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    Y95880375

    @Y95880375のポイピクです。
    文章が上げられるようになったみたいなので、なにか上げられたらな、と思います。

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    Y95880375

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    降風ワンドロ「別」
    中華まんを半分こする2人。

    #降風
    (fallOf)Wind

    【半分この中華まん】※ほのぼの時空


    「降谷さん! お待たせしました!」
     昼間。公園での待ち合わせ。
     『昼食買ってきますね!』と電話越しで言っていた風見をベンチで待っていると、エコバッグを持った風見が笑顔で駆け寄ってきた。
    「これ降谷さんの分です!」
     と言って差し出された弁当を受け取る。僕の嗜好をよく理解した風見は、焼き魚が入った弁当とサラダを買ってきてくれたようだ。
    「ありがとう」
    「どういたしまして!」
     風見も自分のミートソースパスタ弁当を取りだして僕の隣に座った。しかし二人の間に置かれたエコバッグはペタンコにはなっておらず、まだ中に何か入っている。……デザートか?
     じと……っとした目で風見を見ると、風見は「後のお楽しみですよ!」と嬉しそうに笑うので、僕は「」と喉を詰まらせながら弁当の蓋を開けた。

     仕事の話を交えながら弁当を食べ終えた後、さあ待ってましたと言わんばかりに風見がエコバッグを手に取った。
     ゴソゴソと取り出したのはナイロンの袋で、その中に丸いものが二つ入っている。
    「本当は直ぐに食べた方が美味しいんですけど、デザートはやっぱり最後かなって」
     そう言って差し出されたものを受け取れば、それは少し温くなっているが、丸くてふかふかな中華まんだった。……久しぶりだな、こういうの。
     しかしどうやら風見のものとは中身が違うようで、中華まんについている紙の色が違う。
    「降谷さんの方が特選豚まんで、僕の方が餃子まんですよ!」
     ニコニコと笑ってそういった風見は、おもむろに餃子マンを二つに割った。そしてその片方をこちらに差し出してくる。
    「?」
    「半分こしましょう!」
     そう言われて、何となく理解した。風見は両方を味わいたいのだ。だから別の味の中華まんを二つ買って僕とシェアする事でそれを叶えようとしている。
     なんと言うか、上司をダシにしてそういう事をやってしまうところがまた可愛らしいというかなんと言うか。
    「なるほど」
     僕は風見の言う通りに豚まんを二つに割った。そして、気持ち大きめの方を風見に渡す。
    「ふふ。こうやって半分こするのなんて学生の時以来ですよ!」
     ルンルンと豚まんから口をつけた風見はとても満足そうだ。
     しかし、部下といる時も中華まんを買うことは多々あったのではないかと思うのだが、シェアしなかったのだろうか?
    「部下とはシェアしないのか?」
    「何がです?」
    「中華まんだよ。部下と一緒に食べる機会もあっただろう」
     そういうと、風見は「あー……」と少し言いにくそうに頬をかいた。
    「いやなんというか、部下とは半分こしないですよ」
     半分こ……。
    「何でだ?」
    「だって僕は上司なんですよ? なのに部下に『中華まん半分こしよう!』と言うのはなんか……気持ち悪がられたりウザがられたりしたら嫌じゃないですか」
    「君の部下はそんな事で君をそんなふうに思わないと思うが……。だったら僕は?」
    「降谷さんは僕の上司ですし! 可愛い部下のお願いは聞いてくれる人なので!!」
    「んっ」
     自分で言うか、可愛いって。まあ確かにそうなのだが。
    「嫌でしたか?」
    「そんなことは無いよ。これからもこうして会う時は二つ買ってくるといい。……いや、僕が買ってくるよ」
    「ホントですか!? やったー!」
     風見はパッと顔を明るくさせると、今度は餃子まんに口を付ける。
     こんなことで喜ぶなんて安い男だな、と思いつつも、それは悪い意味ではない。とても好感が持てる事だ。

     もう既に、風見への好感度なんて振り切れてしまっているけれど。
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    Y95880375

    DONE降風ワンドロ「お風呂」
    簡単な手作り品を作ったので、それを降谷さんにプレゼントしようとする風見さん。
    ※降谷さん出番無し

    ※タップしてお読みください。

    ウェブボも嬉しいです!
    https://wavebox.me/wave/c114grcrpwv58e24/
    【何でもない日のプレゼント】 人間、暇が極まると何をするか分からない。

    「いっぱい作っちゃったな……」
     目の前に広がるのは、二十を超える数の白い塊。
     百円ショップで買ったシリコン製の方で作られたそれらは、可愛らしくも星の形をしている。
     暇人の閃。暇人の遊び。
     僕はたった今まで、夢中で手作り入浴剤を作っていたのである。
     非番というのは、日々怒涛のように働いている僕には少し持て余すものである。
     ヨーコさんの円盤を見るのも良いが、たまには別の趣味でも探してみようかと検索してみた結果、手頃な材料で簡単に出来るという入浴剤を作ってみたのだ。材料はシリコン型以外は全てドラッグストアで買えた。
     手作り入浴剤は重曹、クエン酸、片栗粉を霧吹きの水を吹きかけながら混ぜて型に入れて固めれば完成だ。乾燥に一日ほどかかるから、さっき作ったこれらはまだ完成と言えないかもしれないが、あとは放置すれば完成なので完成ということにしておこう。
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