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    なんちゃってふんわり自己解釈D/Sユニバースとどかみの書きたいとこだけ

    #D/Sユニバース
    d/sUniverse
    #とどかみ

    D/Sユニバース風とどかみ② 入学時に配られたテキストの一つをパラパラとめくりながら、小さくため息を溢す。
    悪くはない。悪くはないはずなのだが、どうにも不十分に感じてしまう。
    「轟くん、よかったら一緒にお昼行かない?」
     緑谷の言葉にいつの間にか昼休みになっていたことに驚いてもう一度ため息を溢す。こんなに一日に何度もため息を吐くことがあっただろうか。
    「悩み事?」
    「……まぁ……」
     賑わう学食でいつもと同じようなメニューをピックアップして席に着く。メンバーも、メニューも、いつもと同じ。違うのは己の心情だけかもしれない。
    いつも通り緑谷と飯田があれやこれやと話しているのを聞きながら、そういえば他のペアの様子はどうなのかとふと気になった。
    「緑谷たちはどう言うプレイしてるんだ?」
    「ゲフッ!な、なに!、急に!」
     口に入れたものを勢いよく噴き出す様子にばっちいなと思いながら紙ナプキンを差し出す。そんな変なことを聞いただろうか。
    飯田も表情を固めたまま黙り込んでしまうので、聞き方が悪かったのかもしれないと気づく。
    「いや、順調かどうかと思って」
    「……あ、あぁ!そう言うことか!」
     言葉を選ぶように再度問い掛ければ、あぁ驚いたと呟きながら緑谷はお茶を一口飲んでそうだなぁと視線を揺らす。
    「多分順調と言うか、普通だと思うよ。テキストに書いてあるコマンドをいくつかやって、終わりって感じ」
    「……そうだよな……」
    「轟くんは何か特殊なことでもしてるのかい?」
     ようやく会話の内容を理解したらしい飯田の問いに「まさか!」と思いがけず大きな声が出た。
    「俺も多分緑谷のところと同じだ」
     多分、ともう一度呟いて果たして同じだろうかと不安になる。上鳴の様子はいつも通りだと思うのだが、なんとなく違和感があった。
    「Subにとって満足感のある褒め方ってなんなんだろう……」
     これまでの人生で誰かを褒めるなんてしたことがない。見様見真似というか、雰囲気で済ませてしまっている気がする。緑谷は困ったような気恥ずかしそうな顔をしながらそうだなぁと小さく呟いた。
    「やっぱりさ、スキンシップって大事だと思うよ」
    「スキンシップ……」
    「失礼な例えかもしれないけれど、犬とかもそうだろう?いい子だって撫でてやればこれは良い行いなんだって覚えると言うか」
     飯田の言葉になんだかしっくり来る。
    今まで気恥ずかしさが勝って言葉だけで褒めていたが、確かに良くできたとしっかり褒めると言う行為は、わかりやすく示すなら撫でる、という行動になるのだろう。
    「……やってみる」
    「上手くいくと良いね」
     飯田と緑谷にありがとう、と感謝の言葉を述べて、グラスに入った水を煽った。なんだか今日は上手く出来そうな気がする。


    ***

    「命令、座れ」
     ペタリと絨毯に座り込む上鳴の様子に、努めて優しく笑みを浮かべると「良い子だ」と呟いて頬を撫でる。
    上鳴は少し驚いた表情を浮かべて、それでもすぐにとろんと瞳を緩めて掌に頬を擦り寄せた。
    可愛い。
    不意に頭に浮かんだ四文字にギョッとする。
    男相手に可愛いとは?
    上鳴もハッと我に帰ったように顔を上げると、耳まで真っ赤に染め上げて「今日は終わり!」と突然声を荒げた。
    「いや、まだコマンド一つしか……」
    「別に一日一回でも良いじゃん!半年でプレイに慣れろってだけだろ!?」
    「まぁ……そうかもしれねぇけど……」
    「はい、じゃあ焦凍くんまた明日!バイバイ!」
     上鳴は無理やり背中を押して俺を部屋から追い出すと、勢いよく扉を閉めた。
    完全に追い出される形になった事に困惑する。
    一体どう言うつもりなのか。
    どこか物足りなさを感じながら、言われた通りに触れた手のひらを見つめる。
    熱を持ったように、熱い。
    果たして上鳴は少しでも満足してくれたのだろうか。それだけを気掛かりに思いながら、今日何度目かのため息を吐き出してノロノロと自室へ足を進めた。
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