真夜中の内緒話真夜中の内緒話
何十年ぶりだろう、この景色と楽しい空気を感じたのは。
《あるじ、あるじ~今夜はここで寝るの?》
満天の星空の下で焚き火に使う小枝を拾っている主の 魏無羨にご機嫌な声で話しかけた。
「ああそうだぞ、随便は野宿久しぶりだもんな。あんま騒ぐなよって言っても俺達以外お前らの声は聞こえないけどな」
そう言って主は嬉しそうな顔で鼻歌まで歌っているからオレもつられて真似してみたんだけど上手く歌えなかった。
随便は大好きな主魏無羨にもう一度歌ってと口にしようとしたのだが・・・。
「魏嬰」
「藍湛、このくらいで平気かな」
「問題ない」
集めた小枝に火が灯って夜空に煙がゆらゆらと延びていくのを随便は嬉しそうに見上げてころりとその場に大の字に転がった。
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