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    セフレ探占の書き下ろしに入れようとしてたんだけどマイクモが難しすぎて(?)お蔵入りになったのでここに供養。いろいろあったからノは月相の衣装が好き(弊荘園設定)

    ◇extra game

    「は〜疲れた〜!!」
    もうボクくたくた! 
    大声でそんな泣き言を言いながら隣を歩く男を一瞥すると、ノートンはぐるりと肩を回す。
    それはこちらの台詞だ。
    思わず声に出しそうになるのをなんとか堪えてため息を吐けば、それを同意と受け取ったのか。新たに荘園へとやってきた曲芸師の男──マイク・モートンは瞳をぱあっと輝かせてノートンの腕を掴んで上下に振る。
    「やっぱりキャンベルさんも思った? 思ったよねぇ! だって今日ぜぇんぶ一緒の試合だったもん!」
    数秒前までは疲労を滲ませていたかと思えばモノクル越しの瞳にぱあっと喜色が浮かぶ。ころころと変わる表情はステンドグラスのようだ。この荘園にあって異色な性格(キャラクター)の男にノートンは随分とまた忙しい人間が来たものだと思う。
    つい先日、マイクはこの荘園へとやってきた。元はどこかのサーカスの出らしい彼の自己紹介はどこか人懐っこさが拭きれない。荘園で暮らす彼らが警戒を緩めるのはそう難しいことではなかった。元より周囲の歳上に可愛がられていたこともあるのだろう。女性陣だけでなく、ノートンやカヴィン、果てはライリーにまで臆することなく話しかけに行く姿には感嘆のため息をつくほどだった。
    さて。人当たりがいいとはいえ、マイクには新たに荘園に加わったサバイバーとしてのルールを知る必要がある。知るためには師、というのは些か大袈裟だが世話役のようなものが必要だ。荘園での暮らし、戦い方、ハンターの存在、それから此処を出るために自分たちがしなければならないこと。数え出せばキリがないが、新人とはいえ最低限のことは知る必要がある。よりにもよって、好奇心旺盛なマイクの世話役に選ばれたのはノートンだった。
    金にならない仕事に冗談じゃないと言ってやりたいのは山々だが荘園の主直々の指名とあれば断ることもできない。荘園の主に逆らうことが出来ないのはノートンだけではないだろう。誰だって厄介ごとは勘弁だ。わざわざ此処の主人の機嫌を損ねようとは思うまい。おかげでこの数日間、ノートンはマイクと共に試合に参加することになっていた。物覚えがいいという点においては不幸中の幸いといったところだろうか。
    「……ねえキャンベルさん? 聞いてる?」
    「聞いてる、続けて」
    「そう、だからあのジョオウサマ、だっけ? しばらくボク当たりたくないなぁ!」
    特にあの鏡の攻撃! あんなの避けれないもん!
    彼の言うハンターが指すのは血の女王、マリーのことに他ならないであろう。彼女の特殊な攻撃にはノートン自身も煮湯を飲まされた経験を持つためそれには深く頷かざるを得ない。今でこそまともに立ち回れるようになったが初めて彼女と相対した試合では容赦なく這いつくばらされたのは苦い思い出だ。それに比べると随分とまともな読み合いを繰り広げていた気もするが。勿論ノートンがわざわざそれを口にすることはない。
    ぴょこぴょこと視界の端で飾り羽が揺れる。サーカスの主役を想起させるかのような煌びやかな衣装でよくもまぁ試合中駆け回れるものだ。肩のあたりについた土ぼこりを払ってやろうと手を伸ばした時。丁度曲がり角から人の姿が覗く。
    「あれっ、クラークさん! お疲れ様!」
    「お疲れ様、マイク。それからノートンも」
     曲がり角から現れたのはイライだった。珍しいことにいつものあの飾り気のない衣装ではなく、いつぞやに支給されたという真白なローブを身に纏っている。口にはしないもののノートンの視線で察したのだろう。言い訳でもするように「今日はこの衣装って、指示があってね」と頬を掻く。
    様子を見るに、少しばかり華美な衣装には未だ慣れていないらしい。手持無沙汰なのを誤魔化すように皺ひとつないローブを指先で弄りながらまごつく様子は初々しい生娘のようだ。沈黙を保つノートンとは対照的に興味津々といった様子のマイクが朗らかにイライへと話しかける。
    「わぁ、綺麗な衣装だね」
    「ありがとう。下手に汚せないのは少し大変だけれどね」
    「ウッズさんが言ってたよ。随分とお気に入りみたいだ」
    「おや、それは光栄な話だ」
    今朝方女性陣に捕まっていたのを思い出したのか。乾いた笑みを浮かべるイライの声には覇気がない。マイクもそれに気づいたのだろうか。唇に指を当てて首を傾げる。
    「クラークさん調子悪いの? 疲れてるみたいだけど」
    「ありがとうマイク。だけど気のせいだよ」
     本当に? と首を傾げるマイクは疑わし気にイライを見つめる。どうやらすでにこの新人にすら性格を見破られているらしい。堂々巡りに陥り始めていた会話を切り上げるべくノートンが二人の会話を断ち切る。
    「それで? イライさん、僕らに用でもあったんじゃなくて?」
    「ああそうだ。ノートン、このあとは時間あるかい? 少し相談したいことがあってね」
    「いいよ。どうせもう今日は用事もないし。僕の部屋でいい?」
     
