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    sgm

    @sgm_md
    相模。思いついたネタ書き散らかし。
    ネタバレに配慮はしてません。
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    sgm

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    兄上誕としてTwitterに上げてた現代AU兄上おめでとう話。

    #曦澄
    #魔道祖師
    GrandmasterOfDemonicCultivation

    兄上誕2021 誕生日と言えば、弟や叔父から祝ってもらうのが主で、それももちろん嬉しいのだけれども特別誕生日に思い入れはなかった。生まれたことに生んでくれた母親に感謝はすれども幼い頃から誕生日を特段楽しみにしてはいなかった。特に成人になってからは前の一年に成し得たことを振り返り、これからの一年をどう過ごすべきかをぼんやりと考える日、程度だった。
     けれど、今年は生まれて初めて誕生日を恋人に祝ってもらうことになった。幸いなことに誕生日当日が金曜日であったために夕食を江澄ととり、その後も一緒にいられる。それだけで藍曦臣の心は浮足立ってしまう。
     誕生日当日は江澄がいろいろと計画をしてくれているらしく、貴方は普段通りに仕事をし、連絡を待っていろとだけ言われた。何を計画してくれているのかそれを考えるだけでも心が暖かくなるし、わくわくとしてくるし、顔がにやけてしまう。
     食事をした後はどうするのだろう。週末は予定を入れるなと言われているから予定は入れていない。どこか遠出をするのだろうか。その割に遠出が出来る用意をしておけ、とは言われていない。江澄の性格からあまり突拍子のないことはしないと思うので、そのまま着の身着のままでどこかに遠出することはないだろう。となると、江澄の部屋か自分の部屋に来ることになるのではないだろうか。もしも明日江澄がこの部屋に来てくれるのであれば、少しでも綺麗にしておいた方がよいだろうか。
     藍曦臣は壁に掛けた時計を確認した。時間は夜の二十三時を過ぎている。掃除機をかけて良いような時間ではない。第一、藍曦臣が仕事に行っている間に自動掃除機が掃除をしてくれているから床にごみは落ちていなかった。それでも落ち着かなくて藍曦臣はそわそわとしながら部屋の美観を損ねないようにと木製のケースにしまわれたカーペットクリーナーを取り出し床の上をコロコロと滑らせた。
     コロコロコロコロと転がしながらやはり考えることは明日のことで。
     別になにも欲しいものはなかった。幸いにと言うべきか、藍曦臣はそれなりの規模の財閥の長でもあるし、これまた幸いなことに自分が始めた事業も軌道に乗っていてお金で買えるものであれば欲しければ自分で買うことができる。ついでに言えば性格的なものなのか江澄から何かものをもらうよりは、自分があげたい側だ。しかし残念ながら江澄の方は物を貰うのはあまり好きではないようで、なかなか何かをあげる機会がない。一度お揃いの指輪をプレゼントしたけれど、身に着けてくれたのを見たことがない。大事に寝室に飾ってあるのは知ってはいるけれども。
     物はいらないけれども、例えば送った指輪とか。時計とか。身に着けることができるお揃いの物を江澄が毎日身に着けてくれればそれが誕生日プレゼントになるのだけれども。
     そんなことを考えながらやはりコロコロコロコロとカーペットクリーナーを端から端まで転がして、一枚はがす。今度はソファの上を転がした。
     日付もそろそろ変わりそうな時間で、これと言った予定もないのだから早く寝るべきなのだ。普段であれば風呂も入り終わってとっくにベッドに潜り込んでいる時間だとは藍曦臣も十二分に理解していたが、何となくまだ眠る気になれない。そわそわと時計を見るとあと10分で日付が変わる。もしかしたら日付が変わるタイミングで江澄がメールか電話をくれるかもしれない。そう思うと、寝るに寝れない。
     ソファの上も綺麗にし、クッションも綺麗になれべてついでにローテーブルの上に広げた本も片付ける。これで明日江澄が家に来てくれても問題ない状態になった。
     スマートフォンを手に取りメッセージアプリをタップして、江澄との会話を表示する。江澄が送って来たメッセージを指でするすると撫でていると、画面上に表示されている時計が「0:00」になった。ピコンと新しい吹き出しが表示される。
    「誕生日おめでとう」
     何の飾りもないその一言に、藍曦臣は口角が上がった。起きていてよかった。ふふ、と小さく笑って返事を書こうと思ったら、すぐに既読になったことに気が付いたのか呼び出し音が鳴った。藍曦臣は慌てて通話ボタンを押した。
    「もしもし?」
    『なんだ。あなた起きていたのか? 誕生日おめでとう』
    「ふふ。ありがとうございます。もしかしたら阿澄からメッセージでも来るかな? と思って」
