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    セフレ探占小説、長編になればなるほど終わり方が難しい

    #探占
    divination

    「ちょっと」

    「私は話し合いをしなさいって言ったのであって喧嘩しなさいとは言った覚えはないわよ」
    「……五月蝿いな」


    「試合に私情は持ち込まない、当たり前だろ」
    ***

    「イライさん、今日はとっても綺麗な衣装なの!」
    「ありがとう。けれど少し豪華すぎて気後れしてしまうな……」
    「そんなことないの! ねぇ、キャンベルさん」

    「……そうだね。少し、眩しいくらいだ」

    皿の割れる音が、やけに脳裏に染みついていた。

    「地下室は南だ。ハンターは血の痕を辿ってこっちにくる筈だからそのまま隠れてて」

    「すまない、けどやっぱり私には見捨てる事はできない」

    「月……嗚呼、そう……いう」
    朦朧とする意識の中で映る白い衣装は目が眩みそうなほど神々しい。
    「はは……勘弁、してくれないかな……」


    「……それ、汚した。ごめん」
    金糸の刺繍が走った真白な衣装は他でもない自分の血で所々赤く染まっている。


    震える掌を頰に伸ばせば冷たい頰に赤い跡が伸びる。
    「私、は……」

    ──サバイバーは投降しました。

    嗚呼、全く嫌になる。
    ***
    一度、二度。ぼやけていた視界がゆっくりと像を結んで明瞭になっていく。頰を撫でる風の生温さにアイマスクの下で眉を顰める。医務室独特の消毒液の匂いも相まって酸欠状態の頭は鈍痛を訴えていた。
    小さな呻き声に気づいたのだろうか。ベッドの脇に腰掛ける男が此方へと視線を寄越す。手元の古ぼけた書籍を閉じてサイドテーブルに置くと、随分と穏やかな口調でイライに話しかける。
    「……起きたんだ。ダイアー先生を呼んでくるから、大人しくしていて」
    「まっ、待ってくれ、ノートン」
    目を覚ましたばかりの身体は思うように力が入らない。そのせいで離れていくジャケットの裾を掴もうと伸ばした指先は空を掻いた。ぎしりと軋むスプリングの音に、ノートンがイライを振り返る。
    「なに? あぁ、水?」
    ほらと水差しを差し出せば丁寧に両手で受け取って口元に運ぶ。一口、二口。喉が乾いていたのか。直ぐになくなってしまった水差しを手元から拐い、再度イライに背を向ける。

    「そうじゃない、あの、」


    「悪かったよ……大人げない、真似した」


    「まだ言ってる。そういう目に合いたいわけ?」
    「君がそれを、望むなら」
    揶揄い混じりの言葉にまさか

    「冗談だよ。期待に添えなくて悪いけどそういう趣味は持ってない」
    怪我人は大人しくしてなよ。
    「ノートン」

    「聞いてた? 僕は」
    「私は、」

    「好きでもない相手に、あんな真似許したりしない」



    「あんなふうにされて、何も感じないわけないだろう」
    身体だけの関係だったはずなのに。肌を這う指先も。名前を呼ぶ声も。自身を見下ろす熱い眼差しも。愛しいと評するには生温い。


    「分かってるよ、分かってたんだ。彼女が彼女の道を歩み始めていることは。なのに私は未練がましくも彼女の影を追い求めていた」
    伸ばしても決して届くことはないと知りながらも自分を照らしてくれていた光を諦められずに。
    「怖かったんだ。私はどうしようもなく愚かで、臆病で。だから、選べなかった」

    「君を選ぶ理由に、彼女を使おうとした。本当は気付いてたのに」

    「……手、握りすぎ」
    「っすまない、つい」
    イライの言葉に返事をするでもなく呟いた言葉に、慌てて掴まれていた手が離れていく。
    「いいんじゃない。前にも言ったけど、そういう人間臭いところは嫌いじゃない」

