そんなこんな、素敵な一日 ●
「閃、最終確認だ。わしが言ったことを復唱してみろ」
「連絡先は交換しないように。手加減はしなくていい。2試合連続は許可しない」
「よろしい」
ディメンションゲートの前、黄連と、こがねが丘高校のジャージ姿の閃が向かい合っている。
「菊葉支部長、ありがとうございます。僕の為にわざわざこんな」
礼を言う閃の言葉は既に喜色に満ちていた。今から遊びに行く子供のようだ。
「……まあ、うちしかUGNを知らん貴様には知見を広げるのにちょうど良いだろう。こちらとしても新設支部だからな、よその支部に顔見せと挨拶程度はしておきたい」
人脈は金脈に勝る。黄連の言葉に閃は「はい!」と頷いた。この支部長の秘書として相応しく努めねば、と決意を新たにする。
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