1:未知の世界いつも通りの朝、、いつも通りの、、いつも通りなんて、、
いつ起きてもそこは薄暗い世界、
この世界の中心には昨日から電源がつきっぱなしのパソコンが自らの熱を抑えようと唸っている。
他に言うことがあるとすれば、卵が腐ったものとアールグレイの紅茶を足して2で割ったような匂いがたちこめているくらいだろうか、
(こんな汚い部屋に住んでいる人間は数少ないだろうな、、)
その世界のたった1人の住人は思った。
(コンコン)
静かな空間に扉を叩く音が響くと同時に、部屋の外からオドオドとした声が聞こえてくる
『曲ちゃん、、今日で28歳でしょ、、?そろそろ仕事探さないと、、お母さんは曲ちゃんがこのままだと心配で、、』
『うるさい、、私はこのまま死んでも後悔なんてない、、いいからほっといてよ、』
『そう、、朝ご飯、、扉の前に置いておくね、、』
足音が遠ざかっていった後、リビングから啜り泣く声が聞こえてきた。
私は悪くない、そう思いながら食事を取るため重い身体を動かして戸に向かって這いずる。
扉を開けると炊き立ての米と漬物の他にパンフレットが置いてあった。
親が置いてあったのであろうパンフレットには、[誰でも入社可能!人員求む!]といういい文句と共に白い竜のような蛇のようななんとも言えないキャラクターのイラストが描いてある。
まるで働けというようなこのふざけたプレゼントに無性に腹が立った。
『クソがッ、』
破り捨てようとパンフレットを持ち上げた瞬間、裏面に貼ってある社員の集合写真が目に入った。
心から幸せそうな人々の笑顔が、部屋の隅に飾ってある自分の子供の頃の無邪気な顔そっくりだった。
『、、、、、なんでこんなに楽しそうなの?』
彼女はパンフレットに次々とできていくシミのおかげで自分が泣いてることに気がつく、
その時、まるで計ったかのように、パソコンに文字が表示された
『[よ・う・こ・そ]』
第四屍支部(赤衣#2)につづく