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    節分雑短編

    「今日は節分か・・・」
    「せつぶー?」
    僕はカレンダーを見ながら呟くと、愛が反応する。
    「鬼に豆を投げる日だよ」
    「まめ?」
    「・・・あ」
    あることを思い付いてKKの方を向いた。
    「KK」
    「断る」
    「なんでまだ何も言ってないよ!!」
    「お前がよからぬ事を考えてるのは見え見えなんだよ!!」
    バレたか。でも付き合って貰うからね
    「お前、顔、怖いぞ・・・」
    ****
    近場のスーパーで豆を買って、升に入れる。愛の方に目をやると、豆を指で摘まんでボリボリと食べている。指を使っていることに成長を感じた。最近までボーロを手掴みで食べていたのが嘘みたいに。
    「おいしい?」
    「うん!」
    「じゃあ鬼に向かって豆投げて」
    人差し指を向けた方向に愛が顔を向けると、そこにはガタイの大きいトラ柄の腰ミノを着けた鬼がいた。
    「鬼だぞぉ!」
    KKには申し訳ないが『鬼』役をして貰うことにした
    「いぃぎゃぁぁぁあぁぁあああ!!!」
    あまりの迫力に愛がギャン泣きした。
    「鬼だよ?豆投げないの?」
    「いやいやいやいや!!」
    愛が僕に抱きついて胸に顔を押し付けて、そのまま泣き伏せた。
    ****
    後日
    「愛、パパと一緒に遊ぼう、な?」
    KKはしばらく愛に口を聞いて貰えなかった
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    りんご

    DONEまじない、あるいは、のろい (ここまで読みがな)
    K暁デー「スーツ」
    お題的なこともあって結婚と葬送の話をどっちも書きたかっただけです。あっきーがバカ重い感じですが、その環境ゆえにうまく隠すことがうまかっただけで彼の本質はこうだろうなーとか思ったり。いつものごとく二人で喧嘩して、戦って、駆け抜ける話です。
    中の人本当にありがとうございました、お陰で細々と楽しくK暁を追いかけられました。
    呪い短くも長くもない人生を振り返るにあたり、その基準点は節目にある行事がほとんどだろう。かくいうKKも、自らのライフイベントがどうだったかを思い出しながら目の前の光景と類比させる。
    準備が整ったと思って、かつての自分は彼女に小さな箱を差し出した。元号さえ変わった今ではおとぎ話のようなものかもしれないが、それでもあの頃のKKは『給与三ヵ月分』の呪文を信じていたし、実際差し出した相手はうまく魔法にかかってくれたのだ。ここから始めていく。そのために、ここにいる隣の存在をずっと大事にしよう。そうして誓いまで交わして。
    まじないというのは古今東西、例外なく『有限』である。
    呪文の効力は時の流れに飲まれて薄れてゆき、魔法は解け、誓いは破られた。同じくしてまさか、まじないの根本に触れることになるだなんて思わなかった、ところまで回想していた意識を、誰かに強い力で引き戻される。
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