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    甘味。/konpeito

    800文字チャレンジだったりssを投げる場所

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    本日の800文字チャレンジ
    クロ+リン/Ⅳのどこかの話/懐かしの味ふたたび

    「よっと。こんなもんかね」
     油から引き上げ休ませていた白身魚のフライをパンに挟み、次々皿へのせていく。鍋のなかで踊っていたポテトとオニオンリングも引き上げ、別の皿へのせた。
    「わあ、いい香り」
     エリンの里、ロゼのアトリエでキッチンを借りていたクロウの元へ食べ物の香りに釣られてユウナが顔を出した。続いてアッシュやクルト、アルティナにミュゼもやってくる。いつの間にかキッチンにリィンの教え子が勢揃いしていた。教官も呼びますとアルティナがいそいそ通信を入れるのを横目に料理を仕上げていく。
    「もうできるぜ。せっかくお前らが釣った魚、美味しく食わなきゃ損だろ」
    「へへへ。ありがとうございます。へえ、これが噂のクロウさん特製フィッシュバーガーですか」
    「噂? なんだそりゃ」
    「リィン教官が作ってくれたときに言ってたんです。あのときは、あいつが作ったものには及ばないけどなんて言ってましたけど。本家がいいのは分かりますけど、教官のも美味しかったんですよ」
     あの人、謙遜が過ぎますよね。なんて言うユウナに教え子一同が同意を示す。相棒の愛されっぷりに目を細めた。
     不意に馴染んだ気配を感知する。リィンの眷属になってから、ある程度の範囲であればお互いの位置がおおよそ把握できるようになった。
     ちょうどラウラと鍛錬でもしていたのだろう。広場からこちらへ走ってきている。彼が到着するまでには食べ頃のフィッシュバーガーを作っておいてやりたい。
    「そんじゃ、俺は追加を揚げてくるからお前らはそのまま食べてろよ」
     まだまだ食事を堪能している一行を残し、クロウはキッチンへ戻った。
     すぐそこに迫っている気配で頬が緩む。
    「クロウ、フィッシュバーガー作ったって」
    「腹ぺこさんめ。ちゃんとお前の分はとってあるぞ」
     第二陣を油から引き揚げたクロウは、息急き切って飛び込んできたリィンに出来立てのフィッシュバーガーを差し出したのだった。
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