    長い長いため息をついてチェアに腰を下ろす。
    「言ったでしょ。僕は我儘だって」

    「一つ手に入るなら全部欲しいし、手に入らないなら全部いらない」
    言ってる意味、わかる?
    びくりと目の前の男の肩が小さく震える。その反応が指し示すのは肯定の意。
    ノートンこの前告げた言葉は本心だった。一つだけならば必要ない。欲するのはその全てだ。そこに一つの嘘偽りもない。だけどもし、それを捨てるような人間がいるというのなら。手放そうという人間がいるというのなら。
    すっかり俯きいてしまった顎に指を添えて視線を起こす。うっすら涙の膜が滲むそれは、まるでスノードームのように煌めいていて、目が離せない。
    「だから、要らないなら、くれるんなら、全部頂戴」
    誰にも認められずに朽ちていくくらいなら、自分が拐ってしまってもいいだろう。真っ青な瞳が見開かれる。直接触れた頬は少しだけ冷たい。けれどどうしてこうも、離し難いのか。本当はずっと、こうしたかった。なんて、口が裂けても言ってやらないだろうけれど。
    「あんたの髪の毛一本から爪先まで。視線の1ミリだって、渡さない」
    独占欲と言われたって構わない。先に諦めたのはそちらなのだ。生憎聖人君子と違って此方はお綺麗な博愛精神など持ち合わせてはいなかった。隙を見せるなら、奪われたって文句は言えなかった。
    「ねえ、ノートン」
    「なに? まぁ貴方の事だから、期待なんてして、な」
    火傷痕で爛れた頰にイライの掌が触れる。続く言葉は触れた唇に吸い込まれていった。それ以上に、ノートンの視線を奪ったのはイライの指先だ。なんで。音にならない言葉が零れ落ちる。
    「……貴方、指輪は」
    「アレはね。此処に来て直ぐに、外してしまったんだ」
    見えてしまったから。彼女と共にある事はない未来を。知ってしまったから。あの日荘園に向かった時が今生の別れだったことを。
    イライだって一人の男だ。それをはいそうですかとあっさり納得したわけじゃない。足掻いて、逆らって、抗おうとした。けれど天眼が告げる未来は変わらなくて。当然だ。それが間違ったことを言わないなんてことは、誰よりも自分がわかっている。だから自分は今此処に居るのだから。
    けれどそれを素直に受け入れるにはあまりに自分は弱いから。
    まず最初にその証を箱にしまってしまった。二度と思い出すことのないように。次に出来る限り試合に出るようにした。疲れ果てて、なにも考えることなく眠れるように。それから最後に、そんな自分のことをお人好しと呼んだ男の差し出した手を掴んだ。契約という建前の元、縋る言い訳を探すように。
    ノートンがどこまで見越して自分を唆したのかは定かではない。けれど、確かにあの時、その関係を差し出されたイライの心は救われていた。風が吹けば消えてしまいそうな、頼りない関係だったけれど。だからこそ手を伸ばすことができた。だって、それならば壊れてしまっても仕方ないだろう。
    悪戯な笑みを口元に携えたイライに呆気に取られたあと、ノートンは口を尖らせて呟く。
    「……はは、なにが占い師だ、とんだ狸じゃないか」
    「酷いな、ちゃんとみんなにとって"いい人"だっただろう?」

    「好きだよ、ノートン。どんな意図であれ、あの日私は君に救われたんだ」

    「物好き」
    「君こそ。嫌いなタイプだろう?」
    「さあね。そうだとして、知っててやってるなら大したもんだよ」



    「ねえ、また花を飾ってもいいかい?」

    「枯らさないよ。私が枯らさないから」
    「好きにしたら」
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    💴💴💴💴💴💴💴💴💴💴
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    Replies from the creator

    kawauso_gtgt

    PROGRESSモグ束と言ってるけど今回喋ってるのは土竜と猟犬。全ては此処から始まった。
    土竜が束縛者を引き取るまでに至る過程

    精神病院組と同じ顔の人達が存在する世界線。
    お得意の愛想笑いが崩れそうになるのをぐっと堪える。残念ながら目の前の男には通用しなかったようだが。お得意様、といえば聞こえはいいが、言ってしまえば厄介事を持ち込んでくる腐れ縁と言った方が的確だった。やれ最近違法武器を流している商人の足取りを洗えだの、やれ表じゃ禁じられた薬とやらをばら撒いている組織の裏を取れだの。土竜が一介の商人に依頼する内容にしては些か荷が重いと苦言を呈したのは一度や二度のことではない。とはいえそれ相応の報酬を寄越してくるからタチが悪い。それを理解してやってくる猟犬は勿論のこと、何よりそれで納得してしまう自分自身にも土竜は辟易していた。少しのリスクがあろうとそれを帳消しにするくらいのリターンを提示されてしまうとどうにも心が揺らいでしまう。いつだったかそのうち身を滅ぼすぞと苦言を呈されていたような気もするが、なんだかんだでいまだに土竜はこうして図太くも商売を続けることが出来ていた。悪運のいいやつとはよく言ったものだ。
    1538

