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    donburako_6ro

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    donburako_6ro

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    こへ長です。

    #こへ長
    #こへちょ
    small,ShallowDish
    #忍玉-腐
    tolerantJade-Rot

    たまにある光景委員会活動のない日、自主的な整理と称して書庫にこもることが、長次は好きだった。目についた本を手にとって書庫の床に座り込み、誰にも邪魔されないまま、飽きるまで文字の洪水に溺れるのだ。
    本を開いてしばらくは、ざわざわと木の葉の擦れる音や、楽しげな誰かの声が耳に届く。だが読み進めるうちに、周りの音も気配も一切が消える。意識は書き手の故郷へと飛び、自分の手が頁をめくっていることもわからなくなる。目にうつるのは天竺の景色で、日差しに灼けついた熱い空気を確かに肌に感じる。
    「……っ !」
    長次はふと顔を上げ、ぼんやりと正面の書棚に視線をやった。ここはどこだろう。
    頁に目を戻そうとすると、再び何かが聞こえた。
    「ちょーじっ!」
    今度は音の発生源を見る。するとそこには同室の男がいた。なんだ小平太か、納得した長次はまた物語の続きに戻ろうとした。珍しく不満そうに眉をしかめていた彼は、また長次の名を呼ぶ。
    「晩ごはんできたぞ!」
    「……うん、もう少し」
    本を持ったまま、体がふわりと宙に浮く。両の腕に長次を抱えた同室は、まっすぐに長屋へと向かう。
    「これはこれは、姫君がお帰りか」
    すれ違った同級生の揶揄いは、既に天竺に飛んだ長次には届かない。
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