留守電が入っていたから嬉々としてかけ直すっちゃんサイドキックになってからはや数年。今回は大捕物だとやけにはりきる先輩は避難誘導くらいしかできなかったことにしょげていたけど、同じメンバーにあのダイナマがいるんだから無理だろと内心呆れた。
大・爆・殺・神ダイナマイト。学生時代から既に頭角を現していた彼は、俺の三歳年下だ。だが検挙数は俺と先輩と合わせても勝てないどころかトリプルスコアレベルで負けている。あの強個性とセンスの良さ、そして何より度胸がある。あれは強いし勝てる気がしない。
「……〜、〜〜」
「ん?」
後片付けの休憩で一服しようと喫煙所を探して歩いていたら、喫煙所の少し手前の路地裏から話し声が聞こえてきた。こんなところで何をしているのかと興味をひかれ、何の躊躇いもなくそこを覗いた。
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