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    REHABILIとある荘園で、来るかもしれない日のこと。
    (探占/匂わせ/解釈多様)

    古びた館の、とある一室。
    部屋の主の神経質すぎるくらいに几帳面な性格が滲み出た部屋の隅、屑籠の底。
    ぐしゃぐしゃに丸められた一枚の羊皮紙が捨てられていた。
    酷く強い力で握ったのだろう。手紙の差出人の名前は赤黒い染みが滲んでいて読むことはできなかった。
    x月x日、未明。拝啓 

    ノートン・キャンベル様

    正直なことを言うと、こうして人に手紙を書くだなんて久方ぶりなので何から書いたものかと迷っています。
    けれど、荘園(ここ)を脱出するにあたって、たった一人にだけ手紙を送ることができると言うことだったので。最後に君に何かを残せたらいいなと思い、今私はこの手紙を書いています。

    今更何を言おうっていうのかって、君は怒るかもしれない。いや、かもしれないじゃなくてきっと怒るだろうね。偽善も大概にしろ、なんて眉間に深い皺を寄せて、引き攣った笑みを浮かべてそう言うんだろう。
    私だってそれなりに君とは長い付き合いになる。それくらいはもう分かるさ。君って案外分かりやすいから。

    あっ、今手紙を握りすぎて皺ができたでしょう。最後までちゃんと読んでくれないと、困ってしまう。
    1757

    kawauso_gtgt

    REHABILIモグ束探占
    家出のそのあと
    書けない、書きかけだからちゃんと書いたらあげ直す

    リハビリ、しりきれとんぼ
    「……やっと寝た」
    何かから身を守るように両膝を抱え込んで安らかな寝息をたてて眠っていた。すっかり冷え切った頰に手を当てて溜息を吐く。
    何を聞いたのか知らないが突然失踪まがいな行動を起こすのは勘弁して欲しいものである。
    居るはずの人間の姿がなくなっていたときの心地はそうそう愉快なものではないのだから。猟犬との話を終えて自室に戻る道中、様子見がてら覗いた部屋がもぬけの殻だった時の心情を思い出した土竜は思わず額を押さえる。肝が冷えたとはまさにあのようなことを言うのだろう。
    最初(はな)から一筋縄でいく相手ではないとは思っていたが。どうやらあの白饅頭の心の奥底に住み着いた影は中々食えない存在だったようだ。会ったこともない相手へと対抗心を燃やしている自身に気付くと土竜は一人不満げに鼻を鳴らす。一人相撲など、らしくない。
    「ばかなやつ」
    それは己に対してか。それとも目の前の小さな生命に対してか。はたまた厄介な因縁の種を残していった、己と同じ顔をした人間に対してか。果たして。
    「……本当、馬鹿な奴」
    ライトのついた黒帽子をサイドテーブルに静かに載せる。冷たい室内で爛々と輝く灯りに照らされた寝顔は酷 1715

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    PROGRESSモグ束(おか束+モグ月前提&おか、月は故人)
    モグに惹かれてる事実とおかのことを自分だけは忘れちゃいけない罪悪感に苛まれて限界な束が爆発する話を書きたかった。拗らせすれ違い両片想いが好きすぎた。

    あとおかが死んだと頑なに認めない束に事実を突きつける土竜が書きたかったなどと供述しており…
    真っ暗な部屋が好きだった。
    此処にいれば誰にも痛いことをされたりしないし、理不尽に怒りをぶつけてくるような人もいない。点々と、少しだけ空いた隙間から差し込む光はまるで、いつか絵本の中で見たオホシサマのようで。閉ざされた世界を照らしてくれるそこは、いつだってイライの心の拠り所だった。
    冷たい床に転がって、暗い夜の海に意識を遊ばせていると、フードに覆い隠された耳がよく聞き慣れた足音を捉える。軽やかな足音は一歩、一歩と近づいてくると、イライのいる部屋の前でぴたりと止まった。かちゃりと開いた扉へと視線を投げると、何事もなかったかのようにイライはもう一度天井を眺める。
    扉が閉まると同時、近づいてきた影が上からイライを覗き込んで、それから数秒。地面に横になったイライの隣に、影が蹲み込む。鼓膜を震わせる声は、すっかり聞き慣れたあの子の声だった。
    「やっぱり此処にいた」
    「……どうして分かったの?」
    イライが首を傾げるのも当然のことだ。だって此処は院内の誰も知らない筈の場所。否、もしかすると気付いている人間もいるのかもしれないが少なくともイライが自らこの場所を誰かに明かしたことはない。誰も知らない、自 3152

