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    甘味。/konpeito

    800文字チャレンジだったりssを投げる場所

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    甘味。/konpeito

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    本日の800文字チャレンジ
    クロ+リン/創後
    ふたり合わせて天下無敵

    「クロウ! そちらへいったぞ」
     昆虫型魔獣を斬り伏せたリィンの目に、クロウの背後から飛びかかる魔獣の姿が映る。
    「そっちもな」
     リィンの太刀がクロウの背後にいた魔獣を貫いた瞬間、彼の双刃剣がリィンの背後にいた魔獣を切り裂いていた。お互い、魔獣から刃を引き抜き、付着した汚れを払い落とす。
    「サンクス」
    「それはこちらの台詞だ。それにしても数が多い。困ったな」
     改めて背中合わせに得物を構え、次から次へ襲いかかってくる魔獣を始末していく。
     逃亡の時間稼ぎに魔獣をけしかけていった奴らの姿はもう見えない。不意に耳へ届いた、空を切り裂く駆動音にあちらこちらへ目をやる。林の影から姿を現した小型飛行艇の操縦席に、先ほど取り逃した人影を見つけた。
    「どうする。もたもたしてるうちに逃げられちまうぞ」
     隣でゆったり双刃剣を肩に担いだクロウからは焦燥なんて微塵も感じない。絡んだ視線に頷き合い、太刀を鞘へ収める。
    「一気に切り抜ける。神気合一。緋空斬!」
    「まあ、そうなるわな」
     一足先に小型艇の真下へ回り込んだクロウが武器を捨て、構える。その姿に彼の意図を汲み取り、さらに速度をあげた。
    「リィン! こいっ」
     組んだ彼の手を踏み台にして空へと舞い上がる。下から投げられた力も加わり、跳躍では届かなかっただろう距離まで詰め寄る。射程圏内に入った標的へ太刀を引き抜いた。
    「逃すか! 唸れ、うおおおお! 螺旋撃!」
     リィンの一撃を喰らい、操縦不能になった様子の小型艇がふらふらと高度を下げている。しかし、一太刀浴びせただけの一時的なものだ。地上へ戻ったリィンに合流したクロウと並び、構えの体勢に入った。
    「止めだ。クロウ頼む」
    「任せとけっての」
     交差するように太刀を振り落とした。
    「蒼覇十文字」
     ふたりの攻撃で再起不能となった小型艇からは煙が上がっている。
    「ここまですりゃ、逃げられないだろ」
    「お疲れ」
    「おう」
     拳同士をぶつけ合い、互いを労いながらも笑みを交わすのだった。
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    さらさ

    DONEエア小話 リクエストが指定なしとの事だったので
    「何かで互いに対して不機嫌そうにしてるクロリンが戦闘でも息ピッタリな話」
    です。リクエストありがとうございました。
    「……なんか、今日のクロウ機嫌悪くない?」
    「心なしか、リィンさんの機嫌も悪いような気がしますね」

     真・夢幻回廊、第五階層。最前線で戦うクロウとリィンを遠目に、後方支援役のエマとエリオットはそんな話をしていた。いつもだったらベタベタと言っていい程に距離が近いのが、二人ではありえないほどの常識的な距離だったし先程から二人で一度もリンクを繋いでいないのだ。一体何があったというのか、二人の様子を観察するにしても普段は砂糖を吐きたくなるほどドロドロに甘く見ていられないというのが新旧Ⅶ組どころか特務支援課他遊撃士等々の面子が出した結論だった。下手をしたら馬に蹴られかねない。そんな甘さを微塵も感じさせないまま、次から次へと魔獣を伸していく二人には最早感心せざるを得なかった。

    「なんというか、喧嘩したのか?」
    「それはあり得るかもしれないわね。でも……」

    サブメンバーとしてついてきているガイウスとエステルの視線は少し離れたところで戦闘を仕掛ける二人に向けられる。リンクはエマがリィンと繋ぎ、クロウはエリオットと繋いでいる。ダメージを受けることなく終わらせてしまうので、あまり意味がないのだが。
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    さらさ

    SPUR ME12月12日に出す予定の展示品を尻叩きとサンプルを兼ねて一章丸々アップ。こんな感じのクロリンの話が五感分連続していく感じです。シリアスが続きますがハピエン(にしてみせる!)

    ちなみにタイトルは全て「五感に関する部位のことわざ」を当てはめています。変わるかも。
    医者と味噌は古いほどよい リィンは《黒の工房》から救出されて以来、違和感に気付いた。《巨イナル黄昏》より前に感じ取れていた味が、分からなくなっていたのだ。一か月近く食事をしていなかったこともあり気付かなかったが、しばらく食べているうちにようやくその違和感に辿り着いた。原因は分からないが、相克に向かうこの状況で他の心配事を出来ればリィンは作りたくなかった。だから、黙っている事にした。――目に見えて減っている食事量を前に、既に全員が気が付いているだなんて思わないまま。

    「そういうワケでクロウ、よろしく」
    「いや待て、どうしてそうなる」

    セリーヌとデュバリィに足止めさせて始まる新旧Ⅶ組大会議。答えは出ているも同然だったが、それでも認識の擦り合わせが必要だと集まったのだが。驚く程分かりやすいリィンの事だ、擦り合わせる間でもなかったが。それが分かれば押し付ける先は一つしかない。フィーの直球な言葉にクロウは予想もしていなかった為狼狽えた。リィンは無自覚ではあるが彼に甘える。そしてクロウは彼が甘えてくる自覚はあれど甘えさせているという自覚はなかった。何も自分に持ってくることはないだろうに、それがクロウの言い分だがそれに呆れている様子もまた感じ取っている事もあって困っている。
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