「藍兄ちゃん、明日はお誕生日なんだってな。何か欲しいものとか俺にして欲しい事とかあるか?」
白い龍の膝の上で赤い着物を着た黒い小兎が足をパタパタさせながら聞いてきた。
「欲しい物?」
「何かあるのか!」
顔を見上げ藍湛を見つめる瞳はキラキラと輝いていた。
「君とこうしている時間」
「俺と一緒にいて楽しい?」
「うん。あと、とても嬉しい」
「俺と同じだ!!すっごい嬉しい!!」
大きな声を出す黒兎に白い龍は指を口元において「しー」と呟く。
慌てて小さな手で小さな口を押さえバツが悪そうな顔をして小さく謝罪した。
「うん、魏嬰は良い子」
大きな手で頭を撫でられ目を細めて気持ちよさそうにしている魏嬰を静かに見つめる。
「魏嬰と出会えて幸せだ」
ぱちりと黒兎が目を開けきれいな龍を見つめる。
「幸せ?じゃあずっと傍にいてやるよ」
腕の中の黒兎を自分と正面を向かせるように抱き直し
「私の傍にずっとこの先の時間もいてくれる?」
「でも、俺小さいから藍兄ちゃんと釣り合わないから少しの時間待ってて」
「ああ、待ってる」
ぴょんと藍湛の膝の上で立ち上がり小さな両手で綺麗な龍の顔を包み込み
「大きくなったらさ、俺が藍湛の番になってあげるからね」
「うん」
年がまた一回りした時成長した黒兎が白龍の前に現れた。
「久しぶりだなそれとただいま藍兄ちゃん、俺大きくなったろ」
ぴょんと飛び跳ねるように藍湛に飛びつきそれを当たり前の事のように抱きとめてひょいと持ち上げた。
「ああ、大きくなった・・久しぶり魏嬰、そしておかえり」
腕の中の黒兎は嬉しそうに頬を摺り寄せた後大きくなった両手て龍の顔を包む。
「誕生日おめでとう、この先の時間は藍湛に全部あげる」