魏無羨と聶懐桑と莫玄羽の話魏無羨と聶懐桑と莫玄羽の話
「莫玄羽ってどんな人間だったんだ」
私は、藍忘機を待っている彼の話し合い相手にされてしまった。
『夷陵老祖、魏無羨という方はどのような人間だったんですか』
「魏公子どうして私にそんな話を振るんですか」
同じ顔同じ声、だが仕草や目の動きは違うけれど私は戸惑う。
「いや聶懐桑なら知っているんじゃないかって」
『貴方ならご存知だと思ったのですが学友だったんですよね』
彼の眼は死んでいるようだったが今目の前にいる彼の眼は見透かすように私を見つめている。
「私は何も知りませんよ」
莫玄羽には反対の言葉を語った。
『知ってますよ、何が知りたいんですか?』
「生きていた莫玄羽の事少しは知ってるんだろ」
『生前の魏無羨の事ならなんでも・・・』
『私のお仕事の手伝いに協力してくれるのなら知ってること全部教えてあげますよ』
『魏無羨は器用な方だったんですね』
莫玄羽は困った顔をしていてけど元々器用だったのか私の知る魏無羨に近づいていた。
笛をくるくる回せるようになったのを私に見せてくれた時赤い髪紐がゆらりと揺れていた。
「莫玄羽って器用な奴だったんだな」
くるくる笛を回しながら彼が笑う、そして風が吹き黒髪と赤い髪紐が流れて私は瞳を閉じた。
「その姿で彼と同じような事は言わないでくださいよ」