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    ・中夜

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    ・中夜

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    ジュン茨ワンライ【ライブ後】

    全員成人済み。
    「冷めても」と「醒めても」が掛かってます。

    #ジュン茨
    junThorn

    さめてもほのかに「――それでは、お二方!ご一緒できず恐縮ですが、我々はここで失礼いたします。閣下と殿下におかれましても、あまり深酒はなさらず速やかにお休みください!」
    「おひいさん、ナギ先輩。お先失礼します」
    「うん、わかっているよ。2人ともおやすみ」
    「ぼくらは子供じゃないんだから、そのくらい弁えているね。凪砂くんのことは任せて、茨は早く休むといいね!ジュンくんもおやすみ!」
    「「おやすみなさい」」
     リンッと涼やかな音を鳴らして閉じたエレベーターを見送り、揃って踵を返す。濃い赤のフロアマットは沈むスニーカーを程よく潜めてくれていて、すっかり眠っているだろう同じ階のスタッフさんたちに申し訳なく思うこともない。
    「でも、良かったんすか。オレに合わせて茨まで戻らなくても」
    「良いんですよ。いつも以上に疲れているのは事実ですので」
     その言を証明するかのように重くゆったり吐き出された吐息は、冷えた夜の廊下をやんわりと揺らす。きらきらと薄明かりを押し上げる睫毛も、心なしか緩く伏せられているように見えた。……無理もないか。思い返すのは、つい5時間ほど前に終わったばかりのオレたちEdenのツアーライブの、その真ん中あたりで起こった予想外の機材トラブル。そのせいで茨は、休憩にと用意されていた他メンバーのソロ曲や事前収録のビデオを流している間も、ずっと裏で指揮を執るハメになってしまったのだった。ライブが終わった後も、スタッフを交えた打ち上げにメンバーだけでの二次会。さらにホテルのラウンジで三次会をするという上の2人には流石についていけず、いつもの就寝時間を守りたいオレと、夕方のゴタゴタで疲弊しきった茨は先に戻ることにしたのだ。
    「と、いうわけで。申し訳ありませんが今日は、本当に、このまま部屋で休みます」
     たどり着いたドアのノブを握って、茨はにっこり敬礼する。そこは正真正銘、茨に割り振られている部屋で、いやに強調された “ 本当に “ の部分に思わず苦笑がもれた。
    「申し訳ない、とか言わないでくださいよぉ〜。オレらもうセフレじゃねぇんすから、ふたりで早上がりしたらシなきゃ、みたいな……。そういう義務感とっとと捨てましょう?」
     そりゃ今までは茨が懇切丁寧に作った契約書のおかげで、どちらかが求めれば必ず応えましょう、的な空気になってしまっていたけれど。ふたりきりになった途端に隠されなくなった色気を帯びるアンニュイ感に、ほんのちょっとも下心が疼かなかったとも言えないけれど。でも……。
    「オレはどこにでもいる普通の男なんで、恋人とは基本いちゃいちゃでラブラブのヤツがしたいんですよねぇ。だから、イヤな時はイヤでいいし、そういう意味はわかるだろうな?っていう牽制とか露骨な拒否アピールとか要らねぇっす。一言おやすみって言って、キスでもしてくれれば、それで」
    「自分はそっちの方がイヤなんですが」
    「えぇ〜?……でも、してくれるでしょ?」
     というか、してくれるまで動きませんよ?自然とニヤつく口角はそのままに、軽く腕組みをして壁に右肩を預ける。こてりと頭のひとつも傾げて見せれば、数分前よりは大分軽くなった溜め息が聞こえた。昼間にステージで交わしたハイタッチなんて比べ物にならないくらい、やさしく触れてくる手のひらに甘えて擦り寄る。柔く包まれた両頬のぬくさに、とろりと微睡が降りてきて、オレはそっと瞼を閉じた。
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    らに🌷

    DONEバレンタイン前日にちゅーするふたりだよチョコレートが好物である凪砂からバレンタインチョコを所望されたのは想定内。ついでにそばにいた日和までが欲しがったのも、想定外とまでは言わない。日和があれこれ喧しく騒いでいる横でジュンが黙っていたのだって、茨にとっては想定内だったから、どうせ後で何かしら言ってくるだろうとは思っていたし。
    「あの、茨」
     それまで黙って本を読んでいたジュンが急に声を出したので、茨は画面から視線を外して顔を上げた。仕事中だと分かっていて声を掛けてくるのは珍しいから。
     それなのに、ジュンはこちらを見てもいなかった。視線は本に落としたまま、それでも茨が仕事を中断したことには気付いたんだろう、一瞬、躊躇うように息を吸った。
    「……や、ごめん、後にします」
    「……今どうぞ?」
    「うぅ〜……あ〜、え〜とですねぇ……」
     イラッとしなかったと言えば嘘になる。舌打ちをしなかったのは、ジュンがきちんと茨に向き直ったからだ。言いたいことがまとまっていないようだけれど、かといって今、このタイミングで「やっぱり後で聞きます」と言えば、それはそれで萎れそうな恋人。
    「おやおや、いつもの調子はどうしました?」
     仕方がないのでタブ 4046