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    Hakuaisan(GWT)

    @Hakuaisan

    二次創作てんこ盛り野郎

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    Hakuaisan(GWT)

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    「けぇけぇのせなか、あったかい」

    「暁人・・・」
    「けぇけぇ?」
    絵梨佳の父親が暁人を保護していると聞いたときは疑心暗鬼だった。だが、確かめないことには意味がないのであいつのところに行った。ドアを開けて見えた、子供のような無垢な表情になっていた。
    「暁人、何があったんだ」
    「ん?」
    暁人はにこにこしながら首を傾げる。
    「俺に会えなくて寂しかったのか?」
    「べつに、おじさんがあそんでくれたから」
    「そうか」
    「・・・けぇけぇ、ないてるの?」
    俺の頬を伝う涙を拭って暁人は言う。
    「なんでもないさ」
    俺は暁人の頭を優しく撫でた。
    「変わっちまったな」
    「・・・あきとは、あきとだよ?」
    「いや、俺のせいだ。暁人、ごめんな」
    「けぇけぇ?」
    俺はもう一度優しく頭を撫でてやり、そのまま暁人の手を引いた。
    ****
    「よぉ、来たか」
    「顔色が酷いぞ」
    「暁人のことでだ」
    KKに呼ばれた私はアジトへ来たが、出迎えた彼の顔色が酷く、左頬には絆創膏が貼られていた。
    「暁人の癇癪が悪化しているらしいな」
    「ああ、凛子もエドもデイルも絵梨佳も皆ダメになった」
    部屋のドアを開けると、どんよりとした空気が漂っていた。凛子やデイルがソファにくたびれたように座り、普段表情を変えないエドも疲労の色が見え隠れしていた。娘は机に突っ伏して寝ているが魘されているように見える。そして暁人はというと
    「お兄ちゃん、いつまでやってるの?」
    「ずっと」
    自身の妹である麻里を後ろから抱き締めた状態でその場に座り込んでいた。
    「剥がそうとしたり麻里が離れようとしたりすると癇癪起こして手が付けられなくてな。この前は暁人に頬引っ掻かれた」
    「絆創膏はその傷か」
    「暁人、いつまでやってるんだ?麻里は学校があるんだぞ」
    「・・・わかってる、けど・・・あきとはまりじゃないとダメなの・・・」
    彼の様子を見ていると精神年齢が更に下がっているように見え、普段の彼からは想像できなかった。
    「暁人、お前は麻里を取られたくないんだな?」
    「・・・まりは、あきとのだいじないもうと。はなれたくない」
    「じゃあ俺はなんだ?」
    「けぇけぇは、あきとの、あい、ぼう、で・・・」
    「おいおいやめてくれ」
    声が震え、今にも泣き出しそうになり、麻里は咄嗟に彼から離れた。
    「けぇけぇ、いなくならいで」
    「大丈夫だ、いなくなるもんか」
    KKは安心させるように暁人の頭を撫でてやった。そっと彼の背中に手を当てるとぎゅっとKKを抱き締めて泣き出した。
    「うぅ・・・」
    一夜限りの出会いがここまで発展したことに私は驚いた。KKは子供をあやす様にぽんぽんと背中を軽く叩く。
    「よしよし、大丈夫だぞー」
    「うぇえええ」
    「はぁ、泣き止むまで待ってやるか」
    「・・・そうだな、お前はここにいるべきだ」
    私がそう言うとKKは少し寂しそうに笑っていた。それから30分程して暁人はようやく落ち着きを取り戻していた。と言っても未だにKKにしがみついたままだったり、ひっついて離れないのだが。
    ****
    「暁人、降りて歩いてくれ」
    「やだぁ」
    あれから暁人は俺から離れず、最終的におぶって帰る羽目になった。
    「この歳になると腰がキツいんだ」
    「え~」
    「えーじゃない」
    「ぶー」
    「ぶー言うな」
    「やーだ!」
    「はぁぁ」
    「けぇけぇ、おこってる?」
    「怒ってない」
    「えへへ~」
    俺の背中に顔を擦る。本当に子供っぽくなったものだ。そんな暁人を見て俺は溜息を吐いた。家に着く頃には暁人は眠りについていた。
    「手間かけさせやがって。よっこい・・・うっ」
    暁人を降ろそうとしたら腰を痛めた。いつぶりにぎっくり腰になったか。腰の痛みを我慢しながら暁人を寝室へ運び、寝かせた。
    「けぇけぇ・・・」
    暁人の口から俺の名前が零れる。俺は暁人の手を握って、幸せそうな寝顔を見ていた。








































































































    「暁人、朝だぞ・・・まだ寝てるのか?」
    暁人より早く起きて朝食を作る。が、暁人が起きてこない。不審に思った俺は暁人を起こしに寝室に入った。
    「いつまで寝てんだ、寝坊す・・・け」
    部屋の中には布団だけがあり、窓からは冷たい風だけが入っていた。
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