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    りーな

    @daryunaru
    好きなように二次創作物
    女体化好き

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    りーな

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    できたてほやほやの柴君と貫禄の水臼とぐだぐだ喋ってる聖蹟。聖蹟って最高だからみんな出したくなるので困る。まじで。

    #柴君
    chaiJun
    #水臼
    waterMortar

    多分ムッチャンも気づいてない 頭がやられたとしか言えないが、喜一と付き合うことになった。くそ。なんでこんなことに。あの日、喜一が「どうやらお前は俺を好きらしいな、仕方がないから俺との交際を許してやろう」と訳のわからぬことを宣ったせいだ。
     確かに俺は「はっ、許してやろうなんざ何様のつもりだ。てめえが俺に惚れてんだろマヌケ、口説くならもっとマシな台詞勉強してこい」と返した。そしたら次の日に、喜一は壁を背にした俺の前に立ち、両手を壁についてキスを迫ってきた。「何考えてんだバカ野郎!」喜一を突き飛ばして詰ると「壁ドンというらしい、知らんのか」と何故かドヤ顔で答える喜一。姉の持つ漫画ではヒロインの好感度によっては効果があったらしい。「印象が悪い相手だと更に印象が悪くなるようだが、お前は俺に惚れてるのだから効果があるはずだろうが」んなわけあるか!
     顔が熱い気がするのは、無駄に整った顔が近づいてきたから、それだけだ。
     そして、お前が俺に惚れてんだと認めれば付き合ってやらんこともない、と口を滑らせたのは俺だ。

     恋人という肩書きができたところで喜一との関係が大きく変わることはない。オフの日に会う機会が増えた、その割には揉める回数は減ったというくらいか。部活中は関係性の変化についておくびにも見せなかった。はずだった。
    「お前らなあ……もうちょい仲良くできんのか」いつものように喜一と言い合っていると、それを止めにきた監督がぼやいた。すると。
    「心配しなくても大丈夫ですよ」
    臼井先輩がそう進言した。「そのうち俺と水樹くらいの仲にはなりますよ」……なんて言った?
    「本当か?」と疑わしそうな監督はどうでもいい。だが。「まじか! めでてーな!」「部にとっても良いことだな」「くそー、俺らも次の合コンがんばるか」「色ボケしてたらチョップ食らわしてやろーぜ」うるせーぞ三年ども! 何を盛り上がってやがる!
    「なるほど、なるへそ。そうか、仲良くなるのはいいことだ」「まだ時間はかかるだろうけどな」
     キャプテンと副キャプテンの呑気な会話が耳を通り過ぎる。落ち着け、落ち着け敦。臼井先輩が、俺と喜一の関係が先輩自身とキャプテンとの関係と同じだと勘づいた。それは勘違いだと言い包めなければならない。いや実際には勘違いではないが。部の連中に生温く応援される状況なんざ糞くらえだ。
     頭がくらくらし始めたので、自分で自分を落ち着かせようと努力しているが、うまく行かない。動じていない様子の喜一に腹が立つ。何をそんな平然としてやがる。睨みつけてやると喜一は言った。
    「何故お前がそんなに無様に狼狽えているかがわからん」………は⁉︎
    「喜一、まさか気づいてなかったのか」
    「? 何をだ」
    バカの鈍さに唖然としていると、いつの間にか近寄ってきた鈴木と佐藤が耳打ちしてきた。
    「意外と気づいてない奴は多い。三年は公然の秘密って感じだし、二人とも特に隠してる様子もないけど」
    「だよな。つーかもう大柴担当外れていいよな、俺」
    ……あの二人の仲ってそんなにバレてねえものなのか?

    「水樹キャプテンと臼井先輩くらいの仲? 無理だろあんな阿吽の呼吸」
    「だよな」
    「しょっちゅう喧嘩してるし」
    「いやでも喧嘩するほど仲がいいって言いますし」
     耳を澄ましてみると、確かに一年三馬鹿と柄本は気づいていないようだ。
    「君下くんとキーチマンの喧嘩なんてもともと犬も食わねーやつじゃん」
    「今更だよね」
    よし、風間と今帰仁は後で締めよう。
     そろそろ練習を再開しよう、そう臼井先輩が言ったのをきっかけに、全員それぞれの練習場へ散った。俺も、とりあえず喜一をひと蹴りしてからゴール前へ向かおうとすると、臼井先輩に呼び止められた。
    「後で話を聞かせてくれるよな、君下」
    にこりと微笑み守備陣の元へと向かう苦手な先輩の後ろ姿。それをなす術なく見送っていると、騒ぎを遠巻きに見ていた生方と目が合った。途端にパッと目を伏せられた。一瞬見えた生方の顔は赤かった。やめろ、お前が照れるな。そういう初心な反応が一番居た堪れねえ。
     額に手を当てて、落ち着け敦と再び自分を言い聞かせてると、喜一後頭部にチョップしやがった。蹴ったお返しだ? ふざけんな! 誰のせいでこんな目に遭ってると思ってんだ! 
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