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    こういう推理しない探偵パロ書きたい
    シャーロックホームズみたいなはちゃめちゃな探偵でんきと冷静で頭いい助手のとどくんのとどかみ

    #とどかみ

    #探偵パロ

    家族からの呼び出しを終えて雄英街のアパートに戻ると、221Bの扉を開く。念入りに鍵をかけている後ろから階段を一つ上がったあたりキッチンスペースから騒がしい声が聞こえる。
    「わかったから早く服を着てよ!」
    「でも先にスクランブルエッグを食べないとやる気が出ない」
    「シーツ巻く元気があるならシャツ着るくらい出来るでしょう!?」
    「緑谷、塩は三つまみ、胡椒は二回しでっていつも言ってるだろー?」
    「パンツ履かない人に食べさせるご飯はないよ!」
    「轟が服全部隠したから着るものがない」
     相変わらずの大騒ぎにため息を一つこぼして、軋む階段を登るとシーツ一枚を体に巻きつけて調理する緑谷の邪魔をするようにのし掛かる上鳴の姿にこめかみを押さえる。
    たった二時間家を空けるだけでこの大騒ぎでは、姉さんには申し訳ないがとてもじゃないが家族旅行など行けそうもない。
    「朝帰りのプレイボーイだ!緑谷塩撒いて!」
    「轟くんおかえり。お姉さんたちとゆっくり出来た?」
    「あぁ、おかげさまで」
     じとりと睨め付ける上鳴の視線に「なんだ」と問いかけると、丸裸にシーツ一枚だけを身に纏ったまま犬のように鼻を鳴らしながら近づいてくる。
    「女の匂いがする」
    「姉さんたちに朝食に呼ばれたか行ってくるって言っただろ」
    「タバコの匂い。お兄さんまたタバコ始めたの?三日前に禁煙やめたんでしょ」
    「これはオヤジのタバコ」
    「お母さん元気そうで良かった」
    「そりゃどうも」
     スンスンと鼻を鳴らしながら周りをぐるりと一周して、満足したのか再び緑谷にちょっかいをかけ始める。
    ちょうど出来上がったらしいスクランブルエッグにトースト。厚切りのベーコンはいつも通りの朝食だった。
    「食べたいなら服を着てよ。シャツにパンツにスラックス。寝癖治してね」
    「見ろよ轟!緑谷が生意気だ!」
    「緑谷が正しい。今日は爆豪たちが来るんだろ?裸で相手すんのかよ」
    「シャツが全員家出したしパンツは全部燃やした」
    「ベッドボードに一式置いといただろ。蹴飛ばしたくせに」
     未だにああだこうだと騒がしい上鳴の様子にため息を溢して、このまま自発的に動くのを待っても埒が開かないので自分より一回り小さな体を勢いよく担ぎ上げる。
    シーツに包まれた色白のガリガリはまるで一つの荷物のようだ。
    時刻は十時過ぎ。爆豪たちとの約束は十一時だっただろうか。
    「十時五十五分には来るだろ。爆豪律儀だし」
    「尚更さっさと服着て飯食えよ。せっかく緑谷が作ってくれたんだから」
    「塩を二つまみも入れた!」
    「文句があるなら食べなくていいよー!」
     階下から聞こえる声に肩を竦めて寝室の扉を開くと、一人で眠るには十分すぎるベッドにやっぱり荷物のようにその体を投げ捨てた。
    「シャツはサックス、スラックスはグレー。今日はスリーピースにしようかな。革靴は当たり前にオックスフォード」
    「裸足でうろうろするなって言ってるだろ……」
    「革靴が勝手に歩いて行くんだよ」
     ペラペラとよく口が回るものだと感心しながら、丸められた新聞を手に取って広げる。
    この街は今日も平和だ。
    「大変だ轟!ネクタイの反逆だ!」
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