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    sangatu_tt5

    @sangatu_tt5

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    sangatu_tt5

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    水兵🤕と人形🔮

    水兵ナブが人魚のイさんを拾って、家に持ち帰ってしまう傭占
    浜辺に打ち上げられて、芋虫のように海に戻ろうとするイを見かけたナブ。美しい白い尾びれに連なる鱗。ズレた金の仮面から覗く美しい水色の瞳に恋をして、小さな人魚を抱えて、ナブは自宅へと連れて帰る。
    抵抗する人魚の身体はナブの体温で火傷を負ってしまい赤く染っていた。きゅうきゅうと泣く人魚にナブは困った顔をしながら、風呂に水を貯めて漬けてやる。しかし、海水ではないその水に人魚は不機嫌そうに顔をゆがめて、パシャリと尾びれで水を弾き、ナブにかけてきた。
    びっしょりと濡れた自分の服に眉を下げたナブだったが、不機嫌そうに口からピュウっと水を吐き出した人魚の攻撃を受け止めながら、白魚のように美しい彼の手をにぎり、「一目惚れなんだ、ごめんなぁ。一緒にいてくれよ」と声をかける。
    人魚は言葉を分かっているのかいないのか分からない顔で、再びナブに水を吐きかけた。
    ナブはそれにすら笑って、好きだよと言葉を紡ぎ、人魚に買ってきた魚を与えた。
    二日三日とかともに過ごすうちに人魚はナブに少しずつ心を開いてくれる。ナブの手から魚を食べ、ナブが贈るくちづけを受けとめ、舌を絡めた。しかし、淡水で暮らせぬ海の人魚は弱っていく一方で、夜になれば彼は海に向かって、きゅうきゅうと鳴き声をあげる。
    ナブが触れた場所すべてが火傷跡のままで、不老不死と呼ばれる人魚とはおもえぬ姿。最初にみた真っ白な美しい人魚の姿はもうそこにはない。どんな姿であろうとナブはイを愛している。
    しかし、その姿は彼にとって幸せには見えなかった。自分のエゴにより、これ以上人魚が苦しい思いをするのは間違っているとナブは泣く泣く彼を海に返すことに決めた。
    服に包み、直に触れないようにしながら、ナブはイを抱きかかえる。海に尾びれをつけてやれば、彼はナブの手を振り払って海へと飛び込んだ。
    あぁ、なんと寂しいこと。ナブの愛は彼に届かなかったのだと楽しそうに泳ぐ人魚の姿にナブは涙を滲ませた。泳ぐ人魚に着いていくように、ナブも腹あたりまで海につかれば、人魚はナブの周りをくるくると泳ぐ。彼の皮膚はまた美しい白に戻っていた。
    水面から顔を出した人魚はナブに満面の笑みを向けて、ナブの手を掴んだ。そうして、ばしゃりっと音を立ててナブを水底へと誘う。
    こぽこぽの水泡が上へ上へと登り、月明かりが美しくそれを照らす。息が苦しくなるたびに人魚がくちづけで酸素を与えてくれる。この時が永遠に続けばいいのにとナブは目の前にある人魚の顔にふたたび恋をする。はくりはくりと動く人魚の口は気のせいでなければ、「すきだよ」と囁いている。
    ナブが地上に上がることは二度となかった。
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    kawauso_gtgt

    MOURNING土竜とやこうふくろうの探占「……! ノー、」
    扉の隙間から覗く部屋の主にの姿を前にして、イライはその名を呼ぶことはできなかった。
    「……」
    積み重なる書類に、険しい表情。時折眉間に寄った皺を揉みほぐしながら空いている手は書類の上を滑っていく。彼が遊んでいるのではない、というのは一目瞭然だった。
    イライとてノートンがこなすべき仕事を全うしているだけだというのは十分に理解している。それを自分が邪魔していい道理があるはずもないということも。それでも、やはり。自分を見つけてくれた唯一の存在を、欲してしまうのはいけないことなのだろうか。イライにはまだ、分からなかった。ずるずると扉の前でしゃがみ込む。布越しに伝わる床の冷たさに小さく身震いをして、両膝に顔を埋めた。
    「つまらない、な……」
    力ない声が唇から溢れ落ちる。薄暗い廊下の果て、それは誰に届くこともなく静かに消えて見えなくなった。
    ***
    「……嗚呼、もうこんな時間か」
    ふっと沈んでいた意識が浮上する。まさか自分ともあろうものが意識を飛ばしていたとは。知らずのうちに無理をしていたのかもしれない。残りは明日でも構わないだろう。暖炉の火もほとんど勢いをなくしてすっかり冷 1029