     通話口の向こうで江澄が小さく笑った声が聞こえる。日付が変わった途端、自分の誕生日に初めてもらうメッセージと、初めて聞く声が恋人のものであるというのはなんと嬉しいものなのか。ふわふわとした心持ちでいると、カツン、と江澄の足音が響いた。てっきり家からかけてきているのだと思っていたが、どうやら外にいるようだった。
    「阿澄、もしかして今仕事の帰りですか? どこにいるの? 車出します」
     冬ほど寒くはないにしろ、それなりに夜は寒い。もしかして明日、自分の誕生日のために出社して残業をしたのだろうか。それは申し訳ない。藍曦臣はソファから立ち上がり、ソファの背もたれにかけておいたカーディガンを手に取ると、玄関へと向かった。
    『いいや。仕事の帰りじゃない。車も出す必要はないから大丈夫だ』
    「え、でも外、ですよね?」
    『外は外だな。あぁ、着いた。藍渙。今俺がどこにいるか当てられたらあなたにご褒美をやろう』
    「え? どこ……って」
     電話の向こうの江澄は随分と楽しそうだ。音だけでどこにいるかなんてわからない。二人の思い出の場所だろうか。でもそんなところに江澄がこんな時間に行くわけがない。うんうんと唸っていると、笑い声とともに「時間切れだ」と言葉が聞こえてくる。
    『答え、知りたいか?』
    「知りたいよ。できることなら私もそこに行きたい」
    『あなたの部屋の前だ』
     騒がしくインタホンが連打される。電話の向こうからも、インタホンの音が聞こえ、藍曦臣は慌てて玄関の扉を開けた。
     だが、そこには誰もいない。え、ときょろきょろとしていると、鉄の扉の向こうからスマートフォンを耳に充てた江澄がにんまりと悪い笑みを浮かべながら現れた。隠れていたのだ。
    「酷い!」
     中に招き入れ、鍵とチェーンを締めながら思わず軽く睨みつけるが、ついつい目の前に江澄がいることに口元が緩んでしまう。
    「はは。驚いただろう?」
    「えぇ、すごく」
    「サプライズ成功だな」
     してやったりと言った体の江澄はすたすたと中に入り、ソファの上にどかりと腰掛けた。藍曦臣も江澄の隣に座る。
    「このために、来てくれたんですか?」
    「貴方の誕生日プレゼント、何がいいか色々と考えたんだがな。欲しいものはないというし、俺が買えるようなものは貴方も当然買える。合鍵も渡してしまったし、他に何が一番喜ぶかと考えたら、物はなにも思い浮かばなかったんだ。だから、俺の十月八日から十月十日の三日間を全て貴方にやろうと思って」
     膝の上に肘を置いて両手を組み、組んだ手の上に顎を乗せて江澄が上目遣いで藍曦臣の顔を見た。その手の右手の薬指には、プレゼントしたけれども身に着けたところを一度も見たことがなかった、お揃いの指輪が嵌められている。
     欲しいものが全て目の前に提示された状態だ。誕生日に初めて目にするメッセージ。初めての電話。初めて聞く声。そして初めて会った人。それが全て江澄で、しかも今日から三日間江澄の時間は自分のものになるのだ。どんなに金銭を積んでも江澄が頷かなければ手に入らない三日間だ。それに何より、指輪を嵌めてくれている。ほんの何分か前に一番欲しいものと思い描いていた誕生日プレゼントではないか。
     感動で小さく震えていると、江澄が不安そうな顔をした。
    「あー……一応物も用意はしたけどな?」
    「すごく、嬉しいです」
     大きく両腕を開き、思い切り江澄を抱きしめ、そのままソファに倒れこんだ。ぎゅうぎゅうと力を籠めると腕の中から、「痛い」「緩めろ」なんて声が聞こえたが、それを無視して、江澄の額、瞼、頬、鼻に口づけ、最後に唇を重ねる。軽く唇を合わせるだけの口づけを交わして、ことんと額同士を合わせた。
    「貴方の三日間を本当に全て私にくれるの? 明日の仕事は?」
    「休みを取った。あなたは仕事をしろよ?」
    「貴方の計画が楽しみで楽しみで仕方がなくて、実はバースディ休暇を取っていたんです」
    「なんだ、遠足前の子どもか。貴方は」
     おかしそうに笑う江澄の鼻をかぶりと噛む。
    「どんなお願いごとも聞いてくれるの?」
    「誰もいうことを聞くなんて言ってないだろう。まぁ、ちょっとぐらいのわがままなら聞いてやる。一日ぐらい貴方もわがままを言っていい。無理のない範囲でかなえてやる」
    「じゃあ、一緒に住みましょう。夜が明けたら貴方の部屋に行って荷物全部運び込みましょう。そして部屋も引き払いましょう」
    「それはわがまますぎるだろう」
    「ここは二人で住むには狭いかな? うん新しい部屋を探しに行こうか」
    「だから、少しは落ち着け。貴方浮かれているのか?」
    「当たり前ですよ。こんなに嬉しい誕生日は初めてだ」
    「貴方が嬉しいと、俺も……嬉しい。が、同居については一旦保留だな」
     照れて笑いながら、江澄が藍曦臣の左頬を撫でてきた。藍曦臣はその手を取り、自分の指を絡めるようにして手を繋ぐと、綺麗な弧を描いている唇に改めて自分の唇を重ねた。これから先の三日間のことを思い描きながら、つるりと入り込んで来た熱い舌に自分の舌を絡めた。
     
