愛し愛され「これでも僕は真剣なんだよ。」
暁人は言った。
「僕だって男だから、KKに……その、抱かれるようになってからも。僕がKKを抱いてみたいってずっと思ってるんだ。」
モゴモゴと膨らんだ口内で言いづらそうに、けれども視線は真っ直ぐこちらへ向けながら暁人は言った。
「おーおー。わかったわかった。もう遅いんだ、オマエももう寝ろ。」
そんな暁人の頭を軽く撫で、引き寄せる。さした抵抗もなく、体勢を変えた暁人はすっぽりとオレの腕の中に収まってくれた。そして当たり前だと言わんばかりにオレの腰に暁人の腕が回される、閉じた足の間に暁人の足が差し込まれ、絡み合い、二人の間の隙間が埋まっていく。
「……誤魔化しただろ。」
「なんのことだか。」
まあいいけど、と不満そうな声を上げながらも、暁人の顔が俺の胸へ埋められた。流石に話題の変え方が下手くそだったか。だが今回は素直に引いてくれたようで、オレはほっと胸を撫で下ろす。
年上として、恋人として、オマエの願いはなんでも叶えてやりたいと思っている。だから禁煙だって努力してんだぜ?目下の目標である一日の本数を減らすことだって成功してんだ。これもオマエの「長生きしてね」なんて健気な願いを叶えるためだ。
でもな、暁人。オレにだって譲れないモンってのはある。例えば、酒は発泡酒じゃなくてビールがいいとか、セックスのポジションとかな。
「おやすみ暁人。」
「ん、おやすみ、けぇけ。」
これが不器用なオレなりのオマエの愛し方だ。な、暁人。わかってくれるだろ?だからこれからもオマエを愛させてくれ。ずっとずうっとな。