     マイクとて幼い子供じゃないのだ。一人で部屋に戻るくらいはできるだろう。
    「部屋が分からなくなったって夜中に呼びに来ないでね」
    「もう覚えたからそんなことしないってば!」

    「それじゃあおやすみ! クラークさん。キャンベルさんも!」
    「ああ、おやすみマイク。連日試合に駆り出されて疲れただろうからゆっくり休むといい」

    「随分と仲がいいみたいだね」
    「向こうが勝手に話しかけてくるだけだよ」

    「それで? 相談したいことなんて珍しいね」
    「……分かってるんだろう」
    「さあね」

    「でも、貴方の口から聞きたいな」
    あれだけずっと見てた理由。

    「……気付いてたのかい」
    「それはまあ。あれだけ熱い視線を浴びれば誰だって」
    穴が開いちゃうかと思ったよ。僕がカールさんだったら卒倒してたかもね。
    茶化すように笑うノートンにイライは笑みだけで返す。
    「そういえば、今日はいつもとは違う衣装なんだね」
    「……土竜だって」
     質問に質問で返して見せるイライに、ノートンはむっと口を引き結んで返す。マイクの衣装と雰囲気のよく似たその衣装は『土竜』というらしい。随分と皮肉が効いた衣装だと荒んだ笑みを浮かべる。

    「……なあに?」

    「ねえ、よく見えない。もっと近くに寄って」
    「これくらい?」

    「……もっと」
    「っ、」
    「ああ、うん。イライさんもそれ着てたんだ」
    「あはは……そういう指示だったからね、仕方ないさ」
    「いいんじゃない。似合ってる」

    「……きみ、実は結構この衣装好きだろう」
    「分かった?」
    「そりゃあ、まあ」

    「最初は嫌いなのかなと思ったんだけど」

    「目は口ほどに物を言うってね」

    「綺麗で、それだからつい汚したくなる」
    つつつ、と背筋を撫でる怪しい手つきは明らかに
    「まっ、私明日は朝から試合だから……」
    「先に煽ったのはそっちだよ。それに、さ」

    「妬いてくれたんじゃないの」
    もしかして僕の勘違いかな。

    「……意地が悪い」
    「正直に言ってくれれば良かったのに」

    「そう、だよ……悪いかい、子供みたいって」
    「笑わないよ」

    「ああうん。悪くないな」
     独占欲なんて碌なものじゃないと思っていたが、これはなかなか。
    「ねぇ、それで」

    「教えてくれないの」
     あなたがどれだけ僕のこと見てたか。
    「やっぱり意地が悪いな、きみ」
     
    ***
    「随分と熱烈な視線ね」
    あの人、穴が空いちゃうんじゃないかしら。
    「! な、んの……ことかな」
    「別に隠さなくてもいいわよ。そもそも向こうに隠す気がないんだから」
     気付いてないかもしれないけど首元。隠せてないわよ。
    「……!! 」
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    kawauso_gtgt

