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    sangatu_tt5

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    しょ〜えん探占

    #探占
    divination

    ある日の試合で、🔮と仲良くダウン放置させられていた🧲
    血が抜けていくにつれてだんだんと意識が遠のく。その中で走馬灯のようなものなのだろう。🧲は夢を見た。
    荘園から出た後の夢。
    支給されたお金を使って、今までしたことが無いくらいに遊ぶ。働きもせず、海を見て、美味しいものを食べる。その自分の隣には🔮が居て、幸せそうに笑っている。
    🔮と身体は繋げていた。それでもそれは気持ちが良いからで情などない。そう思っていたのに、自分の抱いた未来には🔮が居て、そう暮らしたいと思った。目を覚ませば隣で倒れている🔮は目を閉じ、こくりと力が抜け落ちている。正しく死体。
    その様子に🧲は恐怖する。
    死なないで欲しい、置いてかないで欲しいと思いながら、🔮に手を伸ばすが、自分の身体も既に動かない。
    指先が🔮を少し掠めたがそのまま力が抜け、目の前が真っ暗になる。
    再び目を覚ませば、自分はベッドの上にいた。真っ白い布団に消毒の匂い。
    試合が終われば自室に戻されるのに珍しいと傷が修復されず残った身体を無理やり起こす。
    荘園で時折起こる不具合かなにかか……と考えながら、横を向けば、青白い顔で眠る🔮がいた。
    ベッドから転がり落ちるように出て、🧲は🔮の口に手を当てる。すぅっと小さく呼吸する音とこぼれる呼吸を感じた。
    安堵のため息が🧲の口から漏れると共に、身体の力が抜ける。
    🔮のベッドに両手を起きその上に頭を乗せながら、地面に尻をつけた。
    「良かった……」
    小さく無意識に溢れ出た言葉は🧲の本心で、まう事なく思ったことだった。良かった、良かった……と口から際限なく溢れ出たそれと同時に涙が落ちた。
    あぁ、良かった……と思っていれば、🧲の頭に何かが触れる。ぱっと顔をあげれば、🔮が目を覚まし、🧲の頭を撫でていた。
    「ぁっ……泣いていたんだ……どうしたんだい?」
    どうしたもこうもあるか!と思いながら言葉が出てこない。困ったように眉を下げる🔮に腹が立ってくる。
    べしりと起き上がろうとする🔮の頭を平手で叩いてもう一度ベッドに寝かせる。
    「なんでもないよ!」と言えば、🔮が泣いているのに?と聞いてくるからさらに腹が立つ。
    おろおろとこちらを見上げてくる🔮の枕の傍に手をついて、覆い被されば真っ青な🔮の瞳が視界いっぱいに広がる。
    🧲「僕より先に死なないでね」
    🔮に聞こえるか分からない程度の小さな声で言ったそれはしっかりと🔮に届いたらしい。
    耳まで真っ赤に染めた🔮をみて少しすっきりした。
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    sangatu_tt5

    MEMOこいぬちゃんぐさんの月蝕の元ネタだったやつ
    血族に売り飛ばされた🔮のるろ月(探占)
    売られてなどいない。自分で来たのだと言い聞かせる。
    愛しいあの子よりも自分が犠牲になる方がマシだと脳の中で繰り返す。

    🔮の住む集落の近くには血族の住まう森があった。不干渉。互いに見て見ぬふりをすることで薄氷の上を歩くような危うい均衡を保っていた。
    しかし、それは血族の気まぐれによってあっさりと瓦解した。
    血族の要求は簡単だった。村の中から誰でもいい。男でも女でも構わない。ただ、若者の方が良いが、生贄を出せ。
    身体を作り替えて、餌として飼う。
    もし出さないようであれば、ここに住まうものを皆殺す。
    理不尽な要求に村人は頭を抱え、村で1番美人な娘という意見が出たが、その女は村で1番の権力をもつ者の娘だった。
    娘を出す訳には行かない父親は、娘の恋人に白羽を立てた。
    親族のいない🔮は都合が良かったのだ。誰もが同意し、🔮は着たことのないほど豪奢な、まるで花嫁衣装のような白い服を着せられ、追い出された。
    血族の餌になる恐怖と見捨てられた悲しみ。🔮は震える手を祈るように握りしめて、古く草臥れた館の中に入る。
    🔮「…ご、めん下さい。要求の通り、参りました。」
    震える声で呼びかけるが、しんっと 1738