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    羽神弓槻

    @u_ga_yuzuki_miz
    封神(楊太)魔道祖師(忘羨)その他色々らくがきしております。

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    羽神弓槻

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    供養に近い龍狐忘羨。
    本当は藍湛の誕生日話用でした・・・本編のどこかで入れ込むかもしれない。

    #魔道祖師#忘羨

    この空で逢えるよう この空で逢えるよう

     小さな黒子狐と暮らすようになった初めての私の誕生日に小さな贈り物を差し出してくれた。
    「藍二哥哥のお誕生日だって聞いたんだ、でも何を贈れば良いかわからないから考えた結果がこれ」
     一枚の私の似顔絵だった。
    「この絵は魏嬰が?」
     魏嬰は尻尾を元気に振って笑顔を私に向けてくれた。
    「うん、俺が描いたんだ」
     静かに受け取って頭を撫でると黒い耳がぺたりと下に下る、気持ち良いのか目を閉じて小声てもう少し。
    「ありがとう大切にする」
    大きな手が自分の頭から離れると自分の手で頭を撫でた。
    「藍二哥哥の手は大きくて温かいから好きだよ」
    「そうか」
     藍湛はそう言って白い箱に仕舞ったあと魏嬰を抱えると静かに抱きしめた。
    「藍二哥哥あったかい」
    「魏嬰も温かい」
     この子が来た時にはこんなにも自然に抱きしめたり頭を撫でるとか触れ合う事が出来るとは思わなかった。
    『忘機は良い出会いをしたね』
    兄がそんな話を私にしたくれたが、この先の事を思うとそれは良い事なのかと疑問も感じている。
     私は数年後神格の行事を控えている、誰か一人の為に生きるとか力を行使するとか考えても思ってもいけないのに、この腕の中にいる小さな命が愛しいと思う。
     「うん。あっ、今年から毎年誕生日に似顔絵描くね。俺がお手紙貰ってみたいに」
     腕の中の子狐が笑顔で話す。
    「楽しみにしてるよ」
     おでこをこつんと
    「今よりもっともっと上手に描けるようになるんだ」
     その後誕生日が来るたびにあの子は似顔絵を描いて私に渡してくれた。
    「藍湛、来年の誕生日も楽しみにしてくれよな」
    「うん」
     その約束を果たす時は延ばされる事になるとは思わなかった。

    「そう言えば二の若様の誕生日だってな」
     小さな龍の子供が遊びに来ていた時夷陵老祖の黒狐が天子笑を飲みながら話を始めた。
    「誰が言ったんですか」
    「お前のお兄ちゃん」
     藍湛は頬を膨らませて横を向いた。
    「お祝・・してやろうか?」
    「いらない」
    「子供は素直にならないと」
     魏嬰が藍湛を持ち上げて抱っこして頬をすりつけた。
    「離せ」
    「柔らかいなぁ藍湛のほっぺは。後ひどいなぁー俺たちは一緒に寝た仲じゃないか」
    「誤解を招くような事言うな、あと子供じゃない」
    「はいはい、俺のねぐらまで行こうな湛湛」
     ねぐらまで運ばれて寝台に座らせ藍湛は固まったまま机に向かって何かを描いている魏嬰を見つめた。
    「もう少しまってろよー」
     鼻歌を歌いながら何をしているんだ。
    『この鼻歌・・どこかで聞いた覚えがある』
    「魏嬰、その歌は」
    「よし出来た、完璧だ」
     ほらと藍湛に一枚の紙を差し出した。
    「似顔絵?」
    「そう、俺は貧乏だから似顔絵で勘弁してくれよな。
    これくらしか思いつかなかった」
     頭をかいて苦笑いをする魏嬰を見て何かを思い出しかけた。
    「あ・ありがとう、大切にする」
    「うん、また来年逢えたら描いてやるよ」
    「本当?」
     羽織を掴まれて藍湛の方に引き寄せられた。
    「相変わらず力持ちだな。ああ良いよ描いてやる」
    藍湛が里に戻った後一人になったねぐらで寒さを感じていた。
    「寒さなんて慣れたはずだったのにな・・」
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