「今日は節分か・・・」
「せつぶー?」
僕はカレンダーを見ながら呟くと、愛が反応する。
「鬼に豆を投げる日だよ」
「まめ?」
「・・・あ」
あることを思い付いてKKの方を向いた。
「KK」
「断る」
「なんでまだ何も言ってないよ!!」
「お前がよからぬ事を考えてるのは見え見えなんだよ!!」
バレたか。でも付き合って貰うからね
「お前、顔、怖いぞ・・・」
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近場のスーパーで豆を買って、升に入れる。愛の方に目をやると、豆を指で摘まんでボリボリと食べている。指を使っていることに成長を感じた。最近までボーロを手掴みで食べていたのが嘘みたいに。
「おいしい?」
「うん!」
「じゃあ鬼に向かって豆投げて」
人差し指を向けた方向に愛が顔を向けると、そこにはガタイの大きいトラ柄の腰ミノを着けた鬼がいた。
「鬼だぞぉ!」
KKには申し訳ないが『鬼』役をして貰うことにした
「いぃぎゃぁぁぁあぁぁあああ!!!」
あまりの迫力に愛がギャン泣きした。
「鬼だよ?豆投げないの?」
「いやいやいやいや!!」
愛が僕に抱きついて胸に顔を押し付けて、そのまま泣き伏せた。
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後日
「愛、パパと一緒に遊ぼう、な?」
KKはしばらく愛に口を聞いて貰えなかった