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    理銃のスケベばっか考えてます
    進捗とか短い話とかもろもろあげたい

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    酒に酔って気分がよくなったので理鶯に色仕掛けしてみた銃兎のお話。

    #理銃
    riflingAGunBarrel
    #SS

    さけはのんでものまれるなこの日、入間銃兎はひどく酒に酔っていた。いつもならば自制することができる飲酒量も、今日はどうにもセーブできなかった。明日が休みで気が緩んだからかもしれないし、気の置けない仲間との席だからというのもあったかもしれない。
     疲れた体に一気に酒を入れたことも相まって、今までにないほどに酔いが回っていた。ふわふわと体も頭も宙に浮いているような感覚が、銃兎を取り巻いている。
    「りおーはおさけがつよいですね」
    「そういう銃兎はこんなにも弱かったか」
    「さあー。貴方と飲んでるからじゃないですか」
     からん、とグラスで氷が揺れる。空になったグラスに酒を継ぎ足すために手を伸ばすと、銃兎の視界はぐらりと揺れた。
    「うわ、……っ」
     転んでしまうすんでのところで、体が温かな感覚に包まれる。視線を上げると、そこには愛しい恋人の顔。整った顔立ちの中で綺麗な青い瞳が銃兎を映しだし、小さな口は不安そうに結ばれている。
     銃兎はそれが急に愛おしく思え、理鶯の首に腕を絡めた。綺麗にカットされた理鶯の襟足に指を滑らせ、その感触を楽しみながら首筋をぐいと引き寄せる。
    「っ……! おい、銃兎、」
    「ねえ、ここで、しましょう?」
     身動きをすれば奪えるほどの距離感で、吐息を纏った声で誘う。普段ならばすぐに奪われる唇は、まるでそれを避けるかのようにすぐに離れていってしまった。
    「りおう……?」
    「貴殿は飲みすぎだ、もう休んだほうがいい」
     絡めた腕は優しく解かれ、理鶯の膝の上へといざなわれる。頭が膝の上に置かれると、ひんやりとした指先が額をなぞった。触れられたことが嬉しく目を閉じるも、まだ、それでは物足りない。
     銃兎は理鶯の手をぐいと引き寄せ、そこに唇を押し付けた。
    「理鶯は、嫌なんですか?」
    「嫌なわけないだろう。ただ」
    「じゃあ、いいじゃないですか。……ね?」
     上半身を起こすと再び首元に腕を絡ませ、今度は逃れられないように全身で抱き着く。息を大きく吸えば肺いっぱいに理鶯の匂いが充満し、銃兎の心は次第に満たされていった。ゆっくりと理鶯を引き倒し、ソファの上に二人で重なり合う形となる。
    「銃兎」
     腰に手が回され、理鶯の声が低く耳に響いた瞬間、ばたん、と扉が開く音がした。
    「……ハァ、ひでー酔い方してんなぁ」
     その声に、銃兎は一瞬耳を疑った。この場所で、この状況で、聞くはずのない声がしたからだ。理鶯ではない、だがとても耳に馴染んだ、あの男の声。
     銃兎は理鶯の肩口から扉の方向をそうっと盗み見ると、その男――碧棺左馬刻と視線がぶつかった。
    「……は、は? なんでお前が、ここにいんだよ……⁉」
    「いやなんでも何も、ここ俺様の事務所だかんな」
     その言葉を聞き、銃兎の頭の中にこれまでの経緯が一気に思い出される。
     ひどく疲れた銃兎は理鶯が街に降りてきていることを知り、気分転換がてら少し話がしたいと、左馬刻の事務所で落ち合うことを提案した。なんてことない会話を重ねていたらいつの間にか左馬刻が酒盛りを始め、あれよあれよという間に酔いが回ってしまい、今に至っているのだった。
     先程まで体を満たしていたふわついた感覚は一瞬にして消え去り、代わりに耐え難いほどの羞恥が銃兎を襲う。銃兎は理鶯に絡めていた腕を解放し、両腕で顔を覆った。
    「ホント最悪だ、よりにもよってお前に……」
    「お前が勝手に盛ったんだろ、俺のほうが気まずいわ。なんで仲間の乳繰り合い見せられなきゃなんねえんだよ」
    「理鶯も、なんで言ってくれなかったんですか」
    「お前が全てを遮ったんだろう」
    「……ああ、たしかに、そうだな……」
     理鶯の言い分にも、左馬刻の言い分にも、全く反論ができなかった。銃兎はどうすることもできず、大きくため息をつきさらに顔を覆い隠す。こんな状況初めてだった。穴があったら入りたい、とはこういうことなのだろう。
    「ま、続きやりたきゃしたらいいんじゃねえか? 俺様もう寝るからよ」
     ふわあ、と大きな欠伸をして、左馬刻は部屋から立ち去ってしまった。夜も深い時間のため普段既に眠っている時分なのか、銃兎たちに気を使ったのかは定かではない。
     おそらく彼のことだ、後者の意味合いが多分に含まれているのだろうが、そんな思いに気が付く余裕など、今の銃兎は持ち合わせていなかった。
     二人きりになったその部屋で、理鶯は腕の中に縮こまっている銃兎に問いかけた。
    「さて、二人きりになったわけだが。続きを所望するか?」
     その表情は銃兎には逆光でよく見えないものの、まるで反応を楽しんでいるかのように口角が上がっているのだけが見てとれた。いつもと逆転した立場に、少しだけ悔しさを感じる。からかいながらも温かさを感じるその視線に、少しだけ腕を緩める。
    「……もう萎えました」
    「ふ、では我々もお開きとするとしようか」
     小さく微笑み体を起こそうとした理鶯を、銃兎は再び引き付けた。突然のその行動に、理鶯も少々驚いた声を上げる。
    「どうした?」
    「セックスはしないですけど、もう少しこのままでいてください。恥ずかしくて死にそうなので」
     ぎゅう、と首筋に顔をうずめれば、耳元で小さく笑う声が聞こえた。太く温かい腕が、心地よく体を包み込む。
    「ならば貴殿が満足するまで、こうしていよう」
     理鶯は銃兎の全てを優しく包み込み、その夜が明けるまでずっと銃兎のそばに居続けてくれたのだった。
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