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    sgm

    DONE去年の交流会でP4P予定してるよーなんて言ってて全然終わってなかったなれそめ曦澄。
    Pixivにも上げてる前半部分です。
    後半は此方:https://poipiku.com/1863633/6085288.html
    読みにくければシブでもどうぞ。
    https://www.pixiv.net/novel/series/7892519
    追憶相相 前編

    「何をぼんやりしていたんだ!」
     じくじくと痛む左腕を抑えながら藍曦臣はまるで他人事かのように自分の胸倉を掴む男の顔を見つめた。
     眉間に深く皺を刻み、元来杏仁型をしているはずの瞳が鋭く尖り藍曦臣をきつく睨みつけてくる。毛を逆立てて怒る様がまるで猫のようだと思ってしまった。
     怒気を隠しもせずあからさまに自分を睨みつけてくる人間は今までにいただろうかと頭の片隅で考える。あの日、あの時、あの場所で、自らの手で命を奪った金光瑶でさえこんなにも怒りをぶつけてくることはなかった。
     胸倉を掴んでいる右手の人差し指にはめられた紫色の指輪が持ち主の怒気に呼応するかのようにパチパチと小さな閃光を走らせる。美しい光に思わず目を奪われていると、舌打ちの音とともに胸倉を乱暴に解放された。勢いに従い二歩ほど下がり、よろよろとそのまま後ろにあった牀榻に腰掛ける。今にも崩れそうな古びた牀榻はギシリと大きな悲鳴を上げた。
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    sgm

    DONE江澄誕としてTwitterに上げていた江澄誕生日おめでとう話
    江澄誕 2021 藍曦臣が蓮花塢の岬に降り立つと蓮花塢周辺は祭りかのように賑わっていた。
     常日頃から活気に溢れ賑やかな場所ではあるのだが、至るところに店が出され山査子飴に飴細工。湯気を出す饅頭に甘豆羹。藍曦臣が食べたことのない物を売っている店もある。一体何の祝い事なのだろうか。今日訪ねると連絡を入れた時、江澄からは特に何も言われていない。忙しくないと良いのだけれどと思いながら周囲の景色を楽しみつつゆっくりと蓮花塢へと歩みを進めた。
     商人の一団が江氏への売り込みのためにか荷台に荷を積んだ馬車を曳いて大門を通っていくのが目に見えた。商人以外にも住民たちだろうか。何やら荷物を手に抱えて大門を通っていく。さらに藍曦臣の横を両手に花や果物を抱えた子どもたちと野菜が入った籠を口に銜えた犬が通りすぎて、やはり大門へと吸い込まれていった。きゃっきゃと随分楽しげな様子だ。駆けていく子どもたちの背を見送りながら彼らに続いてゆっくりと藍曦臣も大門を通った。大門の先、修練場には長蛇の列が出来ていた。先ほどの子どもたちもその列の最後尾に並んでいる。皆が皆、手に何かを抱えていた。列の先には江澄の姿が見える。江澄に手にしていたものを渡し一言二言会話をしてその場を立ち去るようだった。江澄は受け取った物を後ろに控えた門弟に渡し、門弟の隣に立っている主管は何やら帳簿を付けていた。
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    PROGRESS恋綴3-2(旧続々長編曦澄)
    転んでもただでは起きない兄上
     その日は各々の牀榻で休んだ。
     締め切った帳子の向こう、衝立のさらに向こう側で藍曦臣は眠っている。
     暗闇の中で江澄は何度も寝返りを打った。
     いつかの夜も、藍曦臣が隣にいてくれればいいのに、と思った。せっかく同じ部屋に泊まっているのに、今晩も同じことを思う。
     けれど彼を拒否した身で、一緒に寝てくれと願うことはできなかった。
     もう、一時は経っただろうか。
     藍曦臣は眠っただろうか。
     江澄はそろりと帳子を引いた。
    「藍渙」
     小声で呼ぶが返事はない。この分なら大丈夫そうだ。
     牀榻を抜け出して、衝立を越え、藍曦臣の休んでいる牀榻の前に立つ。さすがに帳子を開けることはできずに、その場に座り込む。
     行儀は悪いが誰かが見ているわけではない。
     牀榻の支柱に頭を預けて耳をすませば、藍曦臣の気配を感じ取れた。
     明日別れれば、清談会が終わるまで会うことは叶わないだろう。藍宗主は多忙を極めるだろうし、そこまでとはいかずとも江宗主としての自分も、常よりは忙しくなる。
     江澄は己の肩を両手で抱きしめた。
     夏の夜だ。寒いわけではない。
     藍渙、と声を出さずに呼ぶ。抱きしめられた感触を思い出す。 3050

