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    陽炎@ポイピク

    ジョジョ5部プロペシメインです。パソコンもペンタブもないので携帯撮り&アナログ絵しかうpしません。
    🍞🚄🍊🍋の沼にも浸り中
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    陽炎@ポイピク

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    #ブチャトリウィーク2021
    生存ifの話です

    BeautifulRose「私、髪を染めた方がいいのかしら」
    ドレッサーの鏡の前で幾度も溜息を吐く少女を見遣る。
    「急にどうしたんだ?」
    年頃の子の扱いは難しい。それが異性なら尚更だ。
    俺は父さんに育てられてきたし、チームも男所帯なせいか、俺は女性の気持ちというものが良く分からない。
    「あたし、最初は嬉しかったわ。母さんから『貴女の髪はあの人譲りだ』って聞かされた時は」
    トリッシュは突然家にやって来たペリーコロさんによって、初めて自分の父親がギャング組織パッショーネのボスだと知ったらしい。無理もないだろう。彼女の母親が愛した男は、ソリッド・ナーゾ。それこそがディアボロの使っていた偽名だったのだ。そしてトリッシュはよりにもよってその男に殺されかけた。心に傷を負っていてもおかしくない。
    「あたし、何で母さんに似なかったの……?今だって、あたしを利用しようとする連中がいる。アイツは死んだってのに、アイツの残した運命の呪いが降り掛かるなんてもうまっぴらだわ」
    小さく俯き細い肩を震わせるトリッシュの頭を軽く撫でる。
    「だからこそ俺達がいる。君をこの世のあらゆる残酷な事から守る為に」
    全てが終わりジョルノが新生パッショーネのボスとなった今組織改革は少しずつ進んでいたが、やはり未だにトリッシュの命を狙う者は多い。俺はトリッシュ専属の護衛になったが、彼女を守るだけなら気の合うナランチャか話の合うアバッキオの方が適任な気がするんだが――。
    「それはあたしがアイツの娘だから?」
    睨み上げるようにグリーンの瞳が俺に向けられる。
    彼女の気の強さには敵わないな。
    ボスを裏切ると決意したのは俺の心がそうする事が正しいと信じたからだ。彼女の命すら己の過去に繋がるという理由で奪おうとしたのが許せなかったからだ。
    だが、今は。
    「俺はただ君に笑っていて欲しいんだ」
    母さんが家を出た時とても悲しそうな顔をしていた。
    幸せに生きる為選んだ道ならそれでいいと俺は納得していたが、母さんはきっと自分の為に俺が父さんの元に残った事の方が辛かったんだろう。
    「よ、余計なお世話よ」
    俺の手を軽く叩くトリッシュの耳はほんのり赤くなっていた。
    「トリッシュ、髪は染めるな。俺は君のその薔薇のような髪の色が好きだ」
    気まずさで言葉を続けると、トリッシュは『バカ』と呟いて俺へ完全に背中を向けてしまう。
    やはり、年頃の少女というのは難しいものだな。
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    陽炎@ポイピク

    DONE #プロペシ版ワンドロ・ワンライ
    お題『キセキ』
    月祈(きせき)は神仏に祈る事
    街中で鮮やかな色の糸を見た。
    糸を辿ろうと其れに触れた途端消えた。
    男は直感した。あの糸はスタンド能力だと。
    男は何日間もあの糸が再び現れるのを待った。
    どうして組織の把握していないスタンド使いが居る?
    パッショーネに所属していないスタンド使いが居るとするならば、ポルポの試験で矢に刺される事の無かった天性のスタンド能力者という事になる。
    きらりと光る針先が通りの遠くの方へ進んでいくのを目撃した男は糸の紡ぐ軌跡を追うように辿った。
    その釣り針は観光客の懐へと潜り込むとあっという間に財布だけを掠め取った。男は釣り上げられた財布と並走した。
    正確には糸を引いている主の元へ辿り着く為に。
    「あっ……」
    釣竿を手にしている少年はボロボロの布切れを身に纏い身体中が痣だらけであった。
    弾かれたように逃げようとしたものだから男は咄嗟に釣り糸を掴んだ。掌の中に食い込む針の痛みに構わず男は唇を開いた。
    「――お前、家族は」
    少年は怯えたように頭を横に振った。声が出ないのか、それとも出せないのか。それでもスタンド能力を解除しようとはしない。男はぞくりとした。腕を這い上がっていく釣り針と糸の感覚。この少年はオ 1665