆跡だ。
    「……お前宛てか。この字は女の字だな」
    「これはソンヒの字だね」
     上の3分の1は宛名しかない。本文を確認するために手紙を開く。

    ———

    趙へ

    1月末までハン・ジュンギを預ける。あいつに用がある時はこちらからお前に連絡する。
    あいつにはコミジュルの一部の業務からは外してある。あれこれうるさいとは思うが、帰ってくるなり寝ずに働いて倒れたお前が悪いと言っておいてくれ。話すのが面倒なら、この手紙をそのまま渡しても構わない。

    以下申し送り事項
    ・内服薬は1日2回 頓服は状況に応じて趙が管理すること
    ・必要なものがあれば趙を経由して私に連絡して欲しい 必要かどうかの判断は私が行う
    ・定時連絡は不要

    追伸
    おそらくハン・ジュンギは足立に手を貸すことになるだろう
    足立には、突然韓国語で喋りだしたら殴っていいから気絶させろと伝えてくれ

    横浜流氓兼コミジュル総帥 ソンヒ

    ———

    「何これ、取説?」
    「なんかそんな歌あったな」
    「最後の1行が不穏だが、つまりあいつは上司から暇を出されたって事か」
    マスターにつられて俺たちも天井を見上げる。
    「これあいつが読んだらうるさそうだな。隠しとかねぇか?」
    「足立さん、俺を一人にしないでよ」
    「まぁ、その話はハン・ジュンギが起きてからでいいだろ」
     マスターはカウンターに戻っていった。
    「足立さん、今日サバイバーに泊まらない?」
    「残念だったな趙!俺は朝イチで銀行の貸金庫に行かなきゃ行けねぇんだなー残念だなー」
     足立さんはこれ幸いと笑っている。明日、足立さんが来るまで寝ててほしいな、と窓から見える西日で伸びる電柱の影を眺めてた。
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    カピ(あね)が掘った墓穴

    DONEちょはん 初めての年越し(後編)
    仕事は多分さぼりました。
    施設の名前を調べるために7の攻略本を読んでました。つまり年越しイベントのスポンサーは一番HDなのでは。さすが横浜の第4勢力!
    試験が終わったら、前後編ちゃんと整理していい感じに仕上げたい。
    ちょはん 初めての年越し(後編) 神代駅の裏のコンビニで肉まんを2個とビールを二本。袋は別々にしてもらった。
     今年も恒例の年越しの花火と除夜の汽笛があるとかで、浜北公園に向かう人たちの流れに逆らって歩く。馬車街道まで出ると、ギャラクシーランドとREDパークへ向かう人波にあたる。それに紛れて流れの通りに進めば、いつもより明かりが少ないバッティングセンターが見えてきた。
     ギャラクシーランドでカウントダウンイベントがあるらしい。まだ観覧車はいつも通りで、代り映えしない。そうだ今は何時だっただろうと、画面を開くと数字が23時30分に変わった。
     サッカーコート横の自動販売機でたむろする若者たちを横目に、趙のもとへ足を速める。
     施設の明かりが落ちた、バッティングセンターの建物の裏。絶妙にギャラクシーランドもREDパークも見えない趙総帥のお気に入りスポットは静かで穴場だった。ここに監視カメラは無い。
    2190

    カピ(あね)が掘った墓穴

    MOURNING趙ハンです。クリスマスの話が間に合わなかったのでクリスマス1週間前の話のSSを上げます。当日何があったのかは補完願います。
    ちょはん 12月18日、深夜 入り口のシャッターを下ろして、外に出ると吐く息が白くなった。うみねこ座のレイトショーも終わって、通りは見慣れた輩が行き来している。彼らはすれ違う都度頭を下げてくるので、右手を半分あげてやりすごす。
     12月は忙しい。神室町に殴り込みに行ったのは昨年の今頃だっただろうか。昨年も忙しかったが、今年はかなり種類の違う忙しさである。
     異人町のために方々を走り回った2019年とは打って変わって、店と自宅の往復で一日を終える日が続いている。これまで『横浜流氓御用達のちょっと怪しげでスリルのある路地裏の店』から、『うみねこ座近くの知る人ぞ知る町中華』にイメージチェンジを行った効果が出てきたようで、一般のお客が増えたのだ。春日や足立のおかげで口コミで評判が広がって、流氓の若い奴らに「佑天飯店でもめごとを起こしたら……」と釘を刺したことも良かったようだ。もちろん今も流氓の若手に料理を振舞っているので、『ちょっと怪しげでスリルのある路地裏の店』という事実は変わらないのだが。
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