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    チェモR18アンソロ進捗の一部 フェした後

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    高間晴

    DOODLEチェズモク800字。嫉妬するチェズ。■わたしの一番星


     二人の住むセーフハウスにはグランドピアノが置かれた部屋がある。今日もチェズレイが一曲弾き終わって、黙って傍の椅子でそれを聴いていたモクマは拍手をした。応えるように立ち上がって軽く一礼する。
    「ところでモクマさん。あなたも弾いてみませんか?」
    「えっ、俺?」
     驚いたように自分を指差すモクマを、ピアノ前の椅子に座るよう促す。困ったな、なんて言いながら満更でもなさそうだ。そんな様子に少し期待してしまう。
     モクマは確かめるように、両手の指を鍵盤にそっと乗せる。そうして指先で鍵盤をゆっくり押し下げて弾き始めた。
     ――きらきら星だ。
     多少調子外れながらも、鍵盤を間違えずに一分弱の曲を弾いてみせた。
    「――はい。おじさんのピアノの十八番でした」
     仕向けておいてなんだが、チェズレイは正直驚いていた。きっと片手を使って弾くのがやっとだろうと思っていたから。それと同時に、興味が湧いた。
    「どこで、覚えたんですか」
    「あーね。おじさん二十年くらいあちこち放浪してたでしょ? いつだったかバーで雑用の仕事してる時に、そこでピアノ弾いてたお姉さんに教えてもらったの」
     若い頃のモ 871

    高間晴

    DONEお題箱からのリクで風邪を引くチェズと看病するモさんの話。チェズモク。■いちばんの薬


     とある国で拠点にしているビル。上階にある執務室にて。
     モノトーンでまとめられた無駄のないスタイリッシュなこの部屋は、組織を率いるチェズレイの好みに合わせたものだ。室内にはドアの前に一人、チェズレイの側近である黒服の男が控えている。そんな中でチェズレイは黄昏の景色が映る窓を背にして机に座り、部下から提出された麻薬の密輸ルートに関する資料に目を通している。
     ――頭が痛む。これはたぶん熱もあるなと、チェズレイはそんなことを頭の隅で考えながら、涼しい顔を崩さない。
     そこへノックの音と「チェーズレイ」と呼ぶ声がしたので、はっと顔を上げてしまう。黒服が心得たように黙ってドアを開ける。そこには予想通りモクマの姿があった。書類を手に机までグレーのカーペットの上を下駄で歩いてくる。顔を見るのは二週間ぶりだ。チェズレイはすぐさま目の前の愛しい相棒兼恋人にハグしたかったが、部下の手前、そういうわけにもいかない。
    「ただいま~。久しぶりだね」
    「おかえりなさい、モクマさん」
    「お疲れさん。これ、俺がニンジャジャンの仕事やりながら新しく手に入れた、人身売買に関わってる組織のリストね」 2295

    高間晴

    DOODLE字書きだって洒脱モを書きたかった……というだけのアレ。チェズモク。■オール・ユー・ニード・イズ・ラヴ


     それは突然の雨だった。
     昨日、チェズレイとモクマの二人はとある国に拠点を移した。モクマがそのセーフハウスの近辺を、どんな店があるのか見て回っていた。
     ――あそこのラーメン屋、うまそうだな。チェズレイはきっとついてきてくれないだろうけど。
     なんて思いながら歩いていく。するとみるみる空が曇って雨が降り始めた。
     まずい、傘なんて持ってないぞ。
     モクマはとっさに青藍の羽織についていたフードをかぶると、慌てて下駄を鳴らしながらセーフハウスに向かってアスファルトを駆け抜けた。雨はどんどん激しさを増していく。確かにスコールが多い国だとは聞いていたけれど。顔に大粒の雨のしずくが次々と当たるのがわかる。
     約二十分の後。セーフハウスの玄関を開けて駆け込むと、チェズレイが慌てて出迎える。
    「モクマさん……! いま迎えに行こうとしていたところで――」
    「ただいま、チェズレイ。いや~いきなり降り出すからびっくりしちゃった」
     言いながらフードを脱ぐと、羽織がだいぶ雨を吸って重くなっているのに気づく。全身濡れ鼠だ。「待っていてください」と言い置いてチェズレイが 1511