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    ちはや

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    #2022夏のK暁ワンライ
    お題【夏祭り】【花火】ですけど、要素がな一つ拾えていない感じがしますね!!!今日も今日とて甘い二人。

    #2022夏のK暁ワンライ
    2022SummerKDawnOneRai

    かき氷のシロップって実は味は全部一緒なんですってね しゃくしゃくしゃくしゃく。遠く空に咲く光の花を眺めながら、暁人はスプーンストローで氷の山を崩していた。
    「お暁人様は、色気より食い気か。」
    「失礼な。花火だって見てるよ。」
     そう言いながら暁人は小さなスプーンで氷を掬い、一口、また一口と口へ運んでいく。よくまあ続けて食べられるものだな、と感心していたのも束の間。ぎゅ、と眉が寄り、額に手を当てる姿にKKは小さく吹き出した。
    「かき氷食って頭痛ェときは、デコ冷やすと良いらしいぞ。」
    「んん~~~。」
     KKのアドバイスに従い、暁人は汗をかいたプラスチックの器を額に当てた。少しは頭痛が引いたのか、和らいだ暁人の表情にKKはくつくつと笑いながら肩を揺らす。
    「……なんだよ。」
    「百面相してんなァって思っただけだよ。」
    「悪かったね。」
    「誰も悪いなんて言ってねェだろ。」
     紫煙を吐き出すKKと、拗ねた口調で口先を尖らせる暁人の顔を、花火の光が明るく照らし上げた。
    「みてみて。」
     べ、と暁人はKKへ舌を見せつける。変わってる?と無邪気に首を傾げる暁人をKKは見下ろした。タバコを携帯灰皿に押し付け、どれどれと身を屈める。
    「ンんっ!?」
     暁人の伸ばした舌を、KKはぱくりと口内へ招き入れる。ざり、と舌の表面をすり合わせ、溢れてきた唾液を飲み込み、舌先を吸ってやれば、しかめめっ面で頭痛と戦っていたとは思えないほど蕩けたものに変わっていく。
    「……赤ェな。」
    「……ちょっと。」
     唇が離れた頃には、暁人の顔は茹でダコのように真っ赤に染まっていた。暁人の眉がまた強く寄せられたが、その理由が先程までのものとは異なっていることをKKはよく知っていた。
    「おら、溶けるぞ。」
     くつくつと笑いながら、KKは暁人の手元を顎でしゃくる。スプーンを咥え、もごもごと不満を示す暁人を隣に、KKはまた一本タバコに火をつけたのだった。


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    りんご

    DONE人魚(マーメイド)は嫉妬の幻獣だそうです。
    前回ワンライのふたりの設定ですが、時系列は前後してる可能性あります。
    当日予定が入っているので先に作ってしまってます。(一応ワンアワー計ってますが、やっぱ無理でした;;)ごめんね!その分ちょっと容量多めなのでユルシテ
    鰭さえ焦がす炎で死を恋う『今回の依頼は何があっても私が行く!』と息巻いていた凛子さんが、まさかまさかの辞退。しかも名前を言ってはいけない例の感染症ゆえに絵梨佳ちゃんも動けず、急遽白羽の矢が立ったのは必然的だった。とりあえず必ずいるだろうものを準備していると、背後に音もなくKKが立つ。

    「オレも行く」

    簡潔かつ明確な一言で、僕は二重に驚いてひっくり返りそうになる。それなりに馴染んでいたはずの空気や存在が急にわからなくなるのはこんな時だ。逆光になった彼の瞳には光がない。だから、それがどんな感情を伴って告げられているのか、咄嗟に判断できなかった。

    「いいな、連れてけ」
    「えっと……うん ハイ」

    そんな感じで決まった急遽二人の出張行脚。僕は緊急事態だと言われたので詳細をあまり聞かずに頷いていた。少なくとも、KKはそれを分かっているようだった。結局僕らはどこに行くんだっけ。出来るだけ穏便に訊ねたつもりだったのに、これ見よがしに大きなため息を吐いたKKは、目線を逸らして小さく拗ねた。
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    32honeymoon

    TRAINING・先日アップした画像版に修正を加えて、今までとおなじ横書きにしました。前回読みにくかった皆様はよければこちらで。
    ・修正したのは暁人くんの心情描写が主です。まだKのことを好きになりかけてきたところで、信じる心と無くしてしまう不安の板挟みになっている雰囲気がちょっと出てないかなと感じたので、台詞回しを少し変えてみました。まあ内容は同じなので、再読頂かなくとも問題ないと思います…単なる自己満足。
    【明時の約束】「ねえ、KK。たとえば今、僕がこの右手を切り落としたとして、ーあんたの宿っているこの魂は、何処に宿るのかな」

    ー突然。自らの右手に在る、そのあたたかな光と靄のかかる手のひらに向かって、突拍子もないことを言い出したその体の持ち主に、KKは呆れたように何いってんだ、と返した。

    『ーオレの魂が宿る場所は、ココ、だろ。手を失ったとて、消えるわけがねえ。ああ、ただー大切なものが欠けちまったって言う事実に対して、クソみてえな後悔だけは、一生残るだろうな』

    気を抜いたままで容易に操れるその右手。ぶわりと深くなった靄を握り込むようにぐっと力を込めると、とんとん、と胸を軽くたたく。

    「後悔、?」
    『ああ、後悔だ』
    「どうして?これは、僕の体だ。例え使えなくなったとしても、あんたには何の影響も無い筈だよね。それとも、使い心地が悪くなったとでも文句を言う気?ーああごめん、言い過ぎたかも。…でも、そうだろ」
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