    PROGRESSモグ束と言ってるけど今回喋ってるのは土竜と猟犬。全ては此処から始まった。
    土竜が束縛者を引き取るまでに至る過程

    精神病院組と同じ顔の人達が存在する世界線。
    お得意の愛想笑いが崩れそうになるのをぐっと堪える。残念ながら目の前の男には通用しなかったようだが。お得意様、といえば聞こえはいいが、言ってしまえば厄介事を持ち込んでくる腐れ縁と言った方が的確だった。やれ最近違法武器を流している商人の足取りを洗えだの、やれ表じゃ禁じられた薬とやらをばら撒いている組織の裏を取れだの。土竜が一介の商人に依頼する内容にしては些か荷が重いと苦言を呈したのは一度や二度のことではない。とはいえそれ相応の報酬を寄越してくるからタチが悪い。それを理解してやってくる猟犬は勿論のこと、何よりそれで納得してしまう自分自身にも土竜は辟易していた。少しのリスクがあろうとそれを帳消しにするくらいのリターンを提示されてしまうとどうにも心が揺らいでしまう。いつだったかそのうち身を滅ぼすぞと苦言を呈されていたような気もするが、なんだかんだでいまだに土竜はこうして図太くも商売を続けることが出来ていた。悪運のいいやつとはよく言ったものだ。
    1538

    kawauso_gtgt

    REHABILIとある荘園で、来るかもしれない日のこと。
    (探占/匂わせ/解釈多様)

    古びた館の、とある一室。
    部屋の主の神経質すぎるくらいに几帳面な性格が滲み出た部屋の隅、屑籠の底。
    ぐしゃぐしゃに丸められた一枚の羊皮紙が捨てられていた。
    酷く強い力で握ったのだろう。手紙の差出人の名前は赤黒い染みが滲んでいて読むことはできなかった。
    x月x日、未明。拝啓 

    ノートン・キャンベル様

    正直なことを言うと、こうして人に手紙を書くだなんて久方ぶりなので何から書いたものかと迷っています。
    けれど、荘園(ここ)を脱出するにあたって、たった一人にだけ手紙を送ることができると言うことだったので。最後に君に何かを残せたらいいなと思い、今私はこの手紙を書いています。

    今更何を言おうっていうのかって、君は怒るかもしれない。いや、かもしれないじゃなくてきっと怒るだろうね。偽善も大概にしろ、なんて眉間に深い皺を寄せて、引き攣った笑みを浮かべてそう言うんだろう。
    私だってそれなりに君とは長い付き合いになる。それくらいはもう分かるさ。君って案外分かりやすいから。

    あっ、今手紙を握りすぎて皺ができたでしょう。最後までちゃんと読んでくれないと、困ってしまう。
    1757

    kawauso_gtgt

    REHABILIモグ束探占
    家出のそのあと
    書けない、書きかけだからちゃんと書いたらあげ直す

    リハビリ、しりきれとんぼ
    「……やっと寝た」
    何かから身を守るように両膝を抱え込んで安らかな寝息をたてて眠っていた。すっかり冷え切った頰に手を当てて溜息を吐く。
    何を聞いたのか知らないが突然失踪まがいな行動を起こすのは勘弁して欲しいものである。
    居るはずの人間の姿がなくなっていたときの心地はそうそう愉快なものではないのだから。猟犬との話を終えて自室に戻る道中、様子見がてら覗いた部屋がもぬけの殻だった時の心情を思い出した土竜は思わず額を押さえる。肝が冷えたとはまさにあのようなことを言うのだろう。
    最初(はな)から一筋縄でいく相手ではないとは思っていたが。どうやらあの白饅頭の心の奥底に住み着いた影は中々食えない存在だったようだ。会ったこともない相手へと対抗心を燃やしている自身に気付くと土竜は一人不満げに鼻を鳴らす。一人相撲など、らしくない。
    「ばかなやつ」
    それは己に対してか。それとも目の前の小さな生命に対してか。はたまた厄介な因縁の種を残していった、己と同じ顔をした人間に対してか。果たして。
    「……本当、馬鹿な奴」
    ライトのついた黒帽子をサイドテーブルに静かに載せる。冷たい室内で爛々と輝く灯りに照らされた寝顔は酷 1715

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    PROGRESSモグ束(おか束+モグ月前提&おか、月は故人)
    モグに惹かれてる事実とおかのことを自分だけは忘れちゃいけない罪悪感に苛まれて限界な束が爆発する話を書きたかった。拗らせすれ違い両片想いが好きすぎた。

    あとおかが死んだと頑なに認めない束に事実を突きつける土竜が書きたかったなどと供述しており…
    真っ暗な部屋が好きだった。
    此処にいれば誰にも痛いことをされたりしないし、理不尽に怒りをぶつけてくるような人もいない。点々と、少しだけ空いた隙間から差し込む光はまるで、いつか絵本の中で見たオホシサマのようで。閉ざされた世界を照らしてくれるそこは、いつだってイライの心の拠り所だった。
    冷たい床に転がって、暗い夜の海に意識を遊ばせていると、フードに覆い隠された耳がよく聞き慣れた足音を捉える。軽やかな足音は一歩、一歩と近づいてくると、イライのいる部屋の前でぴたりと止まった。かちゃりと開いた扉へと視線を投げると、何事もなかったかのようにイライはもう一度天井を眺める。
    扉が閉まると同時、近づいてきた影が上からイライを覗き込んで、それから数秒。地面に横になったイライの隣に、影が蹲み込む。鼓膜を震わせる声は、すっかり聞き慣れたあの子の声だった。
    「やっぱり此処にいた」
    「……どうして分かったの?」
    イライが首を傾げるのも当然のことだ。だって此処は院内の誰も知らない筈の場所。否、もしかすると気付いている人間もいるのかもしれないが少なくともイライが自らこの場所を誰かに明かしたことはない。誰も知らない、自 3152

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    MOURNINGセフレ探占の書き下ろしに入れようとしてたんだけどマイクモが難しすぎて(?)お蔵入りになったのでここに供養。いろいろあったからノは月相の衣装が好き(弊荘園設定)◇extra game

    「は〜疲れた〜!!」
    もうボクくたくた! 
    大声でそんな泣き言を言いながら隣を歩く男を一瞥すると、ノートンはぐるりと肩を回す。
    それはこちらの台詞だ。
    思わず声に出しそうになるのをなんとか堪えてため息を吐けば、それを同意と受け取ったのか。新たに荘園へとやってきた曲芸師の男──マイク・モートンは瞳をぱあっと輝かせてノートンの腕を掴んで上下に振る。
    「やっぱりキャンベルさんも思った? 思ったよねぇ! だって今日ぜぇんぶ一緒の試合だったもん!」
    数秒前までは疲労を滲ませていたかと思えばモノクル越しの瞳にぱあっと喜色が浮かぶ。ころころと変わる表情はステンドグラスのようだ。この荘園にあって異色な性格(キャラクター)の男にノートンは随分とまた忙しい人間が来たものだと思う。
    つい先日、マイクはこの荘園へとやってきた。元はどこかのサーカスの出らしい彼の自己紹介はどこか人懐っこさが拭きれない。荘園で暮らす彼らが警戒を緩めるのはそう難しいことではなかった。元より周囲の歳上に可愛がられていたこともあるのだろう。女性陣だけでなく、ノートンやカヴィン、果てはライリーにまで臆することなく 3122

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    PROGRESSこんな感じになる予定深く深く、薄暗い水底へ沈んでいた意識がゆっくりと浮上する。まるで羊水に包まれているかのような感覚は、目覚めを拒みたくなるくらい心地がいい。
    いっそ、このままずっと、眠ってしまおうか。
    そんな考えを察したかのように、緩やかな拘束が四肢を絡め取っていく。
    「……あさ」
    昨晩酷使した喉から出た声は、思った以上に掠れていて。とても他人に聞かせられたものではない。
    「……朝だ」
    もう一度、噛みしめるように同じ言葉を繰り返す。それからもう一度眠りに落ちる準備とばかりに肩までシーツを引き上げて目を閉じた。
    「……まだ起きなくてもいいよ。どうせ今日はみんな休みだ」
    耳元で聞こえる声も、未だ覚醒していないのだろう。己同様舌足らず調子のそれは、どこか幼い。背後から腹部に回された腕は、どこにも行かせないとばかりにイライの身体を締め付ける。少しだけ窮屈で、けれどそれすらも今となっては心地がいい。緩む口元を隠しきれないでいるイライに気が付いたのか。ノートンは首筋に顔を埋めながら呟く。
    「……随分とご機嫌じゃない」
    「そう見える?」
    「そうだね。まぁそもそも貴方の普段の朝の様子なんて知らないけど」
    ノートンの言葉 2330