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    甘味。/konpeito

    800文字チャレンジだったりssを投げる場所

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    本日の800文字チャレンジ/Promise of reunion
    クロリン武器交換/11.30加筆

    「くっ!」
    「しまった……!」
     ほぼ同時にリィンは太刀を、クロウは二丁拳銃を弾き飛ばされた。互いの武器が相手の手元に向かって床を滑っていく。滑ってきたそれを手にとった瞬間、ふたりのあいだに見えない壁が現れた。
     声は向こう側に届いても触れたところですり抜けず、リィンの無手の型でも歯が立たない。
    「クロウ、借りるぞ」
     見えない壁の向こう側にいる彼が拳銃を構える。この程度で壊れてくれるなら幸いと、壊れた場合に飛んできた破片を被らないよう数歩下がった。
    「おー。遠慮なくやってくれ」
     タンッ、タンッ、タンッ。
     銃弾が軽快なリズムで放たれるも、それらが一発とて壁を貫通することはなかった。
    「だよなー。こっちも試すか?」
     念のため、手元にあったリィンの刀を振るって斬るような動作をしてみせる。壁の向こう側で真剣な顔をした彼が頭を振っていた。
    「近距離での銃撃に傷ひとつついていない。太刀でも厳しいと思う。それぞれ先に進める通路がある。どこかで合流できる場所があるはずだ」
    「まっ、そうなるよな。そんじゃ、俺の相棒はそれまで預けておくわ」
    「分かった。クロウも、くれぐれも大事に扱ってくれ。――絶対に、折るなよ」
     壁越しに拳を合わせる。くれぐれもよろしく頼むと笑顔で念押ししたリィンの気迫に思わず頷いた。僅かな刃こぼれだろうと許されない空気を彼からひしひしと感じる。
     刀は扱い慣れないんだがなあと肩に担ぐ。これは早々に敵から武器を奪取し、リィンの刀はなるべく使わない方向にしておいたほうが無難だろう。
    「ところでリィン。ひとつ聞いときたいんだが、お前トールズ時代から多少は腕前あがってるよな?」
     誰よりも最前線で戦う彼が拳銃を握っている姿を見たことがない。唯一見たのが、ミシュラムでの射撃ゲームくらいだろうか。
     二丁拳銃や双刃剣にたどり着くまで、ありとあらゆる武器を使い試してきているクロウに比べ、八葉を極めてきたリィンに一抹の不安がよぎる。
    「……、間合いを詰めれば確実に当てられるから心配するな」
    「おいおい」
     それぞれ壁に背を向ける。互いに待っているなんて弱気な選択肢はない。ならば、一刻も早く合流するだけだ。
    「クロウ、必ず落ち合おう」
    「分かったよ。必ず、だ」
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