    takami180

    PROGRESS恋綴3-5(旧続々長編曦澄)
    月はまだ出ない夜
     一度、二度、三度と、触れ合うたびに口付けは深くなった。
     江澄は藍曦臣の衣の背を握りしめた。
     差し込まれた舌に、自分の舌をからませる。
     いつも翻弄されてばかりだが、今日はそれでは足りない。自然に体が動いていた。
     藍曦臣の腕に力がこもる。
     口を吸いあいながら、江澄は押されるままに後退った。
     とん、と背中に壁が触れた。そういえばここは戸口であった。
    「んんっ」
     気を削ぐな、とでも言うように舌を吸われた。
     全身で壁に押し付けられて動けない。
    「ら、藍渙」
    「江澄、あなたに触れたい」
     藍曦臣は返事を待たずに江澄の耳に唇をつけた。耳殻の溝にそって舌が這う。
     江澄が身をすくませても、衣を引っ張っても、彼はやめようとはしない。
     そのうちに舌は首筋を下りて、鎖骨に至る。
     江澄は「待ってくれ」の一言が言えずに歯を食いしばった。
     止めれば止まってくれるだろう。しかし、二度目だ。落胆させるに決まっている。しかし、止めなければ胸を開かれる。そうしたら傷が明らかになる。
     選べなかった。どちらにしても悪い結果にしかならない。
     ところが、藍曦臣は喉元に顔をうめたまま、そこで止まった。
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    takami180

    PROGRESS長編曦澄17
    兄上、頑丈(いったん終わり)
     江澄は目を剥いた。
     視線の先には牀榻に身を起こす、藍曦臣がいた。彼は背中を強打し、一昼夜寝たきりだったのに。
    「何をしている!」
     江澄は鋭い声を飛ばした。ずかずかと房室に入り、傍の小円卓に水差しを置いた。
    「晩吟……」
    「あなたは怪我人なんだぞ、勝手に動くな」
     かくいう江澄もまだ左手を吊ったままだ。負傷した者は他にもいたが、大怪我を負ったのは藍曦臣と江澄だけである。
     魏無羨と藍忘機は、二人を宿の二階から動かさないことを決めた。各世家の総意でもある。
     今も、江澄がただ水を取りに行っただけで、早く戻れと追い立てられた。
    「とりあえず、水を」
     藍曦臣の手が江澄の腕をつかんだ。なにごとかと振り返ると、藍曦臣は涙を浮かべていた。
    「ど、どうした」
    「怪我はありませんでしたか」
    「見ての通りだ。もう左腕も痛みはない」
     江澄は呆れた。どう見ても藍曦臣のほうがひどい怪我だというのに、真っ先に尋ねることがそれか。
    「よかった、あなたをお守りできて」
     藍曦臣は目を細めた。その拍子に目尻から涙が流れ落ちる。
     江澄は眉間にしわを寄せた。
    「おかげさまで、俺は無事だったが。しかし、あなたがそ 1337

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