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    MOURNINGセフレ探占の書き下ろしに入れようとしてたんだけどマイクモが難しすぎて(?)お蔵入りになったのでここに供養。いろいろあったからノは月相の衣装が好き(弊荘園設定)◇extra game

    「は〜疲れた〜!!」
    もうボクくたくた! 
    大声でそんな泣き言を言いながら隣を歩く男を一瞥すると、ノートンはぐるりと肩を回す。
    それはこちらの台詞だ。
    思わず声に出しそうになるのをなんとか堪えてため息を吐けば、それを同意と受け取ったのか。新たに荘園へとやってきた曲芸師の男──マイク・モートンは瞳をぱあっと輝かせてノートンの腕を掴んで上下に振る。
    「やっぱりキャンベルさんも思った? 思ったよねぇ! だって今日ぜぇんぶ一緒の試合だったもん!」
    数秒前までは疲労を滲ませていたかと思えばモノクル越しの瞳にぱあっと喜色が浮かぶ。ころころと変わる表情はステンドグラスのようだ。この荘園にあって異色な性格(キャラクター)の男にノートンは随分とまた忙しい人間が来たものだと思う。
    つい先日、マイクはこの荘園へとやってきた。元はどこかのサーカスの出らしい彼の自己紹介はどこか人懐っこさが拭きれない。荘園で暮らす彼らが警戒を緩めるのはそう難しいことではなかった。元より周囲の歳上に可愛がられていたこともあるのだろう。女性陣だけでなく、ノートンやカヴィン、果てはライリーにまで臆することなく 3122

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    PROGRESSこんな感じになる予定深く深く、薄暗い水底へ沈んでいた意識がゆっくりと浮上する。まるで羊水に包まれているかのような感覚は、目覚めを拒みたくなるくらい心地がいい。
    いっそ、このままずっと、眠ってしまおうか。
    そんな考えを察したかのように、緩やかな拘束が四肢を絡め取っていく。
    「……あさ」
    昨晩酷使した喉から出た声は、思った以上に掠れていて。とても他人に聞かせられたものではない。
    「……朝だ」
    もう一度、噛みしめるように同じ言葉を繰り返す。それからもう一度眠りに落ちる準備とばかりに肩までシーツを引き上げて目を閉じた。
    「……まだ起きなくてもいいよ。どうせ今日はみんな休みだ」
    耳元で聞こえる声も、未だ覚醒していないのだろう。己同様舌足らず調子のそれは、どこか幼い。背後から腹部に回された腕は、どこにも行かせないとばかりにイライの身体を締め付ける。少しだけ窮屈で、けれどそれすらも今となっては心地がいい。緩む口元を隠しきれないでいるイライに気が付いたのか。ノートンは首筋に顔を埋めながら呟く。
    「……随分とご機嫌じゃない」
    「そう見える?」
    「そうだね。まぁそもそも貴方の普段の朝の様子なんて知らないけど」
    ノートンの言葉 2330

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    MEMOこいぬちゃんぐさんの月蝕の元ネタだったやつ
    血族に売り飛ばされた🔮のるろ月(探占)
    売られてなどいない。自分で来たのだと言い聞かせる。
    愛しいあの子よりも自分が犠牲になる方がマシだと脳の中で繰り返す。

    🔮の住む集落の近くには血族の住まう森があった。不干渉。互いに見て見ぬふりをすることで薄氷の上を歩くような危うい均衡を保っていた。
    しかし、それは血族の気まぐれによってあっさりと瓦解した。
    血族の要求は簡単だった。村の中から誰でもいい。男でも女でも構わない。ただ、若者の方が良いが、生贄を出せ。
    身体を作り替えて、餌として飼う。
    もし出さないようであれば、ここに住まうものを皆殺す。
    理不尽な要求に村人は頭を抱え、村で1番美人な娘という意見が出たが、その女は村で1番の権力をもつ者の娘だった。
    娘を出す訳には行かない父親は、娘の恋人に白羽を立てた。
    親族のいない🔮は都合が良かったのだ。誰もが同意し、🔮は着たことのないほど豪奢な、まるで花嫁衣装のような白い服を着せられ、追い出された。
    血族の餌になる恐怖と見捨てられた悲しみ。🔮は震える手を祈るように握りしめて、古く草臥れた館の中に入る。
    🔮「…ご、めん下さい。要求の通り、参りました。」
    震える声で呼びかけるが、しんっと 1738

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    PROGRESSここからすけべに発展するなんて誰が思っただろうかの探占今日のハンターはどうにもやる気がなかったらしい。
    一人黙々と暗号機を回していれば無線越しに聞こえてきたのはなんとも気の抜けた鼻唄とその向こうできゃっきゃと騒ぐ味方の声。ハンターと馴れ合う気などさらさらないがそれならそれで都合がいいと次から次へと暗号機を解読して脱出を果たしたのが今朝のことだった。朝一番の試合がそんなだったおかげでまだ昼前だというのにどうにも小腹が空いて仕方がない。見つかれば叱言を言われるだろうと思いつつも腹の虫を放って置くこともできない。出来ることならば誰にも会いたくないと思いつつも、ノートンの足は自然と食堂へ向かっていた。
    「イライさんの婚約者さんってどんな人なの?」
    食堂の扉を開けた瞬間聞こえてきた声に、ノートンはぴたりと一瞬足を止めた。それから声のする方へと視線を向けて、再び歩き出す。
    「え、ええと。私の話なんて別段面白くないと思うよ」
    「そんなことないよ! ボクも聞きたいなぁ、あ、話したくなければ無理にとは言わないけど!」
    どうやらノートンの予想は大外れだったようで、食堂には既に幾人かの先客がいたようだった。ノートンと同じように小腹を満たしにきたのか、個別で席に 1465

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    MOURNING土竜とやこうふくろうの探占「……! ノー、」
    扉の隙間から覗く部屋の主にの姿を前にして、イライはその名を呼ぶことはできなかった。
    「……」
    積み重なる書類に、険しい表情。時折眉間に寄った皺を揉みほぐしながら空いている手は書類の上を滑っていく。彼が遊んでいるのではない、というのは一目瞭然だった。
    イライとてノートンがこなすべき仕事を全うしているだけだというのは十分に理解している。それを自分が邪魔していい道理があるはずもないということも。それでも、やはり。自分を見つけてくれた唯一の存在を、欲してしまうのはいけないことなのだろうか。イライにはまだ、分からなかった。ずるずると扉の前でしゃがみ込む。布越しに伝わる床の冷たさに小さく身震いをして、両膝に顔を埋めた。
    「つまらない、な……」
    力ない声が唇から溢れ落ちる。薄暗い廊下の果て、それは誰に届くこともなく静かに消えて見えなくなった。
    ***
    「……嗚呼、もうこんな時間か」
    ふっと沈んでいた意識が浮上する。まさか自分ともあろうものが意識を飛ばしていたとは。知らずのうちに無理をしていたのかもしれない。残りは明日でも構わないだろう。暖炉の火もほとんど勢いをなくしてすっかり冷 1029

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    MEMO殴り書き
    現パロ探占(♀)の話。
    大学院生探×高校生占でギリギリ健全に付き合っている幸せ時空の話。一言でいうと真面目で穏やか、優しくて清楚な占さんが年上の探によって自分好みのえちえちな女の子にさせられてしまう話。
    この世界の探は一応周囲の良心(例 某サベ・カヴィetc…)らによってそれなりの情操教育がなされているため高校卒業するまでは手を出さないぞタイプ。
    鋼の精神で本番はやってないけどちょっと触れ合ったりぎゅーってしたりはしているおそらく。幼馴染み設定なのでよく探の部屋に上がり込んでは入り浸っている。横になってる探の上にごろんとのしかかってきたりを恥じらいもせずにするのが目下の悩み。占が人の気も知らずにくっついてくるのでどうしようかと同じゼミのウィに相談したら「滝行でも行ってきたらどう?」って言われて大暴れしかけた、滝行は行ったけど煩悩は消えなかった。
    たまにふらっと占のこと迎えに行ったりするのでクラスではよく噂になっている。
    余談だが占に恋してたモブ同級生は探に向かって駆け出していく占の姿を見て撃沈、次の日周りの同級生に慰められてたらしい。ちなみに風でめくれたスカートの下に見えた下着は探が誕プレにあげたやつらしい。どんなやつかはご想像にお任せします。でも真面目ちゃんがどえろい下着着てたら激アツだよって偉い人言ってました。わたしもそう思います。

    無意識ほんと困る…って漏らしてる探をやれやれと 535