    sangatu_tt5

    MEMO失顔症の✂️と🔮のリ占✂️は人の顔が認識できない。それは画家が出来なかったのではなく✂️が主人格になると出来なくなる。鯖もハンターも服装で認識しており新衣装などが増える度に必死でインプットする
    🔮も🤕と目隠し布がなければ見分けがつかない時がある程だった。
    しかし、ある月の綺麗な日から🔮と満月の夜に酒を飲むことになった。初めはただの興味と場の流れで呑んでいたが段々とこの日が来るのが楽しみになり、🔮と会い話すことを心待ちにするようになった。
    白🌂から貰った酒が強かったためか✂️は🔮への恋心にも満たない感情を漏らす。
    男同士、婚約者もいる男、しかも互いの顔すら知らないのにと✂️は断られ、二度と酒を酌み交わせないと嘆くが、🔮の返事はYesだった。✂️は有頂天になり、いつもよりも鼻歌を多く歌いながらハンター居住区と鯖居住区の境になる湖まで散歩をすれば、紺の服を着た茶色い短髪の男が水浴びをしていた。暑そうな服をたくし上げ、脚だけいれ、水をパシャパシャと飛ばしながら楽しそうに笑っている。
    初めて✂️は他人の顔を認識した。
    凛々しい眉にサファイアのような青く輝く力強い瞳が魅力的だった。胸が高鳴り、赤い実が 2129

    sangatu_tt5

    MEMOモグ🧲と結晶になる🌙🔮のモグ月/探占何かしらのタイミングで予知能力があり、一定年齢に達すると肉体が結晶化する🔮を見つけた🧲
    全身が結晶化する直前の予知は100%当たると言われているため、予知のパフォーマンス後結晶化した肉体を売ろうと囲いこみ、最低限の暮らしをさせるつもりが「そんなでは綺麗な結晶になれない」と言われて、渋々🔮を丁寧に扱うことになる。
    🔮自身は結晶化するのは運命なので、結晶化した後、売られることもあまり気にしてはいないが、ずっと人里離れた山奥で暮らしていたため🧲を利用して色んな景色が見たいと行動する。
    仕事!金!のみで生きてきた🧲は🔮に付き合って無駄な時間と人間らしい生活を取り戻していく。
    朝起きれば「おはよう」といわれ、食事が用意され、陽の光の元を歩き、見ても金にならない景色を眺める。
    そうやって半年程暮らせば情もわく。
    🧲がたまたま🤹‍♂️にサーカスのチケットを貰ったため、きっと🔮なら喜ぶだろうと誘えば、珍しく🔮は断った。
    どうかしたの?と問えば、良かったねと返ってくる。
    🔮「結晶化が始まったみたいだよ、オークションの準備をしなきゃね?」
    🔮の指先が氷のように冷たく、硬くなってい 1844

    kawauso_gtgt

    PROGRESSモグ束(おか束+モグ月前提&おか、月は故人)
    モグに惹かれてる事実とおかのことを自分だけは忘れちゃいけない罪悪感に苛まれて限界な束が爆発する話を書きたかった。拗らせすれ違い両片想いが好きすぎた。

    あとおかが死んだと頑なに認めない束に事実を突きつける土竜が書きたかったなどと供述しており…
    真っ暗な部屋が好きだった。
    此処にいれば誰にも痛いことをされたりしないし、理不尽に怒りをぶつけてくるような人もいない。点々と、少しだけ空いた隙間から差し込む光はまるで、いつか絵本の中で見たオホシサマのようで。閉ざされた世界を照らしてくれるそこは、いつだってイライの心の拠り所だった。
    冷たい床に転がって、暗い夜の海に意識を遊ばせていると、フードに覆い隠された耳がよく聞き慣れた足音を捉える。軽やかな足音は一歩、一歩と近づいてくると、イライのいる部屋の前でぴたりと止まった。かちゃりと開いた扉へと視線を投げると、何事もなかったかのようにイライはもう一度天井を眺める。
    扉が閉まると同時、近づいてきた影が上からイライを覗き込んで、それから数秒。地面に横になったイライの隣に、影が蹲み込む。鼓膜を震わせる声は、すっかり聞き慣れたあの子の声だった。
    「やっぱり此処にいた」
    「……どうして分かったの?」
    イライが首を傾げるのも当然のことだ。だって此処は院内の誰も知らない筈の場所。否、もしかすると気付いている人間もいるのかもしれないが少なくともイライが自らこの場所を誰かに明かしたことはない。誰も知らない、自 3152