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    遭難者

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    遭難者

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    風呂桶川柳(←違います)をきっかけに‥‥
    四文字の方は成語風を装って店にしてみた(笑)

    #魔道祖師
    GrandmasterOfDemonicCultivation

    「お、はぶりがいいね~姑蘇桶店だね~!」

    「あら~素敵なお兄さん、姑蘇桶店ね~。こんなにたくさん買ってくれて~。」

    「ぃよっ!!姑蘇桶店!!女将~!ここのお客さん酒を五甕追加だよ~!!」


                 ************


    魏無羨、藍思追と買い出し中。


    魏無羨:「さっきから買い物してると『姑蘇桶店』『姑蘇桶店』って、なぁ思追‥‥『姑蘇桶店』ってなんだ?」

    藍思追:「え、魏先輩、知らないんですか?」

    魏無羨:「?」

    藍思追:「最近、巷で流行っている言葉ですよ、思いがけないくらいの量を買ってくれる羽振りのいいお客さんのことを『姑蘇桶店』って言うんです。」

    魏無羨:「それはだいたい予想がついてるんだけど、なんでそれが『姑蘇桶店』なんだ?」

    藍思追:「それは‥‥姑蘇で桶屋さんが儲かっているからですよ。」

    魏無羨:「なんで姑蘇の桶屋が?」

    藍思追:「え、魏先輩‥‥それ本気で言ってます?」

    魏無羨:「ただの桶屋だろ?何がそんなに儲かることがある?」

    藍思追:「‥‥‥魏先輩。姑蘇の桶屋さん‥‥風呂桶屋さんのお得意様は含光君です。」

    魏無羨:「‥‥。」

    藍思追:「姑蘇の風呂桶屋さん、あまりにも儲かっているのでとっても羽振りがよくなって‥‥、それがどんどん話が変化して大きくなって『売れないものまでたくさん買ってくれる大金持ちの桶屋が姑蘇にあるらしい』と商人達に広まってしまって‥‥、それでたくさん買ってくれるお客さんのことを『姑蘇桶店』って呼ぶんです。」

    魏無羨:「おぉ!!新しく出来た言葉ってわけか!!流石だな、俺は発明品だけでなく言葉まで生み出したってことか!!」

    藍思追:「その含光君のお使いは僕が行っています。」

    魏無羨:「あ、‥‥お手数おかけしております。」

    藍思追:「その風呂桶屋さん、とっても腕がいいんですよ。木材を吟味して水漏れしにくい物をぴったり隙間なく、しかも丈夫に仕上げてくれるんです。普通なら一生ものです。」

    魏無羨:「すいません。」

    藍思追:「風呂桶屋さん。私があまりにも何度も伺うものだから、最初は自分の腕が落ちたんじゃないかって落ち込んでしまったんですよ。」

    魏無羨:「申し訳ありません。」

    藍思追:「だから最初は名前を伏せていたんですけれど、実は風呂桶を使用してるのは含光君で‥‥その‥‥含光君は風呂でも修行していて、お宅の風呂桶でないともっと早く壊れてしまうので助かっていると伝えたら、いつのまにかお店に『藍家御用達』の札が張られてしまっていて…もともと腕がいいのもあって、大繁盛して今では大金持ちというわけで…」

    魏無羨:「おぉ!さすが商売人、抜かりないな!腕がいい店が繁盛したんだ、いい話じゃないか!!」

    藍思追:「魏先輩~そこじゃありませんよ。」

    魏無羨:「はい。あまり壊さないよう気を付けます。‥‥ん?ちょっと待て、壊してるのは俺じゃない!」

    藍思追:「残念ですが、同罪です!」

    魏無羨:「思追~~~。冷たい~!反抗期かぁ?思春期か?‥‥あ、ちょっと待て思追お前、風呂桶がどうして壊れてるのか知ってるのか?」

    藍思追:「えっ?!いや‥‥」

    魏無羨:「え?何、聞き耳たててたの?やだ~~思追、いやらし~~~!!」

    藍思追:「聞いていません!察しが付くじゃないですか!!」

    魏無羨:「察しってなんの??何、何?何想像したの??」

    藍思追:「魏先輩~~//////!!」

    魏無羨:「ははは!お前もまだまだだな!!‥‥‥あーーーそれでな、思追。」

    藍思追:「~~~~なんですか?」

    魏無羨:「実は今朝、壊した。」

    藍思追:「‥‥‥。」

    魏無羨:「‥‥‥。」

    藍思追:「‥‥帰りに風呂桶屋さんに寄ります。魏先輩も着いて来てくださいね。」

    魏無羨:「はい。」



    ちゃんちゃん。。。。。
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    🌸忘羨二次創作垢🌸

    MOURNINGまだ魏無羨は弟子たちを引きつれたまま帰ってこない。泊まり込みになると聞いてはいた。魏無羨が不在になってから二日目の午後、気づけば魏無羨の事ばかり考えている。なかなか家業に集中できずにいる自分に気づき、冷泉で少し頭を冷やそうと考えた。冷泉に体を落とし、心が落ち着いてもやはり頭に魏無羨がよぎる。あの笑顔を思いだすと、自然と胸がじんわりとあたたまる。愛しい。そう思った時、一つの旋律が藍忘機に流れた―――
    藍忘機の鼻歌「…~♪」
    魏無羨は耳を疑った。
    (まさか藍湛の…鼻歌?!)
    いてもたってもいられなくなった。彼は急いで服を脱ぎ、ザブンと冷泉に入る。

    * * *

    今回の夜狩りの監督は大変だった。新参者の姑蘇の弟子が複数いて、それぞれ腰を抜かしそうになったり手が震えるものがいたりしたのだ。
    「俺が14歳だったころはもっと男らしかったぞ」などとぼやきながら静室に戻ろうとしていたその時、
    曲がり角でばったりと藍思追と遭遇した。

    「魏先輩」
    「思追、どこにいくんだ?さっき帰ってきたばっかなんだからヘトヘトだろう。なんだその本の量」
    「夜狩りでの魏先輩を見ていたら、まだまだだなと思いまして」
    「それで、その量の本を今から読むのか?やめろやめろ。勉強なんて寝